貴様に世界の全てをくれてやろう。そう言って男はずぶりと左胸に片手を沈めると、真っ赤な小鳥のような心臓を取り出した。「さあ受け取れ、これが俺の世界だ」男は嗤いながら哭いている。愛を与えるふりをして愛を乞うしかできない哀れな男を、わたしは悲しみに喜びながら手に入れた。 #書き出し
2012-04-25 21:18:57実は僕は透明人間なんだ。知っている?どうして君が知ってるの?見えないからこそ透明人間。それなのに。問われた君は恥じらいながら「この子が教えてくれたのよ」って。君に指された僕の胸には透けない君が住んでいる。丸見えすぎる僕の心。心の君と気の合う君は、今日も僕に会いに来る。#書き出し
2012-04-26 23:32:293日?たった3日でどうしろと?告死天使に問うた。リミットをやったんだ好きにすればいい。そう告げて去った。…3日…兎に角、妻や子供と沢山の時間を過ごした。今までに感じた事のない幸せと気付きがあった。…刻限。身体は透き通り消えた。泣きじゃくる息子が心配だ。 #書き出し
2012-04-25 23:43:47学生生活をどう過ごすのかは個人の勝手だ。あるものにとっては薔薇色だろうし、あるものにとっては灰色だろう。だからといって部活をやれば薔薇色なのか、友達がいなければ灰色なのかについては、個人の相対的観点と絶対的観点よって変わってくる。 #この書き出しいかがですか
2012-04-25 21:02:49137回目のキスの後、吐息と一緒に呟いた。サヨウナラ。私は混乱する。冗談でしょう。こんなにも甘く沈澱した時間。あなたは、悲しげな瞳をして首を振った。もうおしまい。深く紺色の夜が街を染め、行き過ぎる車のライトが照らし出す。そう。鏡の中の淫らで寂しい、独りきりの、私を。#書き出し
2012-04-26 03:45:07馬耳東風、という言葉がある。その四字熟語の語源と教師が寝ている生徒を注意する理由は似通ったものがあると思う。つまるところありがたい話をしてやっているのに聞き流すとどういう了見だ、という意味だ。なるほど。確かに不躾だろう。だけども俺は寝るのだ。 #この書き出しいかがですか
2012-04-25 21:10:12温度差の激しい一日。君との会話もぎくしゃくしてた。多分、自分が悪い。思い通りにならない体の苛々、君にぶつけちゃったよね。メールボックスを開き「ごめんね」と打ち込 #この書き出しいかがですか
2012-04-25 21:22:16