●おばあちゃんゾンビ第一話～五話●

劇団子供鉅人 @kodomokyojin

●連続小説「おばあちゃんゾンビ(１)」●おばあちゃんがゾンビになった。と言っても、金髪美女にかみついたり、ショットガンで頭をぶち抜かれるまで追いかけて来るって訳じゃない。ただ、ぼくにおせっかいを焼くだけだ。「嫁を見つけたる」と息巻くおばあちゃんの口から歯が三本一気に抜け落ちた。兄

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●連続小説「おばあちゃんゾンビ(2)」●おばあちゃんゾンビは２時間に一回、冷凍庫に頭や体を突っ込む。でないと加齢臭どころか腐敗臭までたちこめるからだ。「冬に死んで良かったわ」台所からこもった声が聞こえる。夏はどうすんの？僕は笑いながらこたえたあと、夏までなんだ、と呟いた。兄

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●連続小説「おばあちゃんゾンビ(3)」●冷凍庫から顔を出したおばあちゃんゾンビは「嫁は大阪娘に限るで！」と白い霜を撒き散らしながら叫んだ。昔から孫にうむをいわさなかったけれど、死んでも相変わらずだ。いきなり出発は明日に決められ、バイトはやめさせられ、荷物はバックパックひとつ。兄

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●連続小説「おばあちゃんゾンビ(4)」●しばらく厄介払いできるわ。見送る母親の顔はそう語り、五千円の入った封筒を放り投げて父親はそそくさと出社した。あいにく持ち合わせもなく不安げな顔をしている僕を励ますようにおばあちゃんゾンビはずんずんと歩き出す。どこ行くの！？駅は反対側だ。兄

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●連続小説「おばあちゃんゾンビ(5)」●まさかタクシーで大阪まで？それともヒッチハイク？なんにせよおばあちゃんゾンビは二時間に一回は冷凍庫に体を突っ込まないと腐ってしまう。「あんた免許持ってんの？」「あるよ」この先には大きなスーパー。「死んだふり作戦や！」ってかもう死んでるし。兄