壱子@ #同題ffTB

壱子 @borboros

最近のバディ特集はミスが多いので入念なチェックが必要だ。「ここも"虎徹さん"になってる」タイガーと書き込んで、確認のためにインタビュー時のボイスレコーダーをonにする。「虎徹さんが」と少し甘さの含んだBBJの声を聞きながらコーヒーを一口。あぁここも…/見本誌 #同題ffTB

壱子 @borboros

「これ使わないで下さい」指差されたBBJの素顔に迫ると題した自然な笑顔の写真。「それ良く撮れてますよ」「駄目です。この先にタイガーさんがいたので」納得いかない私に彼は付け足す。「この素顔は彼だけが知ってればいい」そう言った彼はその写真と同じ顔をしていた。/見本誌 #同題ffTB

壱子 @borboros

貴方が好きそうな日本酒買ったので、今夜はうちで呑みませんか。何度もシミュレーションした誘い文句は、彼を前にすると喉に詰まってなかなか出てこない。「また来週な」と帰路に着く彼の後ろ姿をただ見送るだけ。あぁ、また呑めない日本酒だけが溜まっていく。/しゅうまつ #同題ffTB

壱子 @borboros

旨い。Jr.君と虎徹の家で呑み明かし、翌朝に出た味噌スープは、出汁が効いて食通の俺をも唸らせる。「毎日飲みてぇな」と虎徹の前髪をかきあげてやれば「だっ」と顔を赤くした彼と、それを見て不思議そうなJr.君。意味を知ったJr.君に牽制されたのは言うまでもない。/みそ #同題ffTB

壱子 @borboros

最初は味噌汁飲んで険しい顔してたのに、今では味噌変えただけで分かるくらいの和食通になっちまったな。朝から味噌汁飲んで満足そうに深く息を吐き出したお前に笑ったら「それだけ貴方の味噌汁飲んでるって事ですね」とキラキラした王子様も笑った。そんじゃ結婚しちゃうか。/みそ #同題ffTB

壱子 @borboros

荷物をトランクに入れてくれたタクシー運転手は、中年にも関わらずモデル並み体型だ。上腕筋は鍛え上げられ、服の上からでも引き締まっているのがよく分かる。トレードマークの猫髭で確信に変わった。こんな所で何してるんだ、タイガー。その言葉は唾と共に飲み込む。/街で見かけた #同題ffTB

壱子 @borboros

復帰を知ったのは、旅先で見たヒーロー特番の再放送だった。能力が一分になっても貴方は走り続けるんですね。格好いいと思った。同時にこの背中を追い掛けたいとも。既に僕は地面を蹴っていた。星降る街へ。この手に落ちたのは希望の星だ。見失ってはいけない。/星が落ちてくる #同題ffTB

壱子 @borboros

「あんたさぁいっつもあの方向見てるよね」とライアンの指差した向こうには年の離れた思い人。思わず顔を背けたけれど、顔が赤くなっていないだろうか…「あぁ、好きなんだ。Jr.君の事」彼の近くには必ずあいつがいるのだと気付かされて、さっと心に氷が張った。/ほうこう #同題ffTB

壱子 @borboros

犯人が笑う。「知ってるぜ、お前5分しか能力使えないんだろ？俺の勝ちだな」確かにもうリミットだ。「いいえ、6分です」何のために袋小路に追い込んだと思ってるんだ。僕は一人じゃないのも知ってるだろ？犯人の背後から緑の光と共に虎が叫ぶ「ワイルドに吠えるぜ！！」/ほうこう #同題ffTB

壱子 @borboros

「虎徹さん、バレンタインですってチ●コ下さい」「お前甘いもの嫌いじゃん」「虎徹さんのチ●コなら食べたいです」「……」「虎徹さんも僕のチ●コ食べて下さいね。僕も用意しておきますから、だから虎徹さんのチ●コ下さい」「お前…●取って言ってみ？」「……ちんこ」/ちょこ #同題ffTB

壱子 @borboros

時が止まればいいのにと思った事は何度だってある。友恵が亡くなった日、楓を置いて発つ日、能力が減退した日、お前の相棒から下ろされた日。「でも立ち止まらなくて良かったよ。こうしてまたお前の隣にいる」ドキッと僕の時が止まる。/時が止まる #同題ffTB

壱子 @borboros

本棚に並ぶ数々の兎虎本。ここだけは愛しのモリィも手が出せないガラス扉だ。そしてとうとうシュテルンビルトからのオファーを受けた。意気揚々と、邪な気持ちは抑えてやって来たのだが、生の兎虎は想像を絶していた。目の当たりにして俺が地面に平伏す。「さすが本物…」/本棚 #同題ffTB

壱子 @borboros

「まだ若いし」っていつまでいい続けるんですか？相変わらず無茶し続ける相棒に、僕も引退出来ないまま、かれこれ10年が経った。「もう若くないですし」と言いながらも僕は彼の隣に立つ。この場所を譲る気はない。/まだ若いし #同題ffTB

壱子 @borboros

「好きです」「愛しているんです」お前が大切だからこそ、その答えはあげられない。揺さぶられ突き上げられ、過ぎる快感が体の自由を奪う。そうして動けなくなった俺に、お前は毛布をかけてくれる。あぁふんわりと優しい檻だな。離れる事なんてとうに出来たはずなのに。/ふんわりと #同題ffTB

壱子 @borboros

「半径3m以上離れて下さい。僕パーソナルスペース広いんです」ってすかした顔して言ってたのが懐かしいな。なんてからかってやると、「僕のそれを壊せるのは貴方くらいですよ、正義の壊し屋さん」とこれまたすかし顔で言うから、逆に俺の方が照れちまった。/円 #同題ffTB

壱子 @borboros

お父さんは実家に帰ってくる度、バーナビーのグッズを持ってきてくれる。「もう完売しちゃってるやつだぞぉ」って私より嬉しそうに。以前はそれを楽しみにしてたけど、ワイルドタイガーの正体を知ってからは少し違う。「タイガーも完売してるんだけど…」「え？」/かんばい #同題ffTB

壱子 @borboros

「天国見せてやるよ」奥手だと思っていた彼の舌が巧みに動いて、戸惑う心とは裏腹に体は高みへと誘われる。"ワイルドタイガーは賠償金を支払うためスポンサーと寝ている"嘘だと思っていた噂が脳裏を掠める。あぁまさかそんな。行為が進むにつれ、噂が真実だと彼の体が語る。/地獄 #同題ffTB

壱子 @borboros

バイ疑惑の見出しと、男にキスするバニーの写真。メディアに追いかけられ黙秘を続ける彼も疲れてるようだ。「女性と交際報道も多いですが、次は男性ですか」下卑た質問が飛ぶ。「僕はタイガーさん以外付き合ってません」キレたバニーのどなり声に頭を抱えたのはロイズさんだ。/バイ #同題ffTB

壱子 @borboros

シルバーステージにあるパン屋に入る。あぁここに来るのは何年ぶりだろう。「お父さんの分、お母さんの分、楓の分」と三つ数えてご機嫌だった遠い日と母の温かい眼差しを思い出して、あの時買ったパンをトレーに乗せる。一つ、二つ、三つ。今はバーナビーの分。/三つ数える #同題ffTB

壱子 @borboros

事件がない限りは定時退社。たまに呑みにも行くが帰りは必ずお決まりコース。遅くまでやってるマーケットに寄って、新鮮な野菜と果物を買う。今日会った女優も魅力的だったが、家で待ってるレディには敵わない。俺様を跪かせるのは彼女だけ。「ただいま、モリィ」/支配者 #同題ffTB

壱子 @borboros

朝布団から出るのが辛い季節になってきた。朝の習慣でトイレに入るが、今日は特に冷え込むな。心なしか下半身が寒いと視線を下ろすと、いつもあるはずのふさふさの物がない。「バニィィィィ！！！」「どうして僕が犯人だと思うんです？」お前しかいねぇだろ！/剃る #同題ffTB

壱子 @borboros

バニーに告白された時、凄い悩んださ。結婚して子供が産まれて、そんなお前の普通の幸せを奪う事になっちまうからな。逃げて逃げて追い詰められた先で「僕の事はいい、貴方はどうなんだ。僕を好きか嫌いかどっちなんだ！」と叫ぶお前。そんなの答えは決まってるだろ！/どっち #同題fftb

壱子 @borboros

能力が１分を切って引退した翌年、近くで大きな火災があった。野次馬掻き分けて燃え盛る火の中に入る。命からがら助け出したのは、いつも虎徹虎徹と絡んでくる近所の少年だった。「有り難うタイガー」と泣きじゃくるその頭を撫でる。ずりぃな、そこは虎徹じゃないんだな。/未練 #同題fftb

壱子 @borboros

友恵は寝る前にベッドサイドの明かりを灯して本を読むのが好きだ。それはお弁当の本だったり、楓に読み聞かせる本だったり様々だ。真っ暗で寝たい俺は「明かり消してくれよー」なんて文句も言っていた。けれど今夜、その明かりが消せない。お前が横にいないのに。/明かりを消して #同題fftb

壱子 @borboros

旅に出ている時、虎徹さんに宛てた手紙を瓶に積めて流した事があった。水平線を眺めながら思い出す。今はどこを游いでいるのだろう。発見されれば自分は間違いなく赤面してしまうであろう内容だ。願わくばこの想いと共に沈んでしまえばいいなと、隣の彼を横目に思う。/瓶 #同題二次TB