twnovelのまとめ(2012/05/03-5/10)自分用

ゼニクエ @zeniqui

#twnovel 鉄道会社が『定期たまご』の販売を開始した。殻の中でＩＣチップとして育つように交配された新鮮な鶏卵を使用した定期券で、一律千円で期間は一ヶ月。この定期たまごは夏季（６～９月）限定を予定しており「利用期間後はおいしくお召し上がり下さい」とのこと。

ゼニクエ @zeniqui

#twnovel 天国の住人となった者達が暇つぶしに悪行自慢をしていた。窃盗だ暴行だのと些細な悪行が並べられ最後に生前は聖人と呼ばれた男の番となった。「私は魂の牢獄に繋がれたいた頃、何度も妊婦の腹を蹴ったことがある」あまりの悪行に一同息を飲んだが、意味を理解すると己の行動を恥じた

ゼニクエ @zeniqui

#twnovel 「にがむしぃ～、にがむしはいらんかえ～」「おっちゃん、頂戴」「あいよ、何にする？」「騒動は時間が解決してくれたけど、時間は自分の心の中まで解決してくれなかったから笑顔を取り戻したみんなが『あれは気の迷いだったね』『バカが騒いでただけさ』というのを見つめる時用で」

ゼニクエ @zeniqui

#twnovel 動物園の猿山の前にこんな立て看板があった。『柵を乗り越えないで下さい。貴方はサルではありません』なかなか洒落た注意書きだが、やるなと言われるとやりたくもなる。しかし柵に足を掛け乗り越えようとしたところで「コラッ、外に出るな！」と叱られたので渋々山へ戻ることにした

ゼニクエ @zeniqui

#twnovel ドッペルゲンガーとして生まれたが、俺はもう一人の俺を殺すなんて考えもしなかった。だけど同じ記憶と体があるのに、俺には家も金も友達もない。生活はすぐに二進も三進もいかなくなった。なのにお前はのうのうと生きている。俺と、同じなのに。なあ、俺ならこの気持ち、解るよな？

ゼニクエ @zeniqui

#twnovel 駅員に揺り起こされると、電車内には奇妙な光景が広がっていた。床や網棚には無数の鞄や雑誌が散乱し、座席端の金棒には傘が何本もぶら下がっている。「お名前、分かりますか？」駅員が尋ねる。名前、私の名前は？「忘れられちゃったんですね。まあ運が良ければ誰か思い出しますよ」

ゼニクエ @zeniqui

#twnovel 上野駅の歴史資料館には『そ』発声装置が展示されている。柱時計のような背の高い装置の、横に付いたハンドルをゆっくりぐるぐると回すと、歴史を感じる重低音の「そ」が館内に響く。背中の調節ネジを【143】に合わせると、あの石川啄木が愛した「そ」を今でも聞くこともできる。

ゼニクエ @zeniqui

#twnovel 座敷童の集合写真、と呼ばれる奇妙な写真がある。木造校舎を背景に四十名ほどの児童が写ったセピアの集合写真。実は撮影当時、児童の殆どは疎開し学校は休校していたのだ。戦後、疎開した児童達は皆帰ってきて学校は再開された。あの座敷童達は今も卒業生として写真の中で笑っている