第10回ポエム12【お題:瞳の奥の物語】
瞳の奥に 封印されしもの 運命の子である その少年 大いなる魔力を秘めたるもの その封印が解かれし時 世界は大きく変動する #poem12
2012-06-30 12:02:50伸ばした指先に触れるものはなくて、みえないそれを追い続けるしか、それでも、それでも(想うきもちはきっと)そこに、あると #poem12 思ってもいいですか。瞳の奥の物語。
2012-06-30 12:03:04瞳を閉じて目蓋の裏側に君を召喚する。瞳の奥に焼きついた君を。僕が使えるささやかな魔法は、これひとつ。でも、目を開ければ、そこは現実という名の牢獄。君の肖像権を侵害した容疑で再逮捕。#poem12
2012-06-30 12:04:09ここで恋してお互いに引き寄せられた 長い会えない時間を 心と心が何度も触れあった そして二人はいつの日か出逢う あなたの瞳に私がうつる…瞳の奥に私をやきつけて…そこから始まる二人の物語… #poem12
2012-06-30 12:04:45#poem12 大きくなったアリスがしゃがみこんで覗いた小さな扉の向うの庭。噴水も薔薇の花も藤蔓のぶらんこも、鍵穴の中で何もかもが音のない閉じた安らぎに象嵌されている。あれほど欲しかった金の鍵はいま手の中にあるけれど、もう扉は潜れない。聊か萎びて骨ばった手に鍵を握りしめ、佇む。
2012-06-30 12:06:48瞳の奥深く 透き通った湖がある 悲しかったり 感動したりすると その湖の温度は上がり 瞳の外へ溢れ出る それを人は“涙”と呼ぶ #poem12
2012-06-30 12:07:26知らない誰かからもらった光は 今まで見たことのない いつか見た覚えのある 新しくて懐かしい不思議な風景 戸惑う私に微笑むあなたは いつも聞いていた耳慣れた優しい声 そんな顔で笑うのね 新しい瞳は大丈夫と教えてくれる 私の知らないことはあなたとこの目が 教えてくれる #poem12
2012-06-30 12:09:46彼女の瞳の奥に ゆらゆらと恋の炎が揺れていた 彼女も彼のことが好きに違いない 女の感ですぐにわかった 私は彼女の瞳から 彼を奪って 永遠に 私の瞳の奥に 閉じ込めたかった #poem12
2012-06-30 12:13:04見つめた先、その瞳にうつる世界は逆向きなのでしょう。ねえねえ、何が見える?わたしからわたしへ、手紙を送ってはくれませんか。 #poem12 (鏡の向こう、つまらない顔をして、)
2012-06-30 12:13:13#poem12 雨の気配に慌てて干し物を取り込み乍らふと胸が揉み絞られるのを感じる。この、雨の匂い。一度に色んなことを思い出す。駈け抜ける雲の下、すかんぽの束を抱えて走った砂利道。手をついて転んだ焼ける様な痛み。油じみた割烹着にぎゅっと押しつけて抱いてくれた祖母。瞳の奥の記憶。
2012-06-30 12:18:38思わず覗き込んだその世界。君の焦点を知りたくて。ありふれた日常も遥かなる宇宙も、プリズムを辿って一点に集約されるよう。コトバは君に集い、再び色付けられた空間を現世に送り出す。吸い込まれてく視線の先、君に映っていたものは。君のコトバが唄う優しい君だけの物語 #poem12
2012-06-30 12:21:13瞳が綺麗だねって君は言ってた。 視力が悪いからって僕は戯けた。 映り込む自分だけを見て欲しいと君は言ってた。 沢山の景色を映り込ませたいと僕は答えた。 僕の瞳から君の姿が消えてしまってから、僕はいつも君と云う風景を探していた。 君の残像は鮮やかに映っていた。 #poem12
2012-06-30 12:29:14#poem12 生れてから今迄見たものが一つ残らず瞳の奥に焼き付けられているならばどうだろう。御手のわざなる美しいものを沢山見てきた。友の微笑も愛する人の眼差しも大切に蔵ってきた。だが、誰にも黙って、見てはならぬものも沢山見ている。その記録を誰にも知られずにどうして消せるだろう。
2012-06-30 12:33:02