佐藤正美Tweet_20120501_15

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佐藤正美 @satou_masami

事業の現実的事態を観て事業の「概念図」を描くという仮説の上に、「現実」に対して SE の「解釈」を説き明かす事は、到底、事業の「意味」に至るまい。そのような仮説は、知的遊戯という刺戟に止まる。私は、(事業に対する)あなたの「解釈」を聴きたいのではない、「事実」を知りたいのだ。

2012-05-01 08:23:18
佐藤正美 @satou_masami

事業を営むためにユーザが使う言語という具体的な記号を観て、事業という活物の「模型」を制作する。言語分析は、決して「例外的な」一論点という様なものではなくて、自然な事件の一つなのであり、事業の「意味」は、ただそれを営むための情報の中に示されているという単純な絶対的な理由に因る。

2012-05-02 08:23:42
佐藤正美 @satou_masami

論理規則は、事業をモデル化する際の試金石である。論理規則の様な単純で豊富な表現力に於いて、エンジニアの腕の不正確さは直ぐに露顕される。曖昧な概念を隠す場所がないからである。誰が見てもそこに同じ「意味」があり、誰でも間違いなく「意味」に到達できるという事がモデルの要件である。

2012-05-03 01:11:10
佐藤正美 @satou_masami

「論理の完全性」を前提にしたモデル論は、形式の必然の規約(証明可能性)が主題との一致(意味論的な真)をもとめるが、モデル技術にあっては事情は寧ろ逆になる。実際に使われている(「意味」を伝達している)言語を論理の中でどういう具合に再構成するかという目的に、モデルの文法は集中される。

2012-05-05 08:00:20
佐藤正美 @satou_masami

モデル技術の特性は、元来、エディタの性質よりもコンパイラの性質に近い。

2012-05-05 08:13:24
佐藤正美 @satou_masami

TMは「『純粋な数学』の技術ではない」と非難されているそうだが、今更、わかりきった事を云わないでいただきたいw。TMは、コッド関係モデルに言語哲学を導入した。私が偶々そんな着想を思いついて試みて一つの体系を成したという筋のものではない。「意味論」を置く場所を論点にしたのである。

2012-05-06 02:59:22
佐藤正美 @satou_masami

私には、エンジニアに課せられた或る単純で深刻な問題だけが見えたのである──「事業の『意味』を正確に記述して機械化(模型化)する」こと。モデル論では「構文論→意味論」が正論であるが、認知論では「意味論→構文論」が論点となる。であれば、「意味論→構文論→意味論」を組まざるを得ない。

2012-05-06 02:59:58
佐藤正美 @satou_masami

「意味論→構文論→意味論」という手続きでは、最初の意味論が「認知」の論点であって、TMはそこに「合意」概念を置いたにすぎぬ。したがって、実地に使うモデル技術では、「合意された語彙→構成されたL-真→験証されたF-真」という手続きにならざるを得ない。意味論の置き所が工夫なのである。

2012-05-06 03:00:19
佐藤正美 @satou_masami

事業の「意味」の構造がどんなに多様な複雑な表現をもとめようと、モデル図を構成する基本となる文法は簡単な関数で用が足りる。それは事態(項)を並べる関数であり、僅かばかりの規約である。こういう単純な関数が、単純さの故に、豊富な組合せを実現する事は始関数の合成が証する通りである。

2012-05-07 04:37:57
佐藤正美 @satou_masami

多くのSEたちは、TMの関係文法の数学的形式(全順序・半順序への配慮)を云うが、丁寧にその文法を観れば、それが数学の関数を破って得られたものである事に気づく筈だ。TMは関数の規則を踏み越えて新しい規約を導入した。私はそれを不正とは思わない。私はそれで間違いないと思っている。

2012-05-07 04:38:21
佐藤正美 @satou_masami

概念図を描くSEたちの自負する抽象化技術が果たして現実的事態の「意味」を構成する事に成功したか。この抽象化は、寧ろSEが纏うに都合のよい衣裳を、ユーザの為と称して卸す事に終わらなかったか。彼等のやりかたは竟(つい)に同床異夢という結末を迎えるに至らなかったか。いっそ悪夢である。

2012-05-08 01:29:56
佐藤正美 @satou_masami

論理を前提にした構造は、単なる正しい形の構成ではない。モデルの原材がユーザ言語である限り、モデルはユーザの声の総譜である。論理が論理しか語らない様に、ユーザ言語はユーザの伝える「意味」しか語らない。その「意味」は論理の中に組み込まれ文脈(座標)から離れて一人歩きする事は出来ない。

2012-05-10 04:38:50
佐藤正美 @satou_masami

モデル論の最も確実な技術は、「概念」の聯想という様な虚構たるものを相手に戯れない。モデル(有向グラフ)を構成する事は、ユーザの使う語彙を論理規則で固める(配列する)という事である。誰のものでもない語彙、誰のものでもない「意味」が、論理構成(座標)の中で一意性・共有性を持つ。

2012-05-10 04:39:10
佐藤正美 @satou_masami

事業を写像したモデルを観れば、凡そ同型のない質の多様性に出会う筈である。モデルの多様性は、事業の多様性そのものである。パターンを貯めはじめれば、それらの数が増大するのは当然である。何の脈絡もない単純なパターンが次々と堆積された山を見て、ため息をつかないほうが奇怪である。

2012-05-11 10:46:10
佐藤正美 @satou_masami

エンジニアは事業のあらゆる事態に「先ず」随順し、それらを正確に写像する。事業は、幾つかのパターンを云うのではない、あらゆる事業こそ事業である。そういう確信のない構成に、どうして事業の多様性が分析できようか。多様性とは、SE の都合で歪められない事態のありのままの運動である。

2012-05-13 15:02:35
佐藤正美 @satou_masami

数学的構造と同様に、無意味な記号の有意味な関係の構成、というよりそういう構成の制作としての合理的なモデル観は、事業分析に対する我々の認識を論理の上で形式化する。手持ちのパターンの臟品を切り売りする訳ではない。エンジニアは「論理」という構成法を頼りにするしかないのである。

2012-05-14 09:40:43
佐藤正美 @satou_masami

モデルの世界では、「概念」は、科学の世界に於ける「公理」に較べてみれば、有益なものでも霊験灼かものでもない。それはエンジニアの思考を眩(くら)ます。「集合」そのものに意味がないのと同じである。モデルの眼目は「概念」形成ではない、「意味」を定める「構成法」に存する。

2012-05-15 10:56:53