俺の幼馴染み　アイナはアホネン　No.５

マスカルポーネ @nekuland

「そうだな。それじゃあ行きますか」「はい！」その後、集合場所に向かった二人を待ち受けていたのはサイン攻めに遭うアイナの姿であり、助けを求められた幼馴染はその様子に苦笑し、妹は破顔してその中へ救助へと向かった。-おしまい-20 #あほねん

切腹の人 @TunaHarakiri

あほねん。　幼馴染は亀爺の手を取り、握る。　幼馴染「いつも俺らのために、影に日向に尽くしてくれてありがとうな」　亀爺「そのお言葉だけで、我らは、我らは」　幼馴染「せやけど、皆がお天道様の下で頑張って手に入れたもんや。皆のために大切に使ってくれると俺も嬉しいで」　亀爺、再び号泣。

切腹の人 @TunaHarakiri

あほねん。　幼馴染「蛇岡も不起訴に終わって、今はトラキチさんの下で頑張ってる。竜宮も宇佐見も、生徒の評判は上々や。母さん達も、もう怒ってない。俺が今日ここに来ることも、反対されんかったのが証拠や」　獅頭「若殿、その御言葉で幾人もの同志が報われましたぞ」　幼馴染「大袈裟やな獅頭は」

切腹の人 @TunaHarakiri

あほねん。　幼馴染は強張っていた身体の力を抜いて、亀爺にハンカチを渡す。　幼馴染「今回の臨海学校かて、俺は皆にどうやって恩を返せばいいのか正直分からんほどや」　獅頭「……それに関しては、若殿にお詫び申し上げる事が」　空気が、変わった。　亀爺「此度の臨海学校に合わせて町興の企画が」

切腹の人 @TunaHarakiri

あほねん。　幼馴染「数百人からの学生が来るからな、ちょっとしたイベントも出来るわな」　獅頭「然様。ミス乙姫コンテストも、その一環。そこらのモデル顔負けの美少女が出場することで世間に強烈な印象を叩きつける目的もあり申した」　幼馴染「あー。それで水着自由化捻じ込んだんか」

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あほねん。　幼馴染が職員室で回答した水着自由化は、スクール水着だと逆に拙いと判断されたという理由の他に、支援者である亀爺達からの強力な依頼もあったのだ。　亀爺「水着に関しては、こちらで用意させていただいておりますのでお嬢様型の金銭的負担は最小限でございます」　幼馴染「周到やな」

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あほねん。　獅頭「それと」　獅頭が指を鳴らすと、部屋のふすまが開かれる。そこには黒装束に白い面をつけた一団およそ五十名がひれ伏していた。　獅頭「是が非にも、この地にて『ふぃじかる☆まほりん特撮歌踊ショウ』の開催許可をお願いいたしたくッッ!!」　幼馴染「お前らもか駄目人間！」

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あほねん。　亀爺「まほりん可愛すぎるのでございますう！」　獅頭「必死に胸に肉を寄せて上げようと奮戦しているところとか、たまにアンダースコートもスパッツも穿き忘れて派手なアクションするところとか、少し音痴なのを気にしているけどリクエストに応えて三番まで歌うとか最高であろうが！」

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あほねん。　亀爺「と言うことを委員長殿にお願いしたところ」　幼馴染「命知らずやな亀爺」　獅頭「なんで生きて帰れたのか不思議ではあったが、交換条件を出された」　ざざざ、と黒装束が幼馴染の周囲に移動する。　亀爺「若殿。この町の発展のため」　獅頭「臨海学校には赤フンで参加をお願いする」

切腹の人 @TunaHarakiri

あほねん。　亀爺「断られても着用していただくのでございますが」　幼馴染「褌の下にスパッツとかは」　獅頭「海水浴をするのにスパッツは認められぬ」　亀爺「ポロリもあるでございますぞ若殿！」　幼馴染「俺がポロリして誰が得する！」　獅頭「該当者をリストアップしてあるが読み上げるか若殿？」

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あほねん。　亀爺「まあ答えは聞いておりませぬゆえ」　幼馴染「あほーっ！」　幼馴染の叫びもむなしく、狂乱の宴は確実に進行していた。【臨海学校　集結！まほりん四天王～燃えろ、ドラゴンティーチャー　に続かない】

切腹の人 @TunaHarakiri

あほねん。　臨海学校編。　波打ち際にて海を背に、仁王立ちする幼馴染（E:赤フン）。まるで自殺者を説得するかのように、その前に立つ亀爺と獅頭。　赤フンに誘い出され、にじり寄る貴腐人たちを牽制するように、水際を背に立つ姿は背水の陣と呼ぶにふさわしい状況である。

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あほねん。　　幼馴染「そもそも、なんで亀爺たちが委員長の秘密のアルバイトを知ってるんや」　時折突き刺さる視線とシャッター音に泣きたくなるが、なけなしのプライドを振り絞って必死にこらえる幼馴染。獅頭は部下に命じて一台の端末を用意して画面を示した。　獅頭「この映像を見てほしい」

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あほねん。　幼馴染「えーと、セクハラ客にウェイトレス達が反撃している動画やないか」　幼馴染の指摘通り、画面ではカレー屋の客と思しき変人が地面すれすれからのアッパーカットを喰らって吹き飛んでいる。彼の見間違いでなければ、恍惚の表情と共に吹き飛んだのは蛇岡に瓜二つだった。

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あほねん。　　幼馴染「なにやっとんのや、蛇岡の小父さんは！」　亀爺「映像ではセクハラ客に適当に悪の組織っぽくアテレコして、ちょっとしたヒーローショー仕立てに編集したものが配信中でありまする」　獅頭「最近では殺陣専門家やスタント志望のが、セクハラ客を装って挑むようになっておる」

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あほねん。　幼馴染「ああ、わざと悪の怪人っぽい格好の奴が華麗に吹っ飛んだり、ウェイトレスの手から破壊光線出てるのはそういう感じの特殊加工なんやな」　獅頭「ｿｳﾃﾞｽﾖｰ」　亀爺「ｿﾉﾄｵﾘﾃﾞｽｿﾞｰ」　幼馴染「それで、まほりんがどうしたんや？　ビームもファンネルも出しとらんで」

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あほねん。　獅頭「そこよ」　亀爺「これまでにまほりんに吹き飛ばされたモノの中に、剣術の達人がおりましてな」　幼馴染「そんな達人がスカートめくりしてふっとばされたんか」　獅頭「未遂じゃあ！」　幼馴染「獅頭かい」　亀爺「無拍子の動きで繰り出した手に、カウンター極められましてな」

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あほねん。　獅頭のうっとりとした顔に、幼馴染が退く。　獅頭「これでも、その道ではそれなりに名が知られていると自負しておりまする。我が敗北を聞きつけた剛の者たちは次々とまほりんに挑み」　亀爺「ことごとく返り討ちにあった挙句に骨抜きになりましてな」　獅頭「まほりん世界一可愛いよ」

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あほねん。　幼馴染「つまり、デジカメとスケッチブックを抱えた水着姿の委員長がにじり寄って来よるんやが俺には逃げる事も戦って退ける事も不可能やと」　亀爺「海のイベントにポロリはつきものございますぞ若殿！」　獅頭「まほりんを相手に男となるか、羨ましい限りだ若殿もげてしまえ」

切腹の人 @TunaHarakiri

あほねん。　包囲網が少しずつ狭まっている。道連れにと赤フンになった副会長は、既に書記に連れ出されてどこかに消えていた。会計がどうなったかは知らないが、出来れば知らずに済ませたいという思いもある。見知った顔、見知らぬ顔。いずれも美人と呼んでいい者たちだけに残念極まりない。

切腹の人 @TunaHarakiri

あほねん。　そんな幼馴染を見てか、包囲網の中心にいる委員長が大胆なカットの水着姿のまま胸を張る。デジカメとスケブを持ったままで。　委員長「幼馴染君」　幼馴染「なんや」　委員長「ポロリもあるよね？」　幼馴染「こ、これ以上なにをポロリしろと」　そらナニやろと外野が呻く。

切腹の人 @TunaHarakiri

あほねん。　赤フンのどこに人を狂わせる魅力があるのか、幼馴染は自問した。が、それが現状の解決に何ら役に立っていないことに気づき、軽く絶望する。　幼馴染「うん、これは詰んだ。あかんな」　きっと自分は酷い目に遭うのだろう。エロ同人誌みたいに。幼馴染は覚悟を決めた。

切腹の人 @TunaHarakiri

あほねん。　意識が前方に向いていた。それは事実だ。背水の陣とはいえ砂浜である。　アイナ「諦めるなら、うちが貰い受けるで！」　ミルヒ『海賊らしく、いただいていきますわ旦那様！』　バイキングをほうふつとさせるオールさばきでゴムボートに乗った金髪二人が浜に突っ込んで、幼馴染を撥ねた。

切腹の人 @TunaHarakiri

あほねん。　その衝撃で。　ぽろり。　亀爺「あ」　ミルヒ『不幸な事故ですわ旦那様」　委員長「ご馳走様です」　アイナ「だ、大丈夫やで。見えたんはお稲荷さんだけや。恵方巻は無事やでっ」　幼馴染「あ、あほーっ！」　アイナ「あほやないもん！」　

切腹の人 @TunaHarakiri

あほねん。　そのころ竜宮乙女教諭（24）は。　竜宮「ふざけるな店主！　粉っぽくもない、具も多い、おまけに焼き立てナンも選べるような本格カレーを出して許されると思っているのか！」　もっさん「きっちり出汁もとってアツアツのラーメンもあるが」　竜宮「是非頼む」　海の家を堪能していた。