味噌カツさんちの三男坊

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煮わ師 @2w_a7

「こんなの、全然、痛くない…。おうちにかえったら、お母さんが暖かい油と、おいしいごはんをつくってまってくれるんだ。だから、こんなの、ちっとも痛くない!」

2012-04-02 02:18:31
煮わ師 @2w_a7

痛みにたえながら、味噌カツはほんを護る騎士のような口上を叫びました。特に効果はなかったけど、なんだかいい気分でした。三男味噌カツはおばかさんでした。

2012-04-02 02:19:23
煮わ師 @2w_a7

「どぷっ!!ビュルルルルッ!ビュプッ!」 意味がなかったはずの口上なのになんと!その叫びに共鳴し地面から勢いよく味噌が噴き出してきたのです!

2012-04-02 02:21:26
煮わ師 @2w_a7

「こんにちは、味噌カツさん。わたしたちは味噌の精霊です。」

2012-04-02 02:24:16
煮わ師 @2w_a7

「味噌がしゃべった!」あまりの驚きに三男味噌カツは腰をぬかしてしまいました。

2012-04-02 02:25:21
煮わ師 @2w_a7

三男味噌カツは意味不明な展開に戸惑いつつも、勇気をふりしぼり、味噌の妖精に「どうして味噌が地面から…。」とききました。

2012-04-02 02:26:56
煮わ師 @2w_a7

「驚かせて申し訳ありません。口上のあまりの聞き覚えのありっぷりに、身体がビクンッと反応し、何かが駆け上がってくる感覚とともに気がついたら地上へ噴き出してしまいました。」さらりと味噌の妖精はこたえます。

2012-04-02 02:29:53
煮わ師 @2w_a7

「そうなんだ…。味噌の妖精さん、迷惑をおかけしたようで申し訳ないです。ごめんなさい。」そのこたえをきいて、さん、三男味噌カツはぺこりと頭を下げながらあやまりました。

2012-04-02 02:32:35
煮わ師 @2w_a7

「おやおや、なんて素直で、優しくまっすぐな味噌カツなんでしょう!すてきな味噌カツだわ!」三男味噌カツの言動に、味噌の妖精は感動しました。

2012-04-02 02:35:12
煮わ師 @2w_a7

「味噌カツさん、あなたのことが気に入りました。どうしてここにいるのかは知りませんが、それも運命と言うことで、わたしと結婚しましょう!」

2012-04-02 02:37:13
煮わ師 @2w_a7

あまりの急展開ぷりに三男味噌カツはますます困惑すると同時に、もしかして著者が眠気に襲われているのと飽きているのではと思いましたが、それは気のせいです。気のせいでした。

2012-04-02 02:39:16
煮わ師 @2w_a7

「いいじゃないの!減るもんじゃなし!戸籍も婚姻届もないんだから!それにとても絡みつきやすい身体をしているし…」味噌の妖精は甘えるような、切ない声を出していいました。

2012-04-02 02:41:01
煮わ師 @2w_a7

「え…?」その発言に三男味噌カツはぴたりと体を止めました。

2012-04-02 02:41:45
煮わ師 @2w_a7

「絡みつきやすい…?僕が…?ほんとに…?」どきどきしながら三男味噌カツは質問をしました。

2012-04-02 02:44:09
煮わ師 @2w_a7

「とても絡みつきやすい身体をしているようにみえますわ。」にっこりほほえみながら味噌の妖精はこたえてあげました。

2012-04-02 02:45:15
煮わ師 @2w_a7

「ぼく、なにひとついいところがなくて、それをすごく気にしてて…その、死のうと思ったんだけど、でも、その言葉で救われました!味噌の妖精さん、ありがとう!」

2012-04-02 02:49:06
煮わ師 @2w_a7

三男は涙を浮かばせながら、味噌の妖精にありがとう、ありがとうと感謝の言葉をうざいくらいいいまくりました。

2012-04-02 02:50:23
煮わ師 @2w_a7

「いいのよ、味噌カツさん。だれでも、悩んで苦しむことはあるんだから。でも、ぐつぐつ油ヶ池にいこうと身体を削りながら歩み続けた味噌カツさんは勇気ある、すごい味噌カツだよ。」

2012-04-02 02:52:40
煮わ師 @2w_a7

味噌の妖精に優しい言葉をかけられ、三男味噌カツはさらにありがとうを繰り返しました。

2012-04-02 02:53:33
煮わ師 @2w_a7

「味噌カツさん可愛い…。ねぇ、本当に絡みつきやすいか、ためさせて?」

2012-04-02 02:55:48
煮わ師 @2w_a7

味噌の妖精は艶やかな声でそういうと、うぶで穢れを知らない三男味噌カツに手を伸ばしたところで突然天空から箸が伸び、三男味噌カツは捕らえられそのままむしゃむしゃと食べられてしまいました。

2012-04-02 02:57:16
煮わ師 @2w_a7

「味噌カツさあああああーーーん!!!!」

2012-04-02 02:57:29
煮わ師 @2w_a7

味噌の妖精の悲壮な叫びも虚しく、まわりはむしゃ、むしゃというおいしそうな咀嚼音が響き渡りました。

2012-04-02 02:59:06
煮わ師 @2w_a7

あとがき・矢場とんはなんか違う。 ロース板倉

2012-04-02 03:01:08