放射性物質を閉じ込める五重の壁・五つの不思議

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kentarotakahashi @kentarotakahash

五重の壁、五つの不思議 : よく「放射性物質を閉じ込める5重の壁」と言われますが、これらはどこが壁なのか、いろんな不思議があります。中部電力のサイトで勉強してみましょう。 http://t.co/mC07U5Gx

2012-03-29 23:59:06

http://twitpic.com/9310ww/full

中部電力サイトより
「放射性物質を閉じ込める多重の壁」
http://www.chuden.co.jp/energy/nuclear/nuc_safety/nucs_shikumi/index.html

kentarotakahashi @kentarotakahash

「第一の壁:ペレット」 ペレットはウランを陶器のように焼き固めたものです。どこに「壁」があるのでしょう? ペレットはそれ自体が猛毒の放射性物質なのですから。青酸カリが錠剤になっている時、毒物は「壁」の中にあると言うでしょうか? 「第一の壁」は壁とは言えません。

2012-03-30 00:14:39
kentarotakahashi @kentarotakahash

「第二の壁:燃料被覆」 これは最も重要な「壁」です。しかし、その厚さは1ミリもありません。ペレットの内部は2000度以上になりますが、原子炉はこれを水流で冷し続けます。そのためにはジルコニウムの被覆は薄くないといけないのです。この被覆は1850度Cで融けます。

2012-03-30 00:15:13
kentarotakahashi @kentarotakahash

「第二の壁:燃料被覆」(補足) ジルコニウム被覆は高温になると、融ける以前に、周囲の水や水蒸気と反応します。酸化して、酸化ジルコニウムになる時に、水素を発生させます。これが福一、一号機、三号機で水素爆発が起きた原因になりました。第二の壁は凶器に変わる壁です。

2012-03-30 09:16:25
kentarotakahashi @kentarotakahash

「第三の壁:圧力容器」 厚さ17センチ程の鋼鉄の容器ですが、ジルコニウム被覆が破れたり、融けたりすれば、容器中の水や蒸気には放射性物質が漏れ出ています。圧力容器が健全でも、そこからは沢山の配管が外に出ています。そのどこかから漏洩があれば、放射性物質は外に出て行きます。(続く)

2012-03-30 00:23:53
kentarotakahashi @kentarotakahash

「第三の壁:圧力容器」(続き)そして、一度、冷却水が失われ、燃料棒が溶融すれば、17センチの鋼鉄の壁も数時間で破壊されます。融けた燃料は圧力容器の底を通過して、格納容器に漏れ落ちます。

2012-03-30 00:25:56
kentarotakahashi @kentarotakahash

「第四の壁:格納容器」 これはまさしく閉じ込めるためにある「壁」です。しかし、圧力容器が損傷するまでに至っていなくても、冷却水喪失、燃料棒破損が始まると、圧力容器の蒸気を格納容器に逃がす必要があります。すると、格納容器の圧力が上がります。(続く)

2012-03-30 00:30:38
kentarotakahashi @kentarotakahash

「第四の壁:格納容器」 (続き)格納容器の設計圧力は4気圧位しかありません。設計圧力を越えると爆発の恐れがあるので、ベントという蒸気を外に逃す措置が取られます。格納容器は「壁」なのに、「壁」であることを放棄して、ベントをしてしまうのです。ベントをすれば放射性物質が大気中に出ます。

2012-03-30 00:33:07
kentarotakahashi @kentarotakahash

「第四の壁:格納容器」(補足)圧力容器から溶融燃料が融け落ちると、格納容器は高圧になりますので、ベントせざるを得ません。先に「壁」であることを放棄してしまうのですが、溶融燃料は容赦なく、格納容器の底部を溶かします。水を入れて、冷せなければ、底が抜けます。

2012-03-30 09:20:46
kentarotakahashi @kentarotakahash

「第五の壁:原子炉建屋」厚さ2mの壁と書かれていますが、原子炉建屋は気密性が低いので、「壁」になりません。建屋が健在な福一2号機からも大量の放射性物質が放出されたのが、それを物語ります。ベントが行われる場合には、排気塔から放射性物質が放出されるので、建屋はスルーされます。

2012-03-30 00:37:26
kentarotakahashi @kentarotakahash

「五重の壁」なんて言っても、第一の壁と第五の壁はまやかしです。一番重要なのは第二の壁ですが、この0.86ミリ位しかないジルコニウム被覆が融け落ちる事態に陥った時には、残る二つの壁はもう脆いものです。

2012-03-30 00:47:02
kentarotakahashi @kentarotakahash

そもそも、こんな「壁」の数を数えて、それで安心を謳うような思想が間違いなのです。物理的な壁は突破されます。多重防護を謳うならば、電源や冷却システムが多重に備えられていなければいけない。

2012-03-30 00:53:08