広渡清吾氏『学者にできることは何か』に関する島薗進氏のつぶやき③

広渡清吾日本学術会議前会長『学者にできることは何か―日本学術会議のとりくみを通して』(岩波書店)に関して、宗教学者 島薗進氏がつぶやきで紹介する第3部です ①と②はこちらhttp://togetter.com/li/315252をご覧ください。
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島薗進 @Shimazono

1広渡清吾日本学術会議前会長『学者にできることは何か』③昨年6/17の金沢会長談話「放射線防護の対策を正しく理解するために」とその前後の放射線健康影響をめぐる対応への批判について叙述p34-37p58-67。かなりのスペースをさいて哲学委員会から、また島薗による批判にふれている。

2012-06-05 09:04:06
島薗進 @Shimazono

2広渡清吾氏『学者にできることは何か』③金沢会長談話と島薗らの批判の要点は正確に述べられている。核心は「「いま市民の聞きたいこと」に学術会議が対応していないという批判」として受け止められる」とある。だが、その後はやや苦しい論述。批判は理解するが学術会議側は適切だったという。

2012-06-05 09:04:28
島薗進 @Shimazono

3広渡前会長『学者にできることは何か』③広渡氏が昨年4~6月段階の日本学術会議金沢会長談話や放射線防護分科会の情報発信を適切だったというのは理解しにくい。後者はともかく前者は「放射線防護についての国際的な標準的考え方を市民に広く説明し、問題を理解する基礎を提供するもの」と。

2012-06-05 09:05:03
島薗進 @Shimazono

4広渡氏『学者にできることは何か』③そうはなっていないというのが島薗のブログhttp://t.co/PY8Wn4UQ (及び『低線量被爆のモラル』所収稿)の主旨であり、野家哲学委委員長「巻頭言」『日本学術会議第1部ニューズレター』http://t.co/neOeOHDE も賛同。

2012-06-05 09:05:49
島薗進 @Shimazono

5広渡清吾日本学術会議前会長『学者にできることは何か』③広渡氏が私の批判は正鵠を得ているとしながら、日本学術会議金沢会長(当時)談話を妥当なものと考える理由はよく分からない。だが以下のように述べている。「私は、この談話について、学術上の見地を新たに述べるというものではなく」

2012-06-05 09:06:59
島薗進 @Shimazono

6広渡氏『学者にできることは何か』③「放射線防護についての国際敵水準の学術的理解に基づき、日本政府の防護政策を説明したものであり、いまの社会の状況からみて、政策的な意義をもつ文書である、という判断をしていた。このような談話の意義からして、政府関係者からはおおいに感謝された」

2012-06-05 09:07:18
島薗進 @Shimazono

7広渡氏『学者にできることは何か』③「この問題を所管する文部科学省の鈴木寛副大臣からは、その旨が伝えられた。私自身も、のちに会長になって民主党の幹部議員にあった際にお礼を言われた」p64-5正直な状況説明だが要するに政府が言ってほしいことを言ったのでほめられたということでは?

2012-06-05 09:08:00
島薗進 @Shimazono

8広渡氏『学者にできることは何か』③そのような政治的文脈があったことを認めた上でこうしめくくっている「私は、島薗会員とこれ以前にやりとりした中でもこの批判を認識していた。そのことを認めるとしても、私は会長談話が「日本学術会議の歴史に残る恥ずかしい文書」などとは決して思わない。

2012-06-05 09:08:16
島薗進 @Shimazono

9広渡氏『学者にできることは何か』③会長談話は、放射線防護についての国際的な標準的な考え方を市民の広く説明し、問題を理解する基礎を提供するものであり、その上にたって、また、それを批判し、分れるべき議論は分かれればよいのではないかと思った」。そして9/18の哲学委員会主催のシンポが

2012-06-05 09:08:35
島薗進 @Shimazono

10広渡氏『学者にできることは何か』③そうした議論の継続となったと。副会長として金沢会長談話6/17の作成に深く関与した立場からの弁明を含んだ叙述。その時点では統一できぬ論点があることは承知しつつも、それにはふれず政府の立場にそった情報発信をするのが適切だったということになる

2012-06-05 09:10:19