俺得ゾンビサバイバル【4、5日目】

やっと、同行者が現れます。 死に満ちた街に途中参加する少女。 ゴールは、まだ見えない <1~3日目 続きを読む
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@falco_of_choco

今では現実離れしたその言葉だが、今の惨状には妙にしっくりくる。 そうでなければ地獄、かね。 「あ、もうひとつだけ質問いいですか?」 「あ…あぁ、もちろん」 急に元気になって驚いた。 最近の子は切り替えが速い。 「おじさんの、お名前は?」 「リドラだ。きみは?」 「ナツミですっ」

2012-06-29 01:09:34
@falco_of_choco

最近の子は、本当に侮れない。 あんなひどいものを見たあとで、笑えるのだ。 「ひとつ、提案なんだが。 この街から脱出できるまで、行動をらともにしないか?」 「…そりゃまあ、願ったり叶ったりですけど。たぶん足でまといになりますよ?」 「それでもいいんだ」

2012-06-29 01:12:50
@falco_of_choco

一昨日見捨ててしまった女の子の代わりになるとは思っていない。 そもそも生きてるのかどうかもわからない。 だが、やれることはやりきると決心した。 それに、この子の笑顔に少し、救われたのも確かだ。 「それはそうと」 「ん?」 「おじさんはないだろ」 「へへ、いいじゃないですかー」

2012-06-29 01:15:52
@falco_of_choco

「これでも23だ」 「充分おっさんですよ」 「悪化した!?」 ふん、どうやら行動を共にするに当たって、礼儀というものをまず教えなければならないようだな。 リドラは心の内で笑みを漏らした。

2012-06-29 01:18:06

五日目

@falco_of_choco

今日の小鳥遊 ここあ:【同行者】死亡フラグを連発する男(アイテム扱い。以降【戦闘】が出たら、その悪影響を無効化してこのアイテムは失われる)が同行を申し出た。連れて行くかどうかは好きにせよ。 http://t.co/eTQvnz0g やっとアイテム(同行者)…!

2012-06-29 00:02:27
@falco_of_choco

【四日目】 体力 95 食糧 96 アイテム:死亡フラグを連発する男 一番安全街道突っ走ってる

2012-06-29 00:04:19
@caramelrecipe

今日の松モトヤ:【休息】ゾンビの気配がない公園を見つけ、野営する。こんな時でも星は綺麗だ・・・。HP:+3 食糧:-2 http://t.co/C9Cv2KQa 2日目/HP100/食料88

2012-06-29 00:22:07
@falco_of_choco

【五日目:リドラ】 その夜は、ナツミをベッドに寝かせ、念のため番をしていた。 今襲われたら死ぬのは俺だけではないということで気を引き締めているのもあるが、 ナツミの祖母を噛んだゾンビ、もしくは… 祖母本人が、周りをうろついているかもしれなかった。 #ゾンサバ

2012-06-30 00:34:33
@falco_of_choco

幸い、昨夜は寝過ぎと言えるほどに寝ていたので、仮に徹夜になっても辛くはない。 少し魘されている少女の寝息(暑くて寝苦しいだけかもしれないが)を聞きながら考えていたのは、ゾンビ化感染のこと。 状況から、俺が立てた「接触によって感染する」という説が裏付けられたことになる。 #ゾンサバ

2012-06-30 00:41:56
@falco_of_choco

あの時、家の中にゾンビの気配はなかった。 つまり、接触から発症までにはラグがある。 それが、10分なのか、一時間なのか、はたまた一日なのかはわからない。 五日前の状況からして、個人差も大いにあるだろう。 #ゾンサバ

2012-06-30 00:45:57
@falco_of_choco

だがそれは逆説的に現時点で生き残っている人にはある程度以上の耐性があることを示す。 …ただ一人、事件発生後に街に入ったナツミを除き。 彼女にも耐性があることを願うが、最悪のパターンは常に想定しておくべきだ。 …人の命を背負うということを実感し、リドラは拳を握った。 #ゾンサバ

2012-06-30 00:49:52
@falco_of_choco

【ナツミ】 …悔しいことに、よく眠れた。 もともと、よく眠れればストレスなどは消える性質だったが、ストレスが強すぎると寝つきが悪いことが多かった。 それなのによく眠れたというのは…。 隣に誰かいてくれる、というのはそんなに大きいことなのだろうか。 …おっさんなのに。 #ゾンサバ

2012-06-30 00:54:38
@falco_of_choco

そのおっさんはどうやらほぼ寝ずの番をして、空が白み始めたころに横になったそうだ。 くそぅ、かっこつけやがって。 「今日はどうするの?」 おっさんに問いかける。 「予定らしき予定はないよ。街に出て、隠れながら歩き回って、有益なものを探す。それだけだ」 #ゾンサバ

2012-06-30 01:01:44
@falco_of_choco

「ふぅん、わかった」 私はそう答えると、パジャマ代わりの学校の体操服を脱ぎブレザーの制服に 袖を通した。 「洗濯…したいな」 誰にともなく呟く。 「基本的に水道、電気は生きてる。 …時間の問題だろうが。 適当な民家で拝借すればいいだろう」 確かに麦茶もよく冷えてたよ。 #ゾンサバ

2012-06-30 01:07:33
@falco_of_choco

二人で周りを伺いながら並んで歩く。 特に会話があるわけではない。 たぶん嫌な話題になることを恐れているんだろう。 …黙ってるほうがもやもやして気持ち悪いんだけど。 しかたない、私から話しかけるか。 「ねぇ、おっさ」「あ、あれ」 かぶせんな! と思いつつも指の先を見る。 #ゾンサバ

2012-06-30 01:12:29
@falco_of_choco

「あれは…え?腕?」 それは人のものとは思えない巨大な腕。 このサイズなら全長で20mはあるだろう。 「これも…ゾンビなの?」 少しだけ近くに寄ってみる。 「みたいだ。…ゾンビは、ウイルスとか、そんなんじゃないのかもしれない」 いやそんな小難しいことは考えてないけど。 #ゾンサバ

2012-06-30 01:16:57
@falco_of_choco

「たぶん、切り落とされたとかじゃなくて、腐り落ちたんだろうな」 「なんでわかるの?」 「断面が汚い。俺も専門家じゃないけど」 ふぅん…と曖昧に相槌を打って、顔を断面に近づける。 するとびくん! と腕か痙攣した。 まさか、腕だけでも生きている!? #ゾンサバ

2012-06-30 01:21:45
@falco_of_choco

思わず転びそうになっておっさんにしがみつく。 腕が動き出す気配はない。 びっくりしたぁ…。 息を荒くしてしがみついていると、困ったような声で 「離してもらえるかな」 とおっさんが言った。 「え、あ、はい」 急に恥ずかしくなって、ぱ、と手を離す。 もう、気の利かない。 #ゾンサバ

2012-06-30 01:26:40
@falco_of_choco

動き出さなくても、不気味だよね。 さっさと歩き出すと、おっさんが呟いた。 「あんなにでかいゾンビに襲われたら、どうなっちまうんだろうな」 私はそんなこと、想像したくもなかった。 そしておっさんは「あの子…」と消え入りそうな声で言った、ように思うが間違いかもしれない。 #ゾンサバ

2012-06-30 01:30:13
@falco_of_choco

その日は、結局何も見つからなかった。 物資だけでなく、寝床も。 もう夕方だと言うのに。 「…ここなんか、どうだ?」 おっさんが指差した街中の看板を見ると、自然公園の文字。 「野宿か…」 ため息を洩らすと、 「贅沢言ってられないだろ」 と返ってくる。 まあ、ねぇ。#ゾンサバ

2012-06-30 01:33:32
@falco_of_choco

公園に足を踏み入れると、なかなかよかった。 ゾンビがいないのはもちろん、軽い丘のようになっていて近づいて来る者がわかるし、その丘の上のベンチには屋根もついていた。 一日くらいなら、我慢するか。 んー、と伸びをすると、何者かにナイフを突きつけられた。 え? #ゾンサバ

2012-06-30 01:38:14
@falco_of_choco

「お前たちは何者だ。俺のエデンに何の用だ」 …は? 二つの意味で声が出なかった。 「ま、待ってください!俺たちは、人間です!」 リドラが慌てて対応する。 「知っている。この俺が<反魂されし者>(リバーサー)と人間を見間違えるとでも?」 りば、え? #ゾンサバ

2012-06-30 01:42:08
@falco_of_choco

「俺達は寝床を探しているだけです!」 「なるほど。嘘ではないようだ」 男はすっとナイフをしまう。 おっさんは少しおちついて、 「良ければ、一晩場所を貸していただけませんか?」 「クク、いいだろう。ただし」 「た、ただし?」 「供物を、捧げよ」 男の腹がくぅと鳴った。 #ゾンサバ

2012-06-30 01:49:15
@falco_of_choco

多少の食糧と引き換えに、場所を貸してくれることになった。 名前は教えてくれなかったが、年のほどは25〜7? 飯ついでに多少の情報交換をしていると、 「…ふむ、ぬしらについてゆくのもいいかもしれんな。 リドラとか言ったか、お前は信用できる」 なにこいつついてくんの。 #ゾンサバ

2012-06-30 01:56:55