千原フェス//千原英喜先生からのメッセージまとめ

2012/5/26に開催された千原フェス 講習会のまとめ
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黒川和伸KazunobuKurokawa @chorusmasterK

【1】project super nova主催/ 講習会のまとめ//課題曲A『明日へ続く道』作曲者による演奏上のヒント 千葉県立幕張総合高等学校合唱団 指揮/山宮篤子、ピアノ/松原賢司 5/26於千葉市美浜文化ホール/メインホール

2012-05-27 12:37:25
黒川和伸KazunobuKurokawa @chorusmasterK

【2】(1)1〜11小節/夜明け 詩の内容に加え、ベートーヴェン的モットー=茨の道/苦悩を超克して歓喜の道へ至るという仮想第四次元空間上の音楽ドラマを新たに設定しました。困難、試練に会いながらも不屈の精神で頑張る 人々への魂の応援歌を書きたいと思いました

2012-05-27 12:38:01
黒川和伸KazunobuKurokawa @chorusmasterK

【3】開始は、R・シュトラウスの交響詩『ツァラトゥストラはこう語った』(映画『2001年宇宙への旅』で有名)」の冒頭の変容です。しかしパーッと明るい日の出ではありませんね。主人公は今苦しさ、悲しさのただ中にいるのです。

2012-05-27 12:38:58
黒川和伸KazunobuKurokawa @chorusmasterK

【4】ムンクの叫び、ゴッホの描く空の色を思い浮かべてもいいようなシュールな響き—主人公の心象風景。声のパートは声部は少ないのですがクラスターのイメージを持って下さい。

2012-05-27 12:39:45
黒川和伸KazunobuKurokawa @chorusmasterK

【5】冒頭のピアノの上行スケールは寄せ来る波を、小節を跨いだ鋭いアタックは「ザブーン」という擬音を感じていいでしょう。この曲におけるピアノパートは自立した音響体です。いつも合唱に寄り添っているだけの消極的な演奏ではいけません

2012-05-27 12:40:18
黒川和伸KazunobuKurokawa @chorusmasterK

【6】(2)12〜16小節 ピアノが波音を奏でます。声の「ささやき」は消極的にならないように。楽音(声)で表現出来ないものを積極的に伝えようとする気持が大切です。水平線をじりじりっと眩しく太陽が昇ります。

2012-05-27 12:40:43
黒川和伸KazunobuKurokawa @chorusmasterK

【7】(3)17〜26=Chorale ピアノは同じく波音を奏でています。水平線を太陽が昇ります。何処からか、いや心の奥底からだろうか、歌声が聞こえてきました。主人公はその歌声に突き動かされるように、運命を受け入れ自分の道を歩んで行こうと決意します。

2012-05-27 12:42:23
黒川和伸KazunobuKurokawa @chorusmasterK

【8】22小節3拍に新たな勇気、希望への心変わりを設定していいでしょう。しかし23〜はまだ音楽に暗さがありますね。これから主人公の背負っていく運命の重さ、茨の道への覚悟、みたいなものを想って歌うと良いでしょう。

2012-05-27 12:43:01
黒川和伸KazunobuKurokawa @chorusmasterK

【9】(4)27〜63=Song 主人公は歌のひとふしを口ずさみます。優しく主人公が祖母から伝え聞いた心の唄とでも言いましょうか、どこか和風の響きのする歌です。(実は作曲者の故郷の民謡の一節をアレンジしたものです。)

2012-05-27 12:44:00
黒川和伸KazunobuKurokawa @chorusmasterK

【10】いままでの曲の進行=悲しみにかすかな光が差し込んで来た、という気分を受け継いで、弱く柔らかに歌い始めて下さい。なみだのように「m—」、つばさのあるとりに「lululu—」などコトバのないシラブルが無機質にならないように。

2012-05-27 12:44:43
黒川和伸KazunobuKurokawa @chorusmasterK

【11】ことばのあるところ以上に心を込めて何ものかを伝える事が必要です。歌声は次第に楽しげに、大きくなってゆきます。35には声に波音が出てきます。「ieー!」は主人公の喜び躍る心の叫びです。

2012-05-27 12:46:25
黒川和伸KazunobuKurokawa @chorusmasterK

【12】(5)64〜=Unison: ピアノの間奏は「すずらんの〜」の旋律のバリエーションですね。主人公はこの歌を心の支えに、山を谷を越え河を渡ってどんどん道を歩んでいる、と思い描いてください。この主人公の歩みを応援するわたしたちの歌声がUnisonです。

2012-05-27 12:46:56
黒川和伸KazunobuKurokawa @chorusmasterK

【13】たとえばスタジアムを埋め尽くすの大応援団のWoo—という声援、怒濤の雄叫びを、広場を埋め尽くす群衆の希望へのシュプレヒコールを思い描いて下さい。さあ、わたしたちも主人公を、いや頑張れニッポン!の思いで、ieー、lalaー!で応援しましょう。

2012-05-27 12:47:52
黒川和伸KazunobuKurokawa @chorusmasterK

【14】80のfffとなるとこれはもう心理的強弱ですが、crescendoはちゃんと表出下さい。 83〜84は喜びの激情のまま(はしたなく)終えるのでなく、客観性を持って歌いましょう。明日への希望の光りの余情、みたいなものを感じさせて下さい。

2012-05-27 12:48:22
黒川和伸KazunobuKurokawa @chorusmasterK

【15】project super nova主催 課題曲B『もう一度』作曲者による演奏上のヒント 千葉県立幕張総合高等学校合唱団 指揮/山宮篤子、 5/26、於千葉市美浜文化ホール/メインホール

2012-05-27 12:51:29
黒川和伸KazunobuKurokawa @chorusmasterK

【16】1〜32 詩の朗読—それをそのまま音楽にしたようなシンプルなつくりです。 課題曲Aが強く輝かしい可視光線の音楽だとすると、この課題曲Bは柔らかい木漏れ陽の音楽と言えましょう。私のどちりなきりしたんの『アヴェヴェルムコルプス』や『野の師父』に共通した、祈りの音楽書式です。

2012-05-27 12:52:59
黒川和伸KazunobuKurokawa @chorusmasterK

【17】楽譜の書き方は—長音価、ピュアでストイック、静的で客観的なたたずまいはルネサンスの祈りの合唱曲をイメージしています。 冒頭の標語—tranquillo、seriosoには3.11へのレクイエムを書こう、との気持を込めています。

2012-05-27 12:55:41
黒川和伸KazunobuKurokawa @chorusmasterK

【18】全体的におおきな転調はなく、リズム変化は抑制されています。臨時記号のついたハーモニーに反応してsentitoで表現下さい。

2012-05-27 12:55:58
黒川和伸KazunobuKurokawa @chorusmasterK

【19】33〜48 「折れた枝の桜は咲いて」—悲しみにくれる心傷ついた人々の回復と復興への願いを星野さんは美しい言葉で表現しておられると感じ入ります。ここはとぎれとぎれに、涙にむせぶような、痛々しい溜息のような音楽です。

2012-05-27 12:57:08
黒川和伸KazunobuKurokawa @chorusmasterK

【20】荒野に咲く可憐なすずらんの花を歌います。詩人はその可憐な美しさに心打たれます(affascinato)その完成された美しい小宇宙(ミクロコスモス)刻々と変わりゆく人の運命などものともしない永遠性。「もう一度、もう一度やってみよう」は心の奥底から湧き上がってくる呼び声です。

2012-05-27 12:57:13
黒川和伸KazunobuKurokawa @chorusmasterK

【21】49〜71 空高く羽ばたく力強い賛歌となります。 曲の最後は静かな祈りの心で終わります。歌い手の眼には、夢に向かってまっすぐに伸びる確かな(stabilmente)道/希望が映っているんだなあ、と聴き手に感じさせる演奏をして下さい。 【以上】

2012-05-27 13:00:02