芋掘りなのかジャガイモ掘りなのか他人にはわからない

おぼえがきですよ
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齋藤虎之介 @tora404

ネズミの遠山は自分の夢を叶えるために、いつでも行動できるようにとにかく食料を貯めこんだ。都会はネズミにとっては天国だろ?という人もいるかもしれないけれどそんな事はない。ネズミ捕り業者やネズミを殺す薬、強力な粘着テープだって仕掛けられる。そんな幾重にも重なるトラップをくぐり抜けて餌

2012-06-13 11:40:39
齋藤虎之介 @tora404

を取り、日々ギリギリのところで生きて行かなければならないのだ。一時は自然の広がる田舎にでも引っ越そうかとも考えた、自然の中で昆虫や木の実、なんかを採って生物本来の生き方をした方がいいんじゃないか?と思ったこともあった。けれど遠山には夢があった、だからこの厳しい都会の中でもそれを糧

2012-06-13 11:43:07
齋藤虎之介 @tora404

に生きてこられたのだ。「もう少し!もう少し!」そう思いながら遠山は頑張った。物事には当たり前だけれど見える部分と見えない部分がある。例えば善意で何かをやったとしても結果だけ見ると不快に感じる人がいるかもしれない。何かを頑張ってやっていても表面しか見ない人には嫌がらせを受けている!

2012-06-13 11:49:20
齋藤虎之介 @tora404

と思う事だってあるかもしれない。物事の本来の意味を見なかった、見えなかったのにそこまでの道筋を探るでもなく理由を聞くでもなく、ただただ自分に向けられた悪意だと受け取る人だっている。でもそれは悪いことではないと思う、しょうがないことなのではなかろうか。物事を100%理解してもらえる

2012-06-13 11:52:59
齋藤虎之介 @tora404

ように行動できる人なんかいないだろうし、逆に他人を100%理解出来る人なんかいないんだから。例えばこういうことがあった。僕が3歳くらいの時だっただろうか、保育園で芋掘り大会が何日かしてその日の絵を書いた。自分的になかなか良く描け、もしかしたら僕はゴッホの生まれ変わりか何かかも知れ

2012-06-13 11:54:31
齋藤虎之介 @tora404

ない!とか思いながらその日の夜に家に持ち帰り壁に貼ろう企てた。画鋲で壁に貼ろうとしたのだけれど硬い壁でしかも非力な3歳児の力ではどうにもこうにも壁に画鋲が刺さってくれなかった。そこでロボットかなにかの玩具をでガッツンガッツンと画鋲を釘のように叩き壁に打ち込んでみたら少しずつではあ

2012-06-13 11:58:59
齋藤虎之介 @tora404

るけど画鋲が壁に刺さってくれた。これなら上手くいくな!と思った時隣の部屋から「うるさい!」と親父に怒鳴られたけれど、僕はそこでやめなかった。このゴッホみたいな絵をどうしても壁に飾りたかったのだ。「何回言ったらわかる!うるさい!」と怒鳴られついには父親がこちらの部屋にやってきた。

2012-06-13 12:02:19
齋藤虎之介 @tora404

これはもうダメかもわからんね。と思った時、自分で描いた絵を硬い壁に玩具を手にガツガツと画鋲を打ち付けているわが子の姿を見て瞬時に状況を把握したんだろう。父親は少しバツが悪るそうな感じで絵を壁に貼ってくれた。「上手く描けたな!」とか言いながら。

2012-06-13 12:44:34
齋藤虎之介 @tora404

この時父親が隣の部屋から怒鳴り込んでこなかったらもしかしたら僕は心に深い傷を負ったかもしれない。ただゴッホみたいに描けた絵を貼ろうとしていただけなのになんでだよ!とゆくゆくは夜の校舎に忍び込んで窓ガラスを片っ端から割るような人間になっていたかもしれない。父親も無邪気な息子のやって

2012-06-13 13:11:19
齋藤虎之介 @tora404

いることの意味がわからないままだったら、あんなアホガキは明日にでも裏山に捨てに行こうとなっていたかもしれない。隠された本来の意味を知らなければ悲惨な結果待ち受けていたに違いない。多分大なり小なりこのような事は生きている上で何度も繰り返し起こっていることだと僕は思っている。

2012-06-13 13:21:40
齋藤虎之介 @tora404

ネズミの遠山の気持ちなんてそれこそ誰も知らない。同じネズミ仲間の連中も勿論人間になんかにその気持ちが到底わかるはずはなかった。しかし遠山はいつか夢を叶えるために必死で生き抜いているのだ。人間には全く知られていないことだけれど都会に住んでいる動物は何となくだけれど人間の言葉がわかる

2012-06-13 13:32:37
齋藤虎之介 @tora404

し、文字だって読める。個体差はあるものの都会で生きるためにいつの間にか動物たちが獲得した能力なのだ。しかし当然ながら喋ることはできない、いや喋る必要はない。人間の言葉が分かれば自分たちに危険なが迫っていることや危ない場所なんかが分かってくる。文字を読む能力だって同じ事だ。

2012-06-13 13:35:43
齋藤虎之介 @tora404

人間が仕掛ける様々なトラップをくぐり抜けるために動物たちが進化し、獲得した能力なのだ。遠山も当然その能力を持っていたが遠山は他の動物よりも飛び抜けて人間語が理解できた。テレビのニュースだってほとんど理解できるし、雑誌、新聞、漫画の類だって難なく読むことができたのである。当然その能

2012-06-13 14:57:38
齋藤虎之介 @tora404

力を誰かにひけらかす事はしない、それが自分にとって不利になることを何となく知っていたからだ。そのアドバンテージを生かし遠山はこの厳しい都会生活を乗り越え、しかも動物たちが本来持っているはずのない「夢」というものまで獲得しそれに向かって毎日を生きている。「この倉庫にいっぱい食料を

2012-06-13 15:03:41
齋藤虎之介 @tora404

貯めよう。後は暖かい布なんかも欲しいな。明日デパートにでも忍び込んでみるか。」遠山は少しずつではあるけれど夢の為に着々と準備をしていった。「ああ早くこんな風になりたいなぁ」そうして毎日眠りにつくのが日課になっていた。そんな生活がどのくらい続いたでしょうある朝ついにその日がやってき

2012-06-13 15:09:00
齋藤虎之介 @tora404

ました。遠山が疲れ果てて寝ていた早朝のこと、突然家全体が大きく揺れたかと思うと物凄い轟音がし、びっくりして遠山は飛び起きました。「なんだ!どうしたんだ!」と混乱して叫んだ次の瞬間気づいたのです。「ついにこの日がやってきた」遠山は涙ながらに叫びました。この日のために何年も何年も辛い

2012-06-13 15:14:50
齋藤虎之介 @tora404

思いをしてきたのですから、そんな毎日が走馬灯のように蘇ったのです。遠山だけが知る遠山だけの夢。そのために色々な人達に数え切れないほど嫌な思いをさせてきたかもしれません。数え切れないほど沢山の人達から嫌われたかもしれません。しかしどれもこれもこの日の為だったのです。恐る恐る窓から外

2012-06-13 15:48:36
齋藤虎之介 @tora404

を見てみました。今まで経験したこともないような高さにいます。見たこともないほど地面が遠く家が小さくなっていき、とんでもない速さで更にそれらはどんどんどんどん小さくなっていくのが見えました。「ついに・・・ついに・・・!」と次の瞬間全てが炎に包まれました。

2012-06-13 15:52:51
齋藤虎之介 @tora404

「発射3分で爆発しました!一体何が起きたのでしょうか!見物客は呆然としたり叫んだり混乱しています」

2012-06-13 16:38:44
齋藤虎之介 @tora404

「パラシュートですか?よく見えませんがパラシュートのようなものが開いたという・・・・」

2012-06-13 16:39:13
齋藤虎之介 @tora404

今日午前6時に打ち上げられたスペースシャトルコンチネンタル4号が発射3分後に爆発炎上しました。破片は広範囲に散らばり原因究明には時間がかかるとの見通しです。乗組員5名は奇跡的全員無事で・・・・・

2012-06-13 16:40:27
齋藤虎之介 @tora404

3ヶ月後事故の原因が報道された。アメリカンなヘイ!ジョニーとか呼ばれてそうなNASAの職員がスライドを使い原因の細かい報告をしている姿がテレビに映し出されていた。「ねえお母さんなんでスペースシャトル爆発しちゃったの?」「なんでだろうねえ?今それを説明しているところなのよ。あっゴミ

2012-06-13 16:42:13
齋藤虎之介 @tora404

が詰まってそれが燃えちゃったんだって。」「へースペースシャトル作った人が捨てちゃったのかな?」そしてテレビの中のジョニーが先程説明していたゴミをカメラの前に持ってきた。「あっお母さんこれ!この絵本と一緒だよ!スペースシャトル作った人が読んでたのかな?」テレビに映し出されていたその

2012-06-13 16:44:44
齋藤虎之介 @tora404

本は、ボロボロに焼け焦げていますが僅かにタイトルと絵が読み取れました。おそらく同じ本を持っている人にはすぐにわかるけれど、そうでない人にはそれがなんの本なのかすぐにはわからない程の損傷です。「ホントだね~この絵本と一緒だね~。」 http://t.co/PEh82cXP

2012-06-13 16:48:46
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