マスカイ没ネタ

やよい@ザリガニ@幻覚 @sibayayoi2

【没ネタ】セクサロイド専門の娼館に売られたカイト。以前のマスターにも暴力振るわれたり強姦されたりしていたのでそういうお仕事に抵抗はなかった。むしろ殴られたりしないだけマシだとも思っている。気が弱いのが多いKAITOタイプにしては大人びて色気のあるカイトはかなり人気があった(続く)

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「どいつもこいつも『愛してるよ』とかさ、馬鹿じゃないの？素直にヤりたいだけでいいんだよ」乾いた笑いでいつも通り腰を振る。口へのキスも望まれればいくらでもばら撒く。愛の言葉を求められればいくらでも。稀に「本気か？」と思う相手もいるが、結局他のやつに興味が移ればさようなら(続く)

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そんなある日現れたのは娼館になど縁がなさそうな男。初回で一番人気のカイトを指名などできないのだが、余程の金持ちなのかカイトが相手をすることに。とっとと事に及ぼうとするも、「まずはお話しない？」と微笑まれて戸惑う。いつまでもお喋りばかりで一向にヤろうとしない。何しに来たんだ(続く)

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時間ギリギリになって焦れたカイトが「ヤらないの？お話希望なら何もここに来る必要ないだろ」と問うと慌てたように服を脱ぎ出した。ムードも何もない姿に笑ってしまう。「うん、やっぱりカイトは笑顔が似合う」その言葉に驚いて、なんだか気恥ずかしくて、照れ隠しのように押し倒した。(続く)

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その後も不定期だが男は訪れた。毎回くだらない話をして、刻限を告げると思い出したように身体を重ねる。本当はヤりたくないのだろうか？だとしたら大枚はたいてただ自分に会いに来ていることになる。身請けの話も素振りもない。真意を問いたいが、やめた。「結局俺がヤりたいだけじゃないか」(続く)

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他の男に抱かれながら、あの男のことを考えることが多くなった。敏い相手だと気が他所に行っていることに気付かれ酷い抱かれ方をされることもしばしば。恋も情も縁がないはずなのだが、まさか。昼間はわりと暇なこの仕事。ぼんやりと窓の外を見ていたら、ちょうど考え事の中心である男がいた(続く)

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男の隣には綺麗な女。明るい道を歩く二人は幸せそうで、とても似合いだった。目を逸らしたいのに離せずにいると、ふと男が顔を上げ、目が合った。慌てて窓から離れる。床に蹲り、無理矢理笑った。「馬鹿じゃないの？馬鹿じゃないの？」何度も繰り返して、濡れた頬には気付かないふりをした(続く)

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その日の夜、男は来た。「カイト、昼間のあれは」「昼間？なんのこと？」「い、いや、あの人はそういうんじゃなくて」「何言ってんの。俺は寝るのが仕事なんだから、お客様の色恋沙汰にまで首突っ込むわけないでしょ。ほら、ね、抱いて？」俺は恋も情も持ってないから。「…許して」キコエナイ(続く)

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あれ以来、男の来る頻度が減った。来たとしても、男が喋り出す前にカイトが口を塞ぎ、半ば無理矢理情事を始める。客を襲うなど言語道断だが、男は文句も抵抗もなく、ただ子どものような、泣きそうな顔で「愛してる」を繰り返すだけだった。カイトは、無表情に、仕事として、ただ快楽を貪った(続く)

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その日もいつものように服を脱がそうとしたところ、強い力で押し返された。初めての抵抗に思わず動きを止めると、「あ、久しぶりに可愛い顔した」とへにゃりと笑う男。どうしたらいいのかわからず、らしくもなく硬直していると、男の顔つきが真剣なものになった。「カイトを、俺のものにする」(続く)

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「最初に会った時からそのつもりだった。でもカイトは一番人気だから身請けするための額が予想以上でね…。これでも俺、ものすごく稼ぐ人なんだよ？それでも通いながらとなるとお金を貯めるのに時間がかかってさ。でも、もうすぐ貯まりそうなんだ。そしたら、ずっと俺の隣で笑っててくれる？」(続く)

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何を言われているのか理解をするのに時間がかかった。しかし、理解するにつれてじわじわと顔が赤くなっていくのが止められない。「な、に、言ってんの…なら通わないで、とっととお金貯めればよかったのに…」「少しでも、他の男に抱かれる時間を減らしたかったんだよ」「ば、馬鹿じゃないの」(続く)

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それからはまた男が来ると他愛のない話をするようになった。また、カイトも自分のことをぽつりぽつりと話すようになった。身請けされるのならば、どうしても話さなければならないことがあった。「俺さ、セクサロイドに特化するように前の持ち主にだいぶ改造されて、記憶と寿命がイかれてるの」(続く)

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「なんか前の持ち主…ああ、あいつはマスターって呼びたくない。マスター登録もここに売られる時に解消されてるしね。で、前の持ち主が感度よくしたり突っ込みやすくしたり改造しまくったせいで、記憶回路が故障気味なんだよね。だからあんまり昔のことは憶えてない。仕事に支障はないけど」(続く)

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「プラス、正規の改造じゃないから記憶以外にもあっちこっち常にエラーが出てる状態。だから寿命は長くないよ。修理センターに持って行っても違法改造だらけだから、破棄されて新しいKAITOをもらって終わり。ヘタしたらあんたが捕まるかもね」そう言って笑ったら、思い切り抱きしめられた(続く)

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「知ってるよ。それでも、今度こそ、俺が幸せにする。…いや、カイトが傍にいないと、俺が幸せになれないんだ。カイト、君が欲しい」耳元で囁かれ、ぞくりとした感覚が背を駆け抜ける。体を撫でる男の手つきは大人のそれなのに、その表情や声は親とはぐれた子どものようで、体の奥が疼いた。(続く)

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男との最中はいつも全身を撫でられる。まるで存在を確かめているようで笑ってしまいそうになると同時に、髪を撫でられる感触にどこか既視感を覚えていた。仕事柄身体に触られることにはもはやなんの感慨もないが、この男に髪を撫でられるのはなぜか初めから好きだった。ひどく、安心するのだ。(続く)

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「カイトは俺のこと好き？俺は大好き」「…もっと色気のある聞き方してよ」どこまでもムード作りがヘタな男に苦笑い。「そうだな、もうあんたとしかヤりたくないかな」「本当！？」「リップ・サービスを本気にしないでくれる？」気まぐれに本心なんて言わなきゃよかった。けっこう恥ずかしい。(続く)

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身請けされる前日、アンドロイド用の洗浄を受けることになった。ロイド用の洗浄は、人とは異なる細かいパーツまで磨き上げてくれる。ふと、売られる直前にも同じ洗浄をした気がするのだが、記憶がない。いつものメモリのバグと思い、特に何も言わなかった。とっとと済ませて、あいつに会いたい(続く)

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激しいエラー音が鳴り響いている。思い出した。前回も洗浄液が内部を侵食し、半故障状態になったのだ。本来ならば無害な洗浄液も、違法改造が繰り返されたこの身体には毒でしかない。深刻なエラーが発生しました、深刻なエラーが発生しました、うるさいな、早く終わらせて、あの人に会わせてよ(続く)

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『あの人』って誰だっけ？メモリ、エラー、修復不可能。違う、憶えてる。あの人は、俺のマスター。エラー、エラー。俺が上手く歌えると、マスターは優しく頭を撫でて、褒めてくれる。だから、上手く歌えば、マスターは迎えに来てくれる、こいつに殴られても耐えられる、俺がもっと頑張れば…(続く)

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最後の最後に漸く混濁していた記憶が繋がる。あいつの前に、ちゃんとマスターがいた。優しくて、不器用な、大好きなマスター。あの人は、マスターに似てる。いや、マスターが迎えに来てくれたのだと、そう信じて眠りたい。「マスター…大好きです」一度限りの甘い快感に、ほだされたっていいでしょ？

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カイト視点終わりー。男視点はまた明日！たぶんすっごい短いけど。

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ンじゃあ昨日の続きというか、男視点をちゃちゃっと！

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作曲家を目指す男は、ボーカロイドに興味を示す。しかし値段に諦めていたのだが、某動画サイトで聴いたカイトの声に一耳惚れ。どうしても自分の作った曲を歌って欲しくてとりあえずお手頃価格なPCソフト型を買おうとするも、店に展示されているアンドロイド型の美しい青が、とても欲しくなる(続く)