触れられない体温に手をのばす。携帯越しに聴こえる君の声。優しく、暖かく、そして切なく。 何度も抱きしめてしまおうと思っても、叶わない、泡沫の夢。 手に持った冷たい箱の中に、柔らかな感触、君の体温。 何度も手を伸ばし、そしてため息をついた。 春風が優しく吹いて行った。 #書き出し
2012-04-10 21:25:14触れられない体温に手をのばすが、保育器のガラスの壁に遮られた。確かに私が産んだ子。もっと長くお腹の中に居て欲しかったのに私が無理をしたから…。切迫早産で週足らずで世に出てきてしまった我が子は、確かにそこに息づいていた。懸命な呼吸は痛々しくも生への渇望を感じ涙が溢れた。 #書き出し
2012-04-10 21:39:31もう少しで満開の花びらが散って、そしたら僕らは離れ離れだ。咲いたときだけ散々騒がれて、散ってしまえば誰も見向きもしない。皮肉なものだね、僕らはすぐに地に落ちてしまうよ。そして風に乗ってそれぞれの旅に出るんだ―― #書き出し @crow0404
2012-04-10 21:46:38弱い正論は強い屁理屈によって消される、強ければそれが正義なのだと彼は言った。強い正論なら強い屁理屈でも消せないから、それも正義ねと私は言った。君は偽善者だと彼は言った。あなたは詐欺師ねと私は言った。私はキスを奪われた。 #書き出し @hisuitomoru
2012-04-10 22:09:10砂の上に描いた想いは 波にのまれてしまった。紙の上に書いた想いは 僕がちぎってしまった。学校の上で伝えた想いは 君が笑って受けとった。想いの形を変えたら 未来の形も変わるみたいだ。僕の想いが 君の想いが 一緒の形になれたらいいな。 #書き出し
2012-04-10 22:07:26砂の上に描いた想いは、波が運んで行った。何度も何度も想いを描き、その度波が運んでく。それでも不思議と寂しくなんかなくて、何度でも何度でも。想いを描くことに悲しみなんて募らなかった。君への想い。枯れることなく溢れ出て行く。海岸線を埋め尽くして行く想い。消せやしないから。#書き出し
2012-04-10 22:08:45砂の上に描いた想いは幾度でも描き直せるのに一つひとつが刻み込まれるアルバムのよう。みんなで引き合った秘密基地の図面は朧な記憶だけど、夢のうちに今でも思い出すんだ。君と描き合ったみんなの曖昧な予想図も、今でも僕の胸を高鳴らせてくれる大切な宝物。あの時の空を覚えていますか。#書き出し
2012-04-10 22:10:02砂の上に描いた想いはいつかは消えてしまうのかな。君との初めての砂浜デート。楽しくて時間を忘れておしゃべりした。なのに核心に触れることが出来ずにいた僕。君の笑顔がまぶしくて照れ隠しにずっと指で一番伝えたい気持ちを書き続けていたんだ。もし声に出してたら今どうなってたかな? #書き出し
2012-04-10 22:43:01砂の上に描いた想いは もとより消える運命を覚悟したもの 伝わってと願い伝わらないでと望む 相反する想いはその運命を風に波に任せることで矛盾を抱えたままそこに現わすことが出来る 消える前にキミが通るか キミが通る前に消えるか 見届けることなく私はその場を離れていった #書き出し
2012-04-10 23:05:52星に願いを、花に祈りを、そしてあなたに呪いを。あなたのことが好きだから、呪いをかけてみました。これでも見習い魔術師なんですよ、私。え?あら?白魔術師でも呪いは使えますよ。私が編み出した呪いにかからない呪い。あなたに効いてくれるといいな。テヘッ。#書き出し
2012-04-10 22:24:19星に願いを、花に祈りを、そしてあなたに呪いを。呪いはうまくかかった。あとはあなたが私のところに来るのを待つだけ。それなのにあなたは何も言わず突然、いなくなった…。あなたが帰ってくるのを私は待ち続けている。 #書き出し
2012-04-10 23:54:55痛い目に遭わせないとわからないようだな。 #この書き出しいかがですか
2012-04-10 22:18:30それはないでしょう。あなた方の望み通り #この書き出しいかがですか
2012-04-10 22:19:04彼女が一番怪しいと思っていたんだが、出直しだ。 #この書き出しいかがですか
2012-04-10 22:20:05彼女が一番怪しいと思っていたんだが、出直しだ。男がため息混じりに呟く。そうね、また最初からだわ。ため息混じりの女の声。あの人、何人の女と寝てるのよ。これじゃあ本命がまるでわからないわ。でも、殺人鬼の好みなんか知っちゃったらぞっとするわ。女の死体が増えるよりましだろ? #書き出し
2012-04-10 22:50:10