茂木健一郎(@kenichiromogi)さんの連続ツイート第547回「自分の意見を言うときには、みんなはどうかとか考えない方がいいよ」
- toshihiro36
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走行中の成田エクスプレスの中から、「連続ツイート」第547回をお届けします。文章は、その場で組み立てながら即興的に書いています! 本日は、日本に帰ってきて、ツイッターのTLを見た瞬間に感じたことについて。
2012-03-28 16:55:41じみ(1)これは今回の旅じゃないんだけど、確かアトランタに行った時だったか、乗るタクシーの運転手さんが、みなアフリカから来た人だった。それで、移動しているときに、ある運転手さんが、「このあたりはゲイの人たちが多いんだ」と言った。ぼくは、「へえ、そうなのか」と思った。
2012-03-28 16:57:10じみ(2)そのあと、その運転手さんは、「私は同性愛は神の道に反していると思うよ。平等はいいけれども、行きすぎていると思う。私は、愛というのは男と女の間にあるように、神が定めたものだと思う」と言った。そうか、そんな考え方なんだ、とぼくは思った。
2012-03-28 16:58:54じみ(3)その後、乗った別の運転手さんも、やはり同性愛は嫌いだと言っていた。文化的ないしは宗教的な背景があるのだろう。それでも、なぜかイヤな気持ちにならなかったのは、それはあくまでも「自分の考え」ということで、押しつけることもなく、おもねることもなく、言い切っていたからだろう。
2012-03-28 16:59:58じみ(4)ワシントンの空港で飛行機を待っていたら、オバマ・グッズがたくさんあった。「Yes We Can」と書かれたお菓子なども。一方で、「2013年1月20日(だったけな?)、間違いが修正される日」と書かれたTシャツもあって、オバマの再選に反対する人が着るのだなと思った。
2012-03-28 17:01:34じみ(5)アメリカはいろいろ問題がある国だけど、いつも感心するのは、それぞれの人が、それぞれの立場で自分の意見を言い切って、それで恥じないことである。その空気に慣れて日本に帰ってきて、ツイッターのTLを見ていると、あれれ、なんだか湿っぽいぞと思えてくる。
2012-03-28 17:02:33じみ(6)最近はパブリックの問題について意見を言う人が多い。それはとても大切なことだけど、その時に、文章を読んでいると、「これはみんながそう考えるはずの意見だ」みたいな押しつけがましさ、ウェットさを感じることが多い。ああ、これが日本なんだなと思う。
2012-03-28 17:03:58じみ(7)「拡散してください」と押しつけてきたり、執拗に@メンションで絡んできたり。そんな振る舞いには、自分の意見を自分の意見として言い切る、さわやかさが欠けている。なぜか、空気のようなものを前提に、それを読んでいるのである。そして、空気を操作しようとするのである。
2012-03-28 17:05:30じみ(8)社会の空気が今はこうだから、というようなことと関係なく、自分の意見を言って、その理路をきちんと語ること。表現というものは基本的にそのようなものでなければならないと思う。すぐに空気が介在してきてウェットになるのは、日本のOSの劣化の一つの表れだろう。
2012-03-28 17:06:36じみ(9)この問題が厄介なのは、話者が暗黙のうちに前提にしていて意識していない領域に関わるからで、つまりは日本人のマインドセットに関わっている。どんなに少数派の意見でも、堂々と表明すればいい。本人が正義だと思っていても、そこに空気を読むウェットさが絡むと、爽やかではなくなる。
2012-03-28 17:07:54