twnovelのまとめ(2012/04/025-5/2)自分用

@zeniqui が書き散らした #twnovel (563-571)と#書き出し のまとめです。 これらの全てお話はフィクションです。
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銭喰 @zeniqui

#twnovel 彼は鼻と呼ばれていた。万物には匂いがあって、特に感情が発する匂いを嗅ぎ分ければ心が読めるというのが鼻の持論だった。そんな鼻が貢いでいたホステスに逃げられたという。「自慢の鼻も香水にやられたか?」「ああ、確かに鼻がバカになってた。自分の恋心の匂いは強烈過ぎたよ」

2012-04-25 00:54:49
銭喰 @zeniqui

#twnovel その時計塔は古くみすぼらしく、なんとか動いていだけだった。ただ完成して四百年。罪を得た者が一度入ったきり誰も管理をしていないのに、動き続けていた。これを観光資源とするため役人が立ち入ると、ネズミの巣となっていたので駆除を行った。すると時計は、時を刻むことを止めた

2012-04-25 07:16:44
銭喰 @zeniqui

#twnovel 死に神がその身に宿ったならば、焼かれねばなるまい。しかし同族がそうだったという理由で死に神を宿さぬ者まで焼かれるのは道理にあわぬ。「ならば我が家に住み、我が業を助けよ」「ありがたい」男の助言により逃れたネズミたちは、時計塔に隠れ住み男との契約を履行し続けた。

2012-04-25 07:26:22
銭喰 @zeniqui

#twnovel 閻魔帳の二重帳簿が発覚した。地獄に落とした罪人を過小に申告して輪廻に横流ししていた疑いがある。閻魔は本誌の取材に対し「私は知らない。地蔵菩薩がやったことだ」と答えており、地獄の管理責任問題に発展する可能性がある。なお過小申告されていた罪人は主に親不孝の罪などで…

2012-04-27 07:33:02
銭喰 @zeniqui

#twnovel 『タダイマ、留守二シテオリマス。発信音ノアトニ、メッセージヲドウゾ』ピー「私、メリーさん。いまあなたの部屋の前にいるの」ガチャッ やがて、ドアの鍵がひとりでに開いて、白い女が入ってきた。「……不便」鍵を落として以来、メリーさんは毎日こうして自宅に入っている。

2012-04-27 19:17:40
銭喰 @zeniqui

#twnovel やまびこが妖の仕業だという迷信が広まっている。あれは反響によって起きる現象だ。それが人を喰らう妖だとは、実に馬鹿馬鹿しい。現にやまびこに襲われたという人の家を訪ねてみたが、ちゃんと居て挨拶を返してくれたし「大丈夫?」と尋ねたら「大丈夫」と扉の向こうで答えてくれた

2012-04-28 09:40:17
銭喰 @zeniqui

#twnovel 亡くした夫の遺髪を胸に、尼髪に散髪一人旅。始発が誤発で、旅費はロハ。旅館の養鶏、七羽潰しておもてなし。葉っぱのお金で支払って、気づかぬうちに急発進。実はワタクシ狐で御座い。

2012-04-28 13:26:54
銭喰 @zeniqui

#twnovel 「君の瞳に乾杯」去年の誕生日、そう祝ってくれた彼はもう隣にいない。電話番号もメールアドレスも携帯にそのままなのは私の未練なのだろうか。考えながらぼんやり携帯を眺めていると、一通のメール。ディスプレイには彼の名前。震える指先で私はメールを開いた。「君の独りに乾杯」

2012-05-01 13:24:02
銭喰 @zeniqui

#twnovel 「あーあ、またあのDVD借りられてたよ」「なによ、映画?」「古いアニメでさー…あれ、タイトルなんだっけ?」「なにそれ」「ほら、ジブリのさ、戦うやつ」「ゲド?」「違う違う、ほら、平成狸合戦ち、ち、ち…」「ああ、ぽんぽこね。ちとか関係ないじゃん」「…うん、そうだね」

2012-05-01 18:36:00