茂木健一郎(@kenichiromogi)さんの連続ツイート第604回「愛するものに向き合う時間の中で、育っていく」

脳科学者・茂木健一郎さんの5月24日の連続ツイート。 本日は、昨日本を読みながら、思ったことについて。
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茂木健一郎 @kenichiromogi

しゅりんくっ! ぷれいりーどっぐくん、おはよう!

2012-05-24 06:30:28
茂木健一郎 @kenichiromogi

連続ツイート第604回をお届けします。文章は、その場で即興で書いています。本日は、昨日本を読みながら、思ったことについて。

2012-05-24 06:58:21
茂木健一郎 @kenichiromogi

あそ(1)@KimuSuhanに送ってもらった南直哉さんの『恐山』をようやく見つけて、徳島の行き帰り読んでいた。面白い! 直哉さんに老師が、「お前、人は死んだらどこに行くかわかるか?」と聞く。「わかりません」と言うと、「そんなこともわからないのか。愛するもののところに行くんだよ」

2012-05-24 07:00:50
茂木健一郎 @kenichiromogi

あそ(2)なるほど、と思う。仕事を愛して、それに心血を注いだ人は、死んだらその作品の中に生き続ける。誰かを大切に育んだ人は、その誰かの中に生き続ける。いずれにせよ、人は愛するものの中に入る。愛するものがない人は、その点、不幸である。

2012-05-24 07:01:46
茂木健一郎 @kenichiromogi

あそ(3)それで、10年ぶりくらいにKindle for iPadでSurely You're Joking, Mr. Feynmanを読んでいて、あまりにも面白い。探求すること、熱狂的であること、好奇心のすばらしさがあふれていて、ぼくが好きなのはこの世界なのだなと確認できた。

2012-05-24 07:02:57
茂木健一郎 @kenichiromogi

あそ(4)先日の金環日食における熱狂で、日本の様々が一度克服され、生命力が増進したような気がした。同じように、ファインマンを読んでいると、ああ、こういうのが好きなんだよな、と思う。自分の好きなもの、愛するものに没入することには、魂を浄化する作用がある。

2012-05-24 07:04:11
茂木健一郎 @kenichiromogi

あそ(5)思い出したのが、高校の同じ学年だった高橋英太郞のこと。ピアノを上手に弾く、ダンディーなやつだった。ぼくがその頃からおっちょこちょいで、いろいろふかしていると、英太郞が冷静に正しい意見を吐くのだった。英太郞のひんやりとした理性が、ぼくは好きだった。

2012-05-24 07:05:49
茂木健一郎 @kenichiromogi

あそ(6)ぼくは、いつも、世の中の劣悪なものを見つけては、これがくだらない、あれが低俗だ、などと噴火していたら、英太郞は、ごく冷静に、「でも君ね、いつの時代も、悪いものなんて、たくさんあるじゃないか」と言う。「いちいち腹を立てていては、仕方がないよ。」

2012-05-24 07:06:47
茂木健一郎 @kenichiromogi

あそ(7)今も昔も、ムダにエネルギーを発散するのが私の癖のようなものだから、どうしても放っておけない性分があるのだが、英太郞の言うように、悪いものは昔からたくさんあるのは理屈だ。だから、本当は、愛するものに心を注いで、それを育て、自分も育つのがいいのだろう。

2012-05-24 07:07:49
茂木健一郎 @kenichiromogi

あそ(8)ツイッターはとても面白いツールだが、オープン・ダイナミカル・システムの宿命として、邪悪なもの、これはちょっとな、と思うもの、勘違い、その他もろもろがやってくる。それにいちいち腹を立てていてはもぐら叩き。切りがない。英太郞のように、冷静に割り切るのがよかろう。

2012-05-24 07:08:56
茂木健一郎 @kenichiromogi

あそ(9)「英太郞の教え」は重々わかっていても、血気盛んでついつい噴火してしまう。愛するものは深くて、それに費やす時間は必ずさらさらと生命を潤してくれる。だから、愛するものに向き合う時間を耕そうと思う。ツイッターのようなSNS全盛の時代だからこそ、「英太郞の教え」が大切だ。

2012-05-24 07:10:30
茂木健一郎 @kenichiromogi

以上、連続ツイート第604回「愛するものに向き合う時間の中で、育っていく」でした。

2012-05-24 07:11:07