茂木健一郎(@kenichiromogi)さんの連続ツイート第640回「私が、野田首相だったとしたら」

脳科学者・茂木健一郎さんの6月30日の連続ツイート。 本日は、昨日の首相官邸前の「脱原発」デモについて。
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茂木健一郎 @kenichiromogi

しゅりんくっ! ぷれいりーどっぐくん、おはよう!

2012-06-30 06:33:23
茂木健一郎 @kenichiromogi

連続ツイート第640回をお届けします。文章はその場で即興で書いています。本日は、昨日の首相官邸前の「脱原発」デモについて。

2012-06-30 07:20:00
茂木健一郎 @kenichiromogi

わの(1)大飯原発の再稼働に反対し、「脱原発」を訴えかける方々が、たくさん、首相官邸前でデモをしたという。何事につけ大人しいと言われてきた日本人にとって、画期的な出来事だろう。ツイッターやフェイスブックなどのソーシャル・メディアを通して広がったという点も新しい時代の到来を感じる。

2012-06-30 07:21:43
茂木健一郎 @kenichiromogi

わの(2)私は仕事から仕事の移動を、できるだけ歩く。首相官邸前もしばしば通過するが、広場や幅の大きな歩道があるわけではなく、たくさんの人が集結するには難しい側面もあるだろう。それでも、「首相官邸前」でデモをするということに、象徴的な意味がある。主催者たちの努力を多としたい。

2012-06-30 07:23:26
茂木健一郎 @kenichiromogi

わの(3)すでにツイートしているように、私は、日本のエネルギー安全保障(純粋に物理的に、エネルギーが足りるかどうか)という視点から見て、原子力を使い続けることは仕方がない選択肢である、という立場をとっている。今でも、その考えは変わらない。それでも、デモを支持する。

2012-06-30 07:25:11
茂木健一郎 @kenichiromogi

わの(4)デモが表現しているものは何か。それは、何よりも、感情である。福島第一原発の事故が人々の心に及ぼした影響は、甚大である。放射線の健康被害についての科学的議論をいくら積み重ねたとしても、事故によって生まれた不安や恐怖を消すことはできない。

2012-06-30 07:26:58
茂木健一郎 @kenichiromogi

わの(5)同じことは、東京電力やメディアに対する不信感についても言える。重要な情報を隠しているのではないか、偏向した報道をしているのではないかという疑心暗鬼は、事実においてどうかという点を離れて、人々の心の中に「感情」としてすっかりと根付いてしまっている。

2012-06-30 07:28:03
茂木健一郎 @kenichiromogi

わの(6)昨日の官邸前デモは、何よりも、そのような人々の感情のうねりを表現したもの。自由で民主的な社会において、自分たちの感情を表すことは当然の権利であり、特に原子力政策という、国論を二分するような問題については、昨日のデモのようなかたちで気持ちを表すことは大切なプロセス。

2012-06-30 07:30:03
茂木健一郎 @kenichiromogi

わの(7)事実と予測に基づいた精緻な議論とともに、人々の感情もまた為政者にとっては考慮すべき大切な要素である。国民が、現に原子力政策について不安を抱き、疑念を持っているのに、それを無視して政策を進めるというのは、民主主義国家のあり方としては明らかに不当である。

2012-06-30 07:31:46
茂木健一郎 @kenichiromogi

わの(8)デモ参加者は、国民の代表。あれだけ多くの人たちが、官邸前に何らかの感情を伝えに来ている。私が野田首相だったらどうするか。憲政史上異例なことであるが、デモ参加者の代表10名くらいを、首相官邸に招き入れ、原発政策について対話する、くらいの対応をしても良かったのではないか。

2012-06-30 07:33:59
茂木健一郎 @kenichiromogi

わの(9)一度招き入れて対話したら、多人数でデモをすれば首相官邸に入れるという「前例」をつくるという懸念もある。しかし、原発の問題は、明らかに異例な対応が必要な事案。対話を通してのみ、気持ちは変化することができる。再稼働を伝える先日の一方的な記者会見は、明らかに届かなかった。

2012-06-30 07:36:26
茂木健一郎 @kenichiromogi

以上、連続ツイート第640回「私が、野田首相だったとしたら」でした。

2012-06-30 07:37:00