死ネタ翔トキ

ゆず @snt_y_

息が上手くできない。苦しくて、治った筈の心臓がまた壊れてしまいそうだった。涙なんて出そうにないのに、なにかが零れ落ちそうな気がして、見えない空を、仰いだ。

ゆず @snt_y_

もうトキヤの匂いはしなかった。だからトキヤが愛用してた香水をワンプッシュ、トキヤの胸に振りかけた。体臭と混じらない香水は、ただの香水の匂いだった。この世にもう、トキヤの匂いは存在しない。トキヤはもうすぐ、存在しなくなる。一人の部屋、鳴らない着信音、もう聞く事のできない、名を呼ぶ声

ゆず @snt_y_

掠れて、殆ど呼吸に近い声が、聞こえない。耳を近付けて、聞き取れなくて、それが最後になってしまうなら、もっと何度だって聞いたのに。なあお前は俺に、何を伝えたかったの。俺は、お前になんて言えばよかったの。

ゆず @snt_y_

今まで本当にありがとうございました。大変だったでしょう。こんな状態でさえ愛を囁いてくれるあなたが、本当に愛しい。好きで好きで堪らない。けれど、もう多分、一緒にはいられないと思うので、せめてこの気持ちだけでも伝えておきたくて。感謝しています。今まで傍に置いてくれたこと。

ゆず @snt_y_

私を好きだと言ってくれたこと。今もこうして、手を握っていてくれること。…もう殆ど、感覚もありませんが、それでもあなたの温もりだけはわかる。伝わる。あなたが好きです。愛しています。だからどうか、どうか私のいない世界で、幸せになってください。私からのお願いです。私を、忘れてください。

ゆず @snt_y_

そしていつか、誰かを愛したら、私に与えてくれた以上の愛を、その方に注いであげてください。いずれ子供が産まれて、その子を愛しいと感じてください。今もこうして私を守ろうとするその手で、その子を、その人を、守ってあげてください。幸せそうに笑うあなたが、私は一番好きです。だから、どうか。

ゆず @snt_y_

どれだけが伝わるだろう。どれだけが声になるだろう。わかりはしなかったけれど、私にできる精一杯、意識の失せる最後の最後まで、そうして言葉を紡ぎ続けた。好きです、愛しています。翔。

ゆず @snt_y_

彼らにとってはライブが挙式みたいなものよ

ゆず @snt_y_

トキヤは、翔くんにはちゃんと人生を全うして、沢山の幸せを見つけて欲しいから、死んじゃうってわかってたら教会に連れていかれて結婚なんて言われたら罪悪感で泣いちゃう…。あなたを縛りたくはない、なのに嬉しいと思ってしまう、ごめんなさい

ﾁﾎ・ﾃｽｶﾄﾙ @die4xx

病室のベッドが挙式場。まだ起き上がれるくらいの頃、ベッドのシーツをベールにして、白が眩しいその部屋でふたり静かに誓いのキスを

ゆず @snt_y_

自分で起き上がろうとする背中に手を添えて、そんな翔くんをトキヤは笑う。あなたは過保護すぎるんですよ。って。

ﾁﾎ・ﾃｽｶﾄﾙ @die4xx

忘れてくださいなんて建前だ。殺してきた本心が叫ぶ、自分の存在を、どうかあなたの胸にだけ刻んでおいてほしいと。でもそんなこと言えない、これはエゴだ。だから涙も殺すんだ。翳った笑顔に翔が胸を傷めていることにも気付いておいて

ゆず @snt_y_

忘れろだなんて、去る側のエゴだ。どうしたら忘れることができる。だって、こんなに、好きなのに。お前の為なら、なんだってできるのに。それなのに、俺は何もできないんだ。

ﾁﾎ・ﾃｽｶﾄﾙ @die4xx

私が笑っているのにどうしてあなたが泣くのですか。いままで一緒に笑いあっていたのに、どうして一番笑ってほしい今そんな顔をするのですか。翔の苦しそうな顔を見ると自分が辛いから、でも自分が泣けば翔はもっと悲しむと思って。だから笑う。力なく頬を歪め今自分の精一杯を

ﾁﾎ・ﾃｽｶﾄﾙ @die4xx

結局それもエゴで自分が喜びたいだけだと気付いてその思考を止める。こんなにあなたを悲しませるのならいっそあなたに会わなければよかったですね。その考えが一番翔を傷付けるのに

ゆず @snt_y_

ああ、でも、お前が先に死ぬことになってよかったのかもしれない。だって、こんなにも辛い思いを、お前にさせずに済んだ。こんな痛みを抱えたまま、お前は生きなくて済む。それだけが、救いだ。これ以上、お前が辛い思いをしなくていいことだけが。だから、痛みは俺にまかせて、いいよ、もう。眠って。