《原発事故直後の避難と放射能検査について》
- karitoshi2011
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事故直後の避難と検査について 24 避難所は当初、無計画に設置、増やされた。避難者が何人、どの地域に避難するのか、見当も付かなかったからだ。あまりにも各所に分散したので、支援物資の配布も、避難所によって大きく偏ったことが知られている。また避難者1人辺りの空間の広さも大差が出た。
2012-05-26 18:50:11事故直後の避難と検査について 25 福島市周辺で、燃料等の物資の流通が回復してきたのは3月末だった。多くの福島県民は、それまで移動手段も奪われ、空間線量の発表だけがテレビ・ラジオ・新聞で報道され、ある程度の放射線を受けたことは受け入れざるを得なくなっていた。
2012-05-26 18:51:29事故直後の避難と検査について26 3月19日に、長崎大学山下教授・高村教授と広島大学神谷教授が福島県の放射線リスク管理アドバイザーに就任し、20日から講演会、新聞インタビュー、テレビやラジオの放送、県や自治体の広報を使って、「今回の事故では福島県では健康被害は出ない」と宣伝した。
2012-05-26 18:52:03事故直後の避難と検査について 27 放射線リスク管理アドバイザーが任命されるまでは福島市や郡山市の放射線医が、自然放射線や飛行機移動時の被曝、医療用放射線被曝との比較を繰り返し、地元の新聞、テレビ、ラジオで繰り返していた。住民の受け止め方は様々だった。
2012-05-26 18:52:39事故直後の避難と検査について 28 福島県内でもネット等で情報を得て、16日までに、さらに遠い県外や会津地区に避難した人、家族を避難させた人もいた。しかしなぜか残った人々では「もんじゅの方が今は危険だ」という話題で盛り上がり、積極的に避難するのをためらう雰囲気だった。
2012-05-26 18:53:08事故直後の避難と検査について 29 3月末に、避難区域を広げないまま、飯舘村や川俣町山木屋地区、浪江町津島地区の子どもを対象に、甲状腺スクリーニング検査(体外からの簡易サーベイ)が行われた。数値は示さずに「健康に影響は出ない範囲だった」という発表だけが出された。
2012-05-26 18:53:32事故直後の避難と検査について 30 甲状腺に関する簡易サーベイだけでも他の多くの住民に実施して欲しいとの要望があったが、受けることが可能だったのは全身の簡易サーベイだけで、メーターを見ることもできず、計測数値なしの「検査済証」を発行してもらえるだけだった。
2012-05-26 18:54:00事故直後の避難と検査について31 4月に入り、県外への出張者が出張先から「検査済証」の提示を求められることなどが発生し、原発からの距離に関係なく、福島県内居住者が簡易サーベイを受けることが一般化した。同じ頃、福島県からの製品に関してもサーベイを求める動きが国内外企業から始まった。
2012-05-26 18:54:33事故直後の避難と検査について 32 30キロ圏外で空間放射線量が高い地域がどこなのかは、3月20日頃には一般的に知られるようになった。しかし、アドバイザーはそれらの地域で「避難は必要ない」との見解を繰り返していた。
2012-05-26 18:58:24事故直後の避難と検査について 33 4月22日の「計画的避難区域」設定後もアドバイザーは「健康に影響は無いが、国が決めたことだから従うしかない」と繰り返した。その後のことは、「直後」とは言えないので、いずれ別に書くかもしれないが、今回はここまでとする。
2012-05-26 18:58:50事故直後の避難と検査について34(終)確認するが、福島県に当時住んでいた人に健康被害が出るかどうか、現状では断定できない。この内容は当初、昨年一度ツイートしようと考えていたが、「個人的事情」で取りやめ、データも消去していたものだ。現在はその事情がなくなったので、改めてアップする。
2012-05-26 18:59:20