OWSの平井康翔選手、五輪最終選考会を振り返る

yasu @Yasunari_Hirai

【五輪最終選考レースの事1】　水温は18度、一周１,66kmを６周のコース（端数の距離はスタートとゴールのコースで伸びて10kmになる。　参加人数62人。

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【五輪最終選考レースの事２】スタート後数メートルの地点で隣の選手の手が顔に当たり、右目のゴーグルが外れて右目が全く見えなくなった。初っぱなから予期せぬ自体に内心めちゃくちゃ焦っていた。　ゴーグルの戻す為に背泳ぎをしながら戻そうとしたがなかなかフィットせず、そのまま泳ぎ続けた。

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【五輪最終選考レースの事3】スタートが大事、キーポイントになると踏んでいただけに、本当にここで一回諦めかけた。　一瞬もうダメだと思ったのを今でも鮮明に覚えている。スタートで出遅れ、パックの中でひたすら揉まれて、余計なエネルギーを使っていた。

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【五輪最終選考レースの事4】第2 ブイから、第3ブイの間が潮の流れで良く進んだ。流れに乗るのが自分は得意としているので、ここで順位をあげていった少しずつ。　片目で泳ぐのは周りが見えず本当にストレスがかかった。一周目を終え20位。二周目へ。

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【五輪最終選考レースの事5】二周目、三周目は本当に辛抱であった。何回もタイミングを見計らってゴーグルを泳ぎながらなおした。　三周目の終わりでやっとマシになって両目で見て泳げるようになった。　２周目通過、11位、3周目通過、8位。

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【五輪最終選考レースの事6】 ゴーグルのアクシデントのおかげで給水が全くできなかった。水着の中にいれていたゼリーも飲めなかった。　給水は結局、４周目の時一回しかしていない。　今回はブイが小さく、ブイを回る時はもうもみくちゃだった。殴られ、蹴られ、沈まされ、それが当たり前であった。

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【五輪最終選考レースの事7】みんな本当必死だから、誰よりも早くブイ周りを終えたい訳で、それが良く伝わった。　ブイを回る前は、ぼくは心を決めて、そこに入る。本当に怖いからだ。

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【五輪最終選考レースの事8】４周目を終えて、２６位まで順位が落ちた。　接触のダメージが後半一気にきた。　泳ぎながら、まだいける、まだいけると言って、自分をなんとかしようとしていた。　

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【五輪最終選考レースの事9】５周目を終えて、15位。ラスト一周の周りに泳いでいる選手達とのバトルは凄まじかった。　位置どり、駆け引き、切り返しなど、ただ泳ぐだけでは前に進めない。ただただ、諦めないでキックを打ち続けた。腕はバテル寸前であった。

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【五輪最終選考レースの事10】 第３ブイにたどり着く前に、先頭に追いついてきたのがわかった。3ブイからゴールまでは４００mくらいなので、自分のスピードなら、抜けると思った。　去年のユニバーとコースの形が似ていて、あの時のイメージが頭に浮かんできたので、その通りに泳ごうと思った。

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【五輪最終選考レースの事11】ひたすら、ゴールまで無心で泳いだ。　タッチして、給水ポンツーンにいた僕のトレーナーが６位だよ！六！と叫んでいて、青木先生も隣で６と言っているのが聞こえた。トレーナーが泣きながら、言っていたので、その姿を見て、いきなり涙がでてきて、泣きじゃくった。

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【五輪最終選考レースの事12】 海から、あがってきださんが喜んでくれてて、そこでまた涙が止まらなかった。　疲れとか吹っ飛んでて、選手控えまで泣きながら、歩いてった。途中、コーチがいて、コーチおれやったよ、と言ってコーチにだきついた。コーチも泣いてて、コーチの泣いてる姿を初めて見た

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【五輪最終選考レースの事13】控えにもどっても、本当自分でもびっくりするくらい泣きじゃくった。とにかく涙が止まらなかった。　上野先生や鷲見さん、こおろぎさん、はんがい先生が戻ってきて、それでみんなが喜んでくれてて、あああああってなってた。とにかく泣いたなあ。

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【五輪最終選考レースの事14】　しばらく、共同通信の方の取材が受けれなかった。　２０分くらい泣いたら、落ち着いた。　取材を受けていて、今までの事が鮮明に頭を回ってた。　３回諦めそうになったけれど、諦めなくて良かったって、本当にその時思った。

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【五輪最終選考レースの事15】 はっきり言って、多くの人が僕は無理だと思ってたと思う。 自力枠9＋大陸枠5＋（開催国枠1）を今回争った。 日本水連の派遣標準は世界で一番厳しい。大陸枠では派遣はしてもらえなかった。だから自力枠9の中に入らなければならなかった。

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【五輪最終選考レースの事16】 自分でも本当に厳しいって事はわかっていた。W杯のメダリストやチャンピオン、前回の五輪選手がたくさんいたからだ。それに4月のイスラエルのメキシコのW杯で自分は結果が全然良くなかったから、不安な気持ちもあった。

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【五輪最終選考レースの事17】 今回、僕が決めれたのは、６位に入れたのは、低水温に強い体質な事。競泳では400mの選手でスピードがあった事、そしてなにより、諦めなかった事です。　人間心あるもの、気持ちがなによりも大切だから。

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【五輪最終選考レースの事18】前回北京五輪で銀メダルをとった、デイビッドデービス選手、1500mで１４分５０秒で泳ぎイギリス代表になったダニエル選手、今まで勝てなかった、W杯入賞常連組に勝てた事は自信になった。　この競技、泳力だけでは勝てない事を身にしみて改めて実感した。