- sanjyonoko
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2の千早EDのネタバレになるんだけど、あの後、あのメールを暗号のように使って恋人同士のメールを送りあうPと千早を想像するとクるものがある http://t.co/Du47nlOF
2012-04-19 22:06:59―『あれ』以来俺たち……俺と千早は、こうして暗号文のようなメールを送り合っている。今みたいな、その、愛の言葉だったり、簡単な、私生活の報告だったり、連絡事項だったり。子供のような使い方だけれども、千早も、そして案外俺自身も、こういうのは嫌いじゃないらしい。
2012-04-19 22:15:38時には大胆に、業務中でもメールを送りあう事がある。他人のメールを盗み見るような人間はウチの事務所には居ないけれども、ちょっとしたワクワクがここにはある。「あれ、メールだよ千早ちゃん」「ええ、ごめんなさいね……えーと」
2012-04-19 22:20:52『D3.A4.G3.D5.A1.B2.A1.D1.A4.G4.E4.G4.D4.G4?』 「『こにゃ』?」「千早ちゃん?」「い、いえ、なんでもないの……よ……? って、えええ!?」 あ、アイツ変な方向に勘違いしやがったな。
2012-04-19 22:24:36『G1.A4.B2.A1.G3.G3.A4.D3.A4.F4.A4』っと。「あ、ああ、そう、そうよね、そう」「……千早ちゃん?どうしたの?変なメール?」「い、いえ、大丈夫、そうじゃない、そうじゃないのよ」「?変な千早ちゃん」 確かに変だ。違う意味で。
2012-04-19 22:27:04『B5.A1.E4.D5.A4.D3.G4.G1.A1.B3.B3.D1.E1.E4.G4』 OKOK、和食ね。仕事が終わったらどこかのスーパーに寄って、魚でも買って帰ろう。千早の家で作って、一緒に食べて、その後は、まあ、普通に帰ろう。
2012-04-19 22:32:46「……すみません、プロデューサー」 今日は久しぶりに千早が体調を崩した。 「いや、最近レッスンも任せっきりだったしな。今回は俺が悪い。すまん」「そんな、プロデューサーは……」「いいから寝てろ」「……はい」 千早をベッドに寝かしつけ、ドリンクやらゼリーやらを枕元に置く。
2012-04-19 22:36:12千早の前髪をかき上げて冷えピタを貼ってやると、ほんの少し、ほんの少しだけ気持ちよさそうに目を細める。 ……体調がすぐれない所為か、それとも喉の一件を思い出すのか、今日の千早は口数が少ない。火照った顔で目を潤ませ、寂しそうに俺を見上げる表情が、どこか艶かしい。
2012-04-19 22:39:31「それじゃあな、今日はしっかり休んで、明日からまた頼むよ」「はい、プロデューサー」 俺の事を呼ぶこの声が、俺はとても好きだ。本当ならメールのやり取りじゃなく、毎日のように恋人としての言葉を聞きたい。「……じゃあな、また明日」「あ、プ、プロデューサー」「ん?何?」「……」
2012-04-19 22:43:17こういうときの千早は、まるで子供のような顔になる。留守番を命じられた子供のような寂しげな表情。何かを待っているような、欲しているような。「……大丈夫。またすぐ会えるから」「ぁ……」子供にそうするように、頭を撫でてやり、名残惜しいけどすぐ帰る。「じゃあな、すぐ寝ろよ」「あ……」
2012-04-19 22:46:18―帰りの車の中で、千早との事に思いを馳せる。今の俺達は、誉められたことじゃないけど、恋人、と言っていいだろう。千早もそう思ってるはずだ。…でも、この関係をいつまでも隠しとおせるもんじゃない。千早も、あの性格だ、隠し続ける事を良しとはしないだろう。
2012-04-19 22:50:09いつまでもこの状態が続けられるわけじゃない……その時に『破綻』じゃなくて軟着陸を……っと、メールだ。千早から。「あれ?」いつもの、暗号メールだ。 ええと何々……
2012-04-19 22:51:32>> from:如月千早 To:プロデューサー 本文:『D3.B3.E4.E4. E4.B3.F4.E1.B2.A4.E4.B3.B3.D1.E1.E4.G4』 <<
2012-04-19 22:55:00「ああ、なんてこった。そうか、そういうことか」 車を逆方向に発進させ、再び千早のマンションを目指す。階段を上がってすぐに部屋へ。出来るだけ平静を装って、しかしどうにも乱暴にドアを開け、千早のベッドへと、歩みを進める。ベッドに腰掛け、神妙な面持ちで携帯を見つめてる千早がそこに居た。
2012-04-19 22:59:26千早の右隣に膝を着き、左手で長い髪を、右手で柔らかな顎を抱いて、此方を向かせる。携帯で何かを操作していたらしい千早は、そこでようやくコチラを向く。熱で浮かされた、それでいていつも通りのシャープな瞳が、俺を穿つ。
2012-04-19 23:03:57視線が少し苦しいから、左掌で目隠しをし、「ぁ……」小さな悲鳴らしき声を無視して、奪うように、キスをした。 ……何秒……あるいは何十秒経っただろう。……突然、無粋なメール。唇を離さずに、携帯を取り出して見てみると、あらビックリ。千早からだ。
2012-04-19 23:06:02>> from:如月千早 To:プロデューサー 本文:『D1.A1.B3.F4.E1.B2.A4.E4.B3.B3.D1.E1.E4.G4』 <<
2012-04-19 23:08:27出来るだけ平静を装いたいけど、たぶん驚きの表情は隠せていない。左手を千早の顔から離して、蕩けた様な、せがむ様な、大人のような、しかし子供のような、表情をした千早を見下ろす。 「……千早」 確認するように呼んで、肩を軽く押して、ベッドに押し倒す。ギシ、という音が罪悪感を呼ぶ。
2012-04-19 23:11:59千早の長い髪がベッドの上で、まるで俺を受け入れるように広がっている。顔が耳まで真っ赤なのは、体調を崩している所為だけじゃないだろう。千早の、驚いているような、そして何かを認めているような、受け入れるような表情。荒い息が、パジャマの胸の部分を上下させている。
2012-04-19 23:14:58だがダメだ。ダメなんだよ千早。 額にかかった髪を摘んで、払ってやりながら応える。「ダメだよ千早」 そのまま、シルクのように滑らかで、少し汗で潤っている頬を撫で、大人びていて鋭い、でも子供っぽい柔らかさを持っている顎を撫でてやる。
2012-04-19 23:18:20顎をさすったまま、親指で、齢相応の薄さと、ほんの少しの色っぽさが最近出てきた唇を軽く圧してやると、白い歯が少しだけ見える。 「ン…」小さく、抗議するような声を漏らす。
2012-04-19 23:20:30