幻想戦艦ムサシ 第一話「天界からの使者」

滅亡の危機に瀕する幻想郷。 幻想郷守備隊総司令・八雲紫は幻想郷最後の艦隊を率い、 月人への抵抗を試みるが... ([12]がないのは仕様です)
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けい(ぺんぎん) @k_kirisame

「さ、乗りなさい。地下へ向かうわ...今、幻想郷の人々は旧地獄に逃れて生活しているの」こいしは衣玖を救急箱と一緒に資材格納スペースに押し込むと、後席に飛び乗った。「...狭いです」衣玖がぼやく。「少しの我慢だ!さぁ、離陸するぜ」ちゆりがスロットルを開くと、甲高い音が響く。【27】

2012-05-15 00:01:37
けい(ぺんぎん) @k_kirisame

「...うぇぇ...」旧地獄内に設けられた広い滑走路に、衣玖は青ざめた顔で降り立った。「おーい、大丈夫かい?」ちゆりが肩を叩き、声をかける。衣玖の全身が跳ねた。「ひえっ!?...えぅう、酷いですよ....」「えっへっへ、やりすぎたか」ちゆりがゴーグルを外してニヤリとする。【28】

2012-05-15 00:08:44
けい(ぺんぎん) @k_kirisame

「...あ、れ...」「ん?どうしたんだぜ?」「ゆきかぜは...お姉ちゃんの船は?」こいしが、滑走路脇の宇宙艦艇ドックに目を走らせた。そこには、傷だらけの「きりしま」の姿しかなかった。「きっと、工場入りしてるだけ、よね...」こいしは自分に言い聞かせるように呟いた。【29】

2012-05-15 00:16:29
けい(ぺんぎん) @k_kirisame

日は暮れ、一日の終わりが近づいていた。幻想郷艦隊は壊滅し、最早打つ手は見当たりそうにもない。楽園はこのまま、消滅を待つ他ないのだろうか。幻想郷に残された時間はあと365日、365日しかない!【第一話 天界からの使者 完】

2012-05-15 00:21:49