「ギルガメッシュ殺人事件」まとめ

「ギルガメッシュ殺人事件」のまとめです。誤字は見逃して下さい。
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ミナギ @hnakmkr

「どうしても私を犯人にしたいようだが」神父は楽しそうです。「なにしろ誰彼構わず相手にする男なのだ。中にはタチの悪い相手もいただろう。見る者が見れば、あれは、大層魅力的に見えるらしいからな」 その時、教会の扉が開く音がしました。入ってきたのは……あれ? 衛宮士郎です。

2012-04-06 00:35:45
ミナギ @hnakmkr

「アンタなんでこんなとこにいるのよ」 「それはこっちのセリフだぞ遠坂。ギルガメッシュがここに居るって聞いたんだが」 「?? アンタ、ギルガメッシュの知り合いなの?」 「何日か前に知り合った」 嫌な予感がします。

2012-04-06 00:38:55
ミナギ @hnakmkr

「衛宮士郎か」 神父はニヤニヤ笑いです。「そういえば、ここ数日、今どきめずらしい純情な子供と遊んでいると聞かされたな。そう、誘った子供に寝所で説教をされたと笑っていた」 聞きたくない話を聞いてしまいました。「あんたが言峰神父か」 士郎は喧嘩腰です。

2012-04-06 00:48:45
ミナギ @hnakmkr

「ギルガメッシュはあんたの気を引きたくて、悪い連中とつきあっていた。どうして止めてやらないんだ」 「アレがどこで何をしていようと、私の関知することではない」 「アンタ、恋人だろう」 「アレが何と言っていたか知らないが、私はアレの恋人ではない」 「じゃあ話が早い」 

2012-04-06 00:53:47
ミナギ @hnakmkr

「恋人に相手にされないのが辛いなら、俺がギルガメッシュの恋人になってやる。それであんな危ないことはやめられる」 衛宮士郎は相変わらず馬鹿です。

2012-04-06 00:59:54
ミナギ @hnakmkr

頭が痛くなってきました。「アンタ、その話をギルガメッシュにしたの?」 「ああ」 「ギルガメッシュはなんて答えたの?」 「笑っていた。誰彼構わず関係を持つのはやめると約束してくれた。気が変わらなかったら、教会に来いと」

2012-04-06 01:05:41
ミナギ @hnakmkr

「あのねえ、アンタ、からかわれてるのよ」 「もしそうだとしても、俺の気持ちは変わらない」 頑固者です。「けどね、おあいにく様」 ああいやだ 「ギルガメッシュは死んだのよ」

2012-04-06 01:11:53
ミナギ @hnakmkr

そういえば最初にランサーに会ったとき「ギルガメッシュは頭がおかしい。元々変な奴だったが、最近は特に頭がおかしかった」って証言を入れ忘れた。 #ギルガメッシュ殺人事件

2012-04-06 07:39:05
ミナギ @hnakmkr

「ギルガメッシュ殺人事件」 これまでのあらすじ。教会の前でギルガメッシュが死んでいた事件を凜ちゃんが調べています。死体は傷だらけですが、直接の死因は胸を短剣で刺されたことです。

2012-04-07 14:02:36
ミナギ @hnakmkr

凶器を調べるのを忘れてました……またギルガメッシュの死体を調べてみます。胸に刺さっているのは見た事もない古い短剣です。「これはギルガメッシュの持ち物だ」 神父はこの状況にもう飽きてるみたいです。「彼は刀剣コレクターだからな。見た覚えがある」 「この剣、魔力を感じる」

2012-04-07 14:04:13
ミナギ @hnakmkr

「抜いてみるかね?」 「ええ」 神父が手袋の手で短剣を引き抜きます。血は流れず黒い穴だけが開きます。「複雑な魔力が込められてるわ。詳しく調べてみないと分からないけど、これ、魔術の素養のある人間じゃないと使えないものよ」 この街で魔術を使える人間……それは、目の前の神父です。

2012-04-07 14:06:58
ミナギ @hnakmkr

「神の名にかけて、私ではない。私は神父だ、こんな事で嘘はつかん」 この街で他に魔術を使える人間は何人もいません。衛宮士郎……は犯人ではないでしょう。動機はありますが、こんな手の込んだ殺し方はしない。……犯人であって欲しくない。

2012-04-07 14:13:50
ミナギ @hnakmkr

「ああ、そういえば身近でもう一人、魔術を使える者がいる」 「誰?」 「ランサーだ。あいつはあれで、名だたる魔術の名手だ」

2012-04-07 14:14:30
ミナギ @hnakmkr

「死ぬとは思わなかった」 問い詰めると、ランサーはあっさり白状しました。「殺す気は無かった。あいつに頼まれたんだ、自分を傷つけるように」 ランサーは遠い目でたばこを吸っています。「俺が断れば、あいつはまた別の奴を見つくろいに出かけたろう。加減を知らないもっと危ない連中だ」

2012-04-07 19:36:27
ミナギ @hnakmkr

「あいつは高慢で俺を狗扱いした最低の奴だったが、まあ一応同じ屋根の下で暮らした縁だ。あいつがどこで何をしていようと知ったことじゃないが、死なれるのはいい気分じゃねえ」 「自分を傷つけさせるなんて、一体何の目的でよ」 「知らねえよ。あいつは頭がおかしいんだ」

2012-04-07 19:37:04
ミナギ @hnakmkr

「俺に自分を傷つけさせて、あいつは笑っていた」

2012-04-07 19:37:58
ミナギ @hnakmkr

「胸に剣を突き刺しておいて、殺す気がなかったなんて通らないわよ」 ランサーはびっくりしています。「剣が刺さっていた? それは知らない」 「あの剣は魔術を扱える人間にしか使えないの。この街で魔術を使える人間は、あとはあなたしかいないのよ」

2012-04-07 19:50:30
ミナギ @hnakmkr

「神父がいるじゃねえか」 「綺礼は違うわ。あいつはまあ鼻持ちならないし信用はできないけど、嘘はつかない」 「俺だってつかねえよ」 「私、貴方のことよく知らないもの」 「今から俺のことをもっとよく知りたいって? いいぜたっぷりとつきあってやろうじゃないかお嬢ちゃん」

2012-04-07 19:50:53
ミナギ @hnakmkr

ランサーは軽口を叩きながらも、何かに気づいた様子です。 「ああ、俺犯人分かったわ」

2012-04-07 19:52:05
ミナギ @hnakmkr

「綺礼」 地上の喧噪も届かない教会の地下、闇の中から、聞き慣れた声が神父を呼びます。

2012-04-07 20:06:46
ミナギ @hnakmkr

闇の中から溶け出すように、金色の髪と白い裸身が現れます。ギルガメッシュです。手には彼を殺した凶器である短剣を持っています。無残な傷跡は残っていますが、胸に開いた穴はもう塞がっています。

2012-04-07 20:07:38
ミナギ @hnakmkr

「遅いお目覚めだな。その傷はどうしたんだね?」 朝の挨拶をするような平静さで、神父は訊ねます。ギルガメッシュも普段と変わらない調子で答えます。「体の傷は、街のごろつきにつけさせた。最初は狗を使ったが、あやつのやりようはまるで温い。本当にあの狗は役に立たぬ」 

2012-04-07 20:08:56
ミナギ @hnakmkr

「そして、教会の前で、自分で自分の胸を貫いたのか。まったく酔狂なことだ」 ギルガメッシュは手に持っていた短剣をコトリと机の上に置きます。「これは、刺された者を仮死状態にする宝具なのだ。おまえには以前見せただろう」

2012-04-07 20:11:01
ミナギ @hnakmkr

「短剣など見なくても、狂言だという事は一目で分かった」 神父はギルガメッシュが机に置いた短剣を手に取ります。 「同意なくおまえを殺せる人間など、いるはずがない」 薄闇にギルガメッシュの笑い声が響きます。

2012-04-07 20:11:35
ミナギ @hnakmkr

「迷惑な話だ。常の日ならおまえの死体を最初に見つけるのは私だったろうが。凜が早朝から訪れると、聞かせていなかったかね」 「知らぬ」 「おかげで騒ぎになってしまった」 「楽しかったろう?」 「そんな余興のために、わざわざ死んで見せたのか」

2012-04-07 20:13:39