佐藤正美Tweet_20120601_15

0
佐藤正美 @satou_masami

工学的 reality を信じて、SE 独特の世界を自由に創る。私は、その態度を否認するつもりは更々ない。だが、もし彼等が(事業の「模型」を制作する事を期待されているにもかかわらず、)自画像を描いたとすれば、いかに見事な制作物であっても、ユーザの白眼は免れまい。

2012-06-01 01:20:13
佐藤正美 @satou_masami

エンジニアも日常の生活の中で思考が普通にやっている事、即ち事態に遭遇すると「事態を観る」(「構成条件を把握する」)というより寧ろ「事態を読む」(「成り行きを推量する」)という強い誘惑から逃れるのが難しい。

2012-06-02 21:53:07
佐藤正美 @satou_masami

モデルが現実的事態に掴まなければならないものは、現実的事態の構造であって、この構造は「概念」の分割細分だけでは出来ていない。その事態の内的な運動に関係しているから、その事態の中で起こっている構成的な関係でもある筈だ。これを「論理」に依って正確に記述する所にモデルの技術がある。

2012-06-03 23:15:41
佐藤正美 @satou_masami

私がモデル制作で「論理」を訴える理由は、エンジニアとしての基本技術を再確認したいのである。モデルが図(diagram)の形をとろうとも、それは「論理」による構成という技術の現れである。「論理」は、システム・エンジニアという仕事が強制する現実的事態との交渉技術なのである。

2012-06-05 18:23:03
佐藤正美 @satou_masami

私がコッド関係モデルの影響下にありながらもモデル論に反撥を感じて言語哲学を援用して仕事をしたというのも、私は言語に強い興味を持って、「意味」を考え続けたが為だ。もしエンジニアが画題として事業を選べば、その職業的技術の必然から、ユーザの使う言語を記号と見做して形式化せざるを得ない。

2012-06-06 16:18:30
佐藤正美 @satou_masami

モデル論に導かれて、私の努力は、専ら、具体的な、疑い様のない記号(ユーザの使う言語)に集中され、ユーザ言語を形式化する事が、取りも直さず、事業の意味を知る事だと考えた。モデル制作の私の狙いは、「構成」全体(文脈)を観て「合意」された意味を検出してみたいという事であった。

2012-06-07 23:30:40
佐藤正美 @satou_masami

私たちが言語を使って「意味」を伝えているとは、事態を漠然と見る状態(「概念」の想起)に止まっている事を止めて、事態の有様を見分けるという「認識」(解析)に移ってゆく事を意味する。「概念」が合意されている状態、記号から「意味」へと作用する伝達のしくみを私は形式化したかったのである。

2012-06-08 04:21:20
佐藤正美 @satou_masami

TMは数学・哲学に傾斜したと云われているが、私は、「論理」の手に合うものだけを取り上げたまでだ。先ず、私の先入観(bias)を捨て去ってユーザ言語を形式化しなければ、事業の「あるがままの様相」を──その構成条件を──記述する事が適(かな)わなかったという事にすぎない。

2012-06-09 22:25:43
佐藤正美 @satou_masami

一つの自然現象が因果関係として構成できるのは、結果が原因の中に含意されている必然性に因るが、事業になれば如何なるマーケットの中で如何なる条件を立てようが主体的組織の自由である。事業は外から来る条件と内から来る判断で刻々に変化する。それらの随意的構成の条件を露すのが事業分析である。

2012-06-10 02:01:30
佐藤正美 @satou_masami

私が、「論理」に従う、という言葉で本当に言いたかった事は、ゲーデル氏と出会った事が機縁となって、私自身の考えかたに起こった大きな転回だったのである。それは、ウィトゲンシュタイン氏に酔っていた魂に、一つの宇宙が誕生した事であった。言語ゲームの一つの見事な形態を目にした事であった。

2012-06-11 23:45:53
佐藤正美 @satou_masami

「TMは、いつ完成するのか」と問われた事がある。私にとって、「完成」という考えほど遠いものはない。私は自分の仕事について烈しい不満を常に抱いている。TMは現時点で技術的には一つの(閉じた)整合的な体系になっているが、モデルは「現実」の変化を験証して改良され続けなければならない。

2012-06-12 00:17:24
佐藤正美 @satou_masami

「私はもう年をとり過ぎた。何も実現出来なかったし、今となってはもう駄目だろう。私は依然として自分が見附けた道の未開人でありたい」(セザンヌ)。天才にして、この言あり。見習いたい。私は、いつも働いていたい──TMを再新するために。仕事の正統とか本道というものはそうであろう。

2012-06-13 04:23:31
佐藤正美 @satou_masami

「数学基礎論」の証明論・モデル論(と関数・集合概念)が、システム・エンジニアの仕事(事業分析)では一片の教養に止まっている事を私は苦しんでいた。私概念の夢想などは捨て去っていたが、「客観的解釈」という好都合なものが存しない事に私は苦しんでいた。確かに「解釈」は個人事なのである。

2012-06-14 00:12:54
佐藤正美 @satou_masami

ユーザの使っている言語を話題世界と見做して、「主題+条件」の命題構造を私は考えた。「主題」が「合意」されていれば、「条件」は観察述語として付帯できると私は考えた。そうすれば、R{(主語+条件),(主語+条件)}の関係Rの規則を立てれば理論を制作できる。それがTMの原型である。

2012-06-15 02:58:04
佐藤正美 @satou_masami

モデルTMは、人間で云えば、一見したところ、人づきあいの悪い性質が現れているかもしれない。それは、「概念」の統一された、SEにわかりやすい概念図という様な物ではない。眼に見える言語(記号)を先ず見よ、と言いたげな相貌が現れている(記号の「解釈」は、ユーザが既に与えている、と)。

2012-06-15 02:58:49