第10回ポエム12【お題:瞳の奥の物語】
瞳の色によって、封じ込められる風景は違うのだと言ったら 君は驚くだろうね 僕の茶色の目に蓄えられているのは 金環日食とともに描かれた エルンストの森の絵のような畏怖 君の黒い瞳に吸い込まれた 星のきらめきへの #poem12
2012-06-30 12:41:57#poem12 アンデルセンのお話のかなしいお母さんは、こどもの命を救うために美しい両眼を湖に差し出した。瀕死のこどもを思って泣いて泣いて、お母さんの目は流れ出してなくなった。とられまいと胸に爪を立てて庇ったのは、こどもの記憶だけ。他のものはいいんです。お母さんは空っぽになった。
2012-06-30 12:51:05君は誰を見ているんだ 私を映すその瞳の奥に 私の輪郭と別の人物を 重ね合わせている事を 気付かない訳がないよ 君だって知ってるだろ 目は口程に物を言うと 今直ぐ逢いに行ってと 思い切り背中を叩いて 走り去る君の後ろ姿は 何故かぼやけてしまい 瞳の奥に留められない #poem12
2012-06-30 13:00:27雫が零れて僕を穿つ 君は玻璃の中から 近くにあるような遠い世界を じっと見つめて 藍染の衣装で身を包み 素肌をちらりとでも見られることを 怖れていた 雫は零れて僕を穿つ ようやくそこが玻璃の中だと気付いて 壁を 叩いている #hero12
2012-06-30 13:05:17あなたの瞳は黒真珠である。黒真珠なれば、その奥の奥に在るものは暗黒であろう。暗黒ならば星屑が煌めいている筈で、願わくばその星屑のひとかけらに、僕の残像をとどめて欲しい。残像の僕が、あなたの瞳の奥の奥からあなたの瞳を通して、あなたの世界に酔うであろうことを夢想する。 #poem12
2012-06-30 13:10:27君の瞳の奥には 何が映ってる? 君の瞳の奥に映るあの人の瞳の奥には 何が映ってる? 私の瞳の奥には君が 私たちの瞳の奥には お互いが映ることはない それも一つの物語 #poem12 #hero12
2012-06-30 13:18:41とんとんとん、ノックの主は白ウサギ 扉を開けたら乾杯しよう ウサギがくれた箱のリボンは 赤色青色どんな色? 包みを解いたら飛び出すよ 夢の味した素敵なケーキ バースデーでも、そうじゃなくても 今日には今日の物語 #poem12 #hero12 (兎さん応援詩/「瞳の奥の物語」篇)
2012-06-30 13:44:33上下の瞼の間から飛び込んだ僕は 瞳の奥の網膜へと吸い込まれ 電気信号へと変化して 脳へと辿り着く そして誰かの記憶となり 生き続ける 不思議な不思議な冒険 #poem12 #hero12
2012-06-30 14:06:23瞳の奥には希望があった。自らの我儘で子供を殺してしまう親が居る。子供が欲しくとも、出来ず嘆く親も居る。僕らの瞳の奥にはきっと、何億年も前から伝えられた愛がある。それは、全ての垣根を超えて。自らの子に限らず、僕らの生命という、希望のリレーが瞳の奥で繰り広げられてる。#hero12
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