VirajaAupamya感想まとめ
しかし、『お姉様』ってのは大した発明だな実際。あと、中心という概念な。操作者が二人以上いるから、中心が別途必要になる。
2012-05-28 17:47:20ししょさんのやつよんだ。ポメガの方のつくしさんのアレと対照させると楽しいかもしんないな。ひょっとしたら。あと、四面楚歌の永い夜の物語とか。
2012-05-28 18:00:03ところで、この本の構造について一方的に語りたいから語るね。いいね。ネタバレすると面白くないだろう一部の短編を除いてネタバレに配慮しないからね。いいね。
2012-05-28 18:18:13私は読む前から、この本のタイトルが示唆するところは、語りの視点だと思っていた。そして、そのように読むことを自分に課した。
2012-05-28 18:19:19まずは書簡形式が3連で来るわけだが、最初ののうprpのものは人間(しかもかなりの真人間であり謹厳実直であり多分脳筋というか、脳天気というか)による書簡であって、そのせいもあって非常に明るいトーン(劇中で行われているのは悲惨だけど、まあそんなことはわりとどうでもいいというか)。
2012-05-28 18:20:47次に、つくしさんの書簡は戦時中に在任していた諏訪の風祝による手記めいた手紙。彼自身は意図せざるとはいえ、視点が一種の先入観というか僅かに色がついたものであるということは読んでいた時の私のツイート参照。特に「諏訪」の者であるということ、反体制を意味するということについては、重要。
2012-05-28 18:23:49次は佐藤さんの書簡。これは人外の者による書簡ではあるものの、いくらか人間よりであるという視点がある。途中で挟まれるサブリミナルとか、出来事の因果関係とか、そういうのはなんていうか、あれ、佐藤さんにしてはかなりわかりやすくないかってちょっと拍子抜けしたぐらいw
2012-05-28 18:25:10そんなわけで書簡3連については、徐々に人外よりになってきているという一種のグラデーション構造が見えるわけだ。そこから先も、一人称体ではあるが、ニュアンスはそれほど変わらないように思われる。
2012-05-28 18:26:22ぱじゃま紳士さんのフランちゃんの視点は、いくらか狂気めいてはいるもののわかりやすい概念での狂気ではあったし、その後のしらはさんのもきわめて職人的ではあったけれどこだわりに満ちたその執念は大変感情移入しやすいものであった。
2012-05-28 18:27:56と、ここまで書いて思ったのだけど、私は多分、ものすごくこの巧妙なグラデーションにだまされているような気がする。書簡の語り手と、一人称の語り手の性質をごっちゃにして考えては多分いけないような気がするのだ。
2012-05-28 18:29:13書簡での語り手は、脳筋、洗脳、ゆうかりん、なので、どちらかといえば、人畜無害→若干バイアスあるけどまあ普通→人外、なのでわりと油断ならないというか、あたかも三人称のような振りをして徐々に騙しにかかっているような気がする。
2012-05-28 18:30:48そこから一人称に切り替わるというのは、一種の開き直りなのだ。これは主観だ、ということをあからさまに出してきているというのが、フランちゃんの一人称であって、それが少女の少女たる自分勝手さというか、主観性と相まってどことなく青春くさくて、かわいい。
2012-05-28 18:32:19そこから、同じキャラを客観側に持ってきて、主観に謹厳実直職人気質美学馬鹿一代魂魄妖夢(←ここまで一単語)というのが大変心憎い。というかしらはさんの奴は思い出すとなんか泣くから割愛w
2012-05-28 18:34:08で、その後、桐生さんの奴になるんだけど、これネタバレなしで語るのすごく難しいな……なんていうか、うん、すごく、良かった……。めがねさん的にはエンタメ大賞をあげましょう。
2012-05-28 18:35:40ネタバレにならない程度に語ると、えーと、ちゆりと岡崎教授に絡めたSFというか、AR(拡張現実)に係る問題を取り扱ったもので、どことなくハードボイルドの香りがする乾いたテイストの一人称なんだけど(この辺の一人称の乾きっぷりが、前の2作とけっこう違うところだと思う)、その「視点」とか
2012-05-28 18:37:43「認識」っていう問題が、すごく個人的にはキテるねーというか。ある意味で、視点とか認識の問題をメタ的に取り扱う伏線をここで敷いてるなっていう感じがした。ネタバレなしで言えるのってこれぐらいじゃないの。
2012-05-28 18:38:59というか、あれはもはや小説ではなくて論評だと思うんだ、ぱっとれさんの奴は。キャラクタの皮をかぶった、ゆかれいまりに関する世界観の開陳というかな。
2012-05-28 18:43:51んーでも初読でわりと混乱してるからそう読めるだけかもしれないな。まあいいや。しばらく脳内で発酵させておいた方が美味しい気がする。少なくとも新しい概念の発明はあった。
2012-05-28 18:45:22その後で、詩所さんの三人称が来るんだ。といっても視点固定型の三人称だから比較的ウェットではある。でもここで重要なのは語り手の事情ではないような気がするんだ。どちらかというと、通信不可能な状態、手紙が配達先不明な状態、ということの方が重要なような。
2012-05-28 18:47:32舞台がなんか世界崩壊後であるということ自体について深く考え始めると、永い夜の物語とかカタストロフにうってつけの日とか、色々考えなくちゃいけないような気がしてくるからそこはちょっと割愛させてもらおう。とにかく、誰かを探しても、雲を吹き飛ばそうとしても全部無駄になっちゃうところが重要
2012-05-28 18:50:05