暇潰しに書いたリレーツイノベルのまとめ

TyrF @tyr_fingr

ツイノベル39 俺達はその足で松屋に向かった。俺は昔から吉野家派で、吉野家以外の牛丼は認めない派だった。しかし、松屋の豚丼だけは好きだった。 塩胡椒の出る量をティッシュで確認し、全面に振り掛ける。 豚肉の白く映える脂身に、透明な塩が光り輝いて美しい。

@newyuri2chan

ツイノベル40 期限良く豚丼を食べているとさっきのオッサンが近づいてきた。「その食べっぷり…きみのママンそっくりだよ」おっさんは嬉しそうに目を細める。この人は何者なんだろう。年齢から店長か何かだと思っていたが、ネームプレートには『研修中』の文字があった

TyrF @tyr_fingr

ツイノベル41 歳をとってもバイトにしか就けなかったオッサンに同情をしながら、豚丼を噛み締める。 うん、松屋の豚丼は美味い。メニューから消えたのが本当に残念で仕方な…ハッ、俺は気付いた。松屋の豚丼は今年の始めに無くなってしまったはず、なのに何故ッ？！

@newyuri2chan

ツイノベル42 「どうやら気付いた様だね…」バイト研修中のおっさんが不敵に笑う。その目には狂気の色さえ浮かんでいる様に見える。「我々の生きるこの世界は、君の『観測』により確定する！君の力は世界を変える力だ！」…どうやらこのおっさんも電波だったようだ

TyrF @tyr_fingr

ツイノベル43 とりあえず豚丼を食い終わるまでは付き合ってやるかー、と思って適当に話を合わせる俺。「つまり、この世界は言わば不確定原理で出来ていると？」「ああ、我々は君にとってはただの『重ね合わせ』や『猫』でしかない」 割と早く食い終わったんで、オッサンを残して松屋を出た

@newyuri2chan

ツイノベル44 十年前ならともかく今のご時世にシュレーディンガーの猫なんて持ち出したら終わりだ。あの手のなんちゃって量子力学者はヲタクに多い。シュレーディンガー方程式も知らない癖に。そんな事を考えていると家についた。「あれ？外に出てたの？何年ぶり？」死んだ筈のママンがそこにはいた

TyrF @tyr_fingr

ツイノベル45 「いやー久しぶりに外に出たくってさー、街が結構変わっててビビったよ」と笑う俺。「駅前とかさ、パチンコ屋が、潰れてブックオフなってたじゃん？」 パチンコ屋はなんか潰れない、というイメージがある。 もし閉店しても、名前だけ変えてまたパチンコ屋が新装開店するの良く見るし

@newyuri2chan

ツイノベル46 やばい。動転している。どうしてママンが生きて動いているんだ？ついに俺は狂ってしまったのか？そういえば今日あった人々はみんなどこかネジの抜けた様な人間ばかりだった。あれも幻覚だというのか？