同題ssTB　まとめ

@hydrangea_09

急に窓が煩くなった。案の定外は予想通りの激しさだ。「あーこんな中帰ったらバニーちゃんのカールが崩れるわ」「それは困りますね」素っ気なく彼は言う。「じゃあ…今夜は泊まってく？」半分冗談で言ったのに彼の顔が縦に振られたのを見て、俺の心までざわついた。＜暴風雨＞ #同題ssTB

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引退後、1度も連絡を取り合っていない。もう会う事はないのかもしれないと思っていたのに、巡り合わせたのは皮肉にもテレビ中継。未練が色濃くなっていた時、タイミングよく一人で必死に走る彼をブラウン管越しに見た。僕はこの運命の悪戯に、悪い予感は微塵も感じなかった。＜悪戯＞#同題ssTB

@hydrangea_09

キスの時、激しくしないようにしている。息が続かないからだ。柔な身体では無いのに、肌を重ねる時も抱き潰してしまわないように優しくする。そんな苦労も虚しく、濡れたグリーンの瞳に見つめられる度に名前の一文字が疼き始める。…たまには本能の赴くままに、求めたい。＜動物＞ #同題ssTB

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朝方、バーナビーが寝ながら笑っていた。珍しく先に目が覚めてしまったので寝顔を見つめていた時だ。ふふ、っと笑うとふっくらとした唇が揺れる。吸い込まれるように唇を合わせると、今度は不機嫌そうな声で咎められた。虎徹は慣れた笑顔をバーナビーに向け、誤魔化した。<笑う> #同題ssTB

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底無しの激情とほんの少しの隙間。一度嵌まったら抜け出せないというのに自らその隙間に入る。ぶち当たる地面はなく、急降下は止まらない。足元を掬われ落ちていく。たまに与えられる温度と気まぐれな告白が、落下速度を速める。自分本位の愛は止まらない。終着地は何処だ？＜穴＞ #同題ssTB

@hydrangea_09

「ん？風邪か？」隣のデスクの彼が僕の顔を覗きこむ。彼と出会って初めての春だから僕が毎年花粉に悩まされている事を知らないのだろう。「花粉症ですよ」「そっか。って鼻水垂れてる！」だらしなく濡れた僕の鼻を、すかさずティッシュで拭う彼。春がちょっと好きになった。＜春＞ #同題ssTB

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貴方が笑えば、僕も笑う。貴方が鼻歌を歌えば、僕もつられて歌う。貴方の荒い息を聞けば、僕は貴方の胸の中で情けなく喘ぐ。貴方が好きだと言えば、僕は声には出さないが唇だけで「愛している」と、囁くのだ。 <依存> #同題ssTB

@hydrangea_09

最近、このバイクにシンクロしてる。朝から晩まで一緒に居て、仕事が終わった夜も同じベッドで愛を育む生活。たまにはさ、お互い自分の部屋で一人の夜を過ごしてみないか？会えない夜に会えない相手の事を考えて愛を育む。それもまたオツなものさ。なんつって！<チェイサー> #同題ssTB