あやくの:4章途中アーシャまわり
- dz_ayazuki
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「ファルナーズ様のこと?」 「あぁ。正確にはファルナーズを乗っ取っている魔物だな」 カナアンに聞かれて、クーノが首を傾げる。 「確かに私は月花派だったけど、あくまで文官長と第二公妃の関係で、あまり詳しくは…」 #シカニア
2012-03-16 18:36:23「そうか…」 カナアンの形の良い眉が、悔しげに歪む。クーノも役に立てなかったことを申し訳なさそうにしていた。 「主魁のうち、ファルナーズの目的だけがまだはっきりしていなくてな……」 「カニエ公子は?」 口を挟んだアヤードに、カナアンは首を横に振る。 #シカニア
2012-03-16 18:37:39「母親に会うのは年に数度だけだったそうだ」 「そうですか……」 それでは母親の異変に気付けなかったのも仕方がない。それでも心を痛めているだろう公子を案じたが、それこそこの場で言っても仕方がないことだった。 #シカニア
2012-03-16 18:38:37他にファルナーズを知る者は…と思いを巡らせて、はたと気が付いた。 「「…あ」」 「え?何?二人ともどうしたの?」 間に挟まれたクーノが、カナアンとアヤードの顔を交互に見る。 #シカニア
2012-03-16 18:40:56「アヤード、アフシャーンは後宮にいたんだったな?」 「はい。第二公妃付きだったはずです」 「頼む」 短い指令に、アヤードは頷いた。 #シカニア 多分後宮にいた人たちはバラバラに逃げ出してて、王子たちは把握できてなかったのではないかと思ったり。
2012-03-16 18:42:15@psyka_dz というわけで神さまー。割とこじつけですが、ファルナーズについて情報収集できますでしょうか?出来そうなら判定お願いしますーー。 #シカニア
2012-03-16 18:44:26@dz_ayazuki ふむ、了解です。この場合アフシャーンは逃亡直前に『ファルナーズ』とサターナの会話を聞いていたということになりますね。恐らく無意識に忘れようとしていたことを聞き出す、とかそういう流れになるので、アフターケアが必要、ということになります。 #シカニア
2012-03-16 19:18:42@dz_ayazuki では情報収集判定を行います。 能力値【誘導】による判定……スキル《先読み》成立。成功数4。 『ファルナーズ』の立場についての情報を入手します。 #シカニア (続く
2012-03-16 19:28:17@dz_ayazuki 『ファルナーズ』の正体について【http://t.co/XWomJVLx】の情報収集結果を個別ページに記載しました。 #シカニア
2012-03-16 21:17:21@psyka_dz ありがとうございますーー。ファルナーズとサターナの会話を聞いて得られた情報、ということは、サターナもこれを知ってるってことでしょうか? #シカニア
2012-03-16 21:23:07@dz_ayazuki サターナは彼女の計画の本来の到達点(URL参照)については知りません。アフシャーンを混乱させたのはサターナ(少し精神に働きかけて聞いていないことにした)としておきます。呆然としていたアフシャーンはその続きも聞いてしまった、という感じで。 #シカニア
2012-03-16 21:25:37@tos 「ファルナーズ様のこと…?」 「あぁ。アーシャ、お前は第二太妃付きだったんだろう? 何か知ってそうな女官に心当たりはないか?」 「わ……私は何も……何も見てません……!」 叫んだアーシャの身体が、カタカタと震えだす。己の身を抱き締めても、それはおさまらない。 #シカニア
2012-04-16 00:19:33@tos 手がかりになる何かを得られないかと軽い気持ちで聞いた俺は、まさか妹がそんな反応をするとは思わず、一瞬固まった。 「アーシャ…?」 「わ……私は、何も……」 震え続ける妹の体を、ぎゅっと抱き締める。 「……ご、ごめんなさい、私……」 #シカニア
2012-04-16 00:20:04@tos 「思い出さなくていい。……怖いなら、思い出さなくていいから……」 背中を優しく撫でる。アーシャは俺の腕の中で縮こまっていたが、しばらくして多少は落ち着いたのか、小さな声を振り絞った。 「でも、必要なこと…なのですよね? ファルナーズ様を止めるために……」 #シカニア
2012-04-16 00:20:44@tos 「アーシャ……」 「…わ、私、見たんです。ファルナーズ様と、青い肌の女の人が話しているところを。どうして、今まで忘れていたのか……」 #シカニア
2012-04-16 00:21:37@tos 青い肌の女というのは、恐らくサターナのことだろう。その魔族の首魁については俺も話を聞いただけだったが、容易に想像がついた。ならば、忘れていたというのは魔族に術でもかけられたに違いなかった。無理に思い出させることは、相当な負担になるはずだ。 #シカニア
2012-04-16 00:22:02@tos 「…アーシャ。本当に、無理に思い出さなくていいから」 「大丈夫です」 ぎゅっと、アーシャが俺の服を掴む。 「私、お兄様やカナアン様、皆様のお役に立ちたい。守られるだけなんて、嫌です」 #シカニア
2012-04-16 00:22:34@tos 「…逃げ出した後の攻防戦でも、今回の魔物戦でも、お前はじゅうぶん役に立っているだろう」 「出来ることがあるのにやらないのは、逃げです」 か細い声で、震えながら、アーシャはきっぱり言った。 #シカニア
2012-04-16 00:23:01@tos 「……分かった。聞こう。……ゆっくりでいいからな」 アーシャはこくりと頷くと、ぽつぽつと語り始めた。 #シカニア 情報収集で得た http://t.co/cLDtRWPN の情報です。
2012-04-16 00:24:06@tos そうしてアーシャからもたらされた情報は、驚くべきものだった。術によって忘れさせられていたとは言え、一人で抱え込むには重すぎる。 「よくがんばったな」 頭を撫でると、アーシャはホッとしたように、強ばっていた体の力を少し抜く。 #シカニア
2012-04-16 00:24:39@tos …今聞いた第二公妃の…第二公妃を乗っ取っている魔物の話は、カナアン様や上層部に伝えなければならないな…。そう思ってアーシャから離れようとした時、ぎゅ、とアーシャが俺の体に抱きついてきた。 「お兄様。……やだ、置いていかないで……」 #シカニア
2012-04-16 00:25:13@tos 後宮を抜け出してからこっち、アーシャが俺に何かわがままを言ったことなどなかった。…なにより、こんなにも、震えている。よほど恐ろしかったのだろう。 「……分かった。しばらく、ここにいる」 俺は小さく震え続けるアーシャを、ぎゅっと抱きしめた。 #シカニア
2012-04-16 00:25:52@tos この後アーシャは高熱を出し、5日ほど寝込むことになる。回復したのは、ちょうど、あの岩塊がシカニア上空からなくなった日だった。 #シカニア
2012-04-16 00:26:204章途中での情報収集のロール、アフシャーンからファルナーズの話を聞いた時の話でした。長々と失礼しました。 #シカニア
2012-04-16 00:28:01