壱子@ #同題ffTB

壱子 @borboros

「好きな果物はバナナです。栄養価高いし、腹持ちいいし」というWTの言葉で、クソスタイガーフィギュアにバナナが付属された。スーツが変わった今では、それも幻の逸品となっている。ファンの間ではあまりの卑猥さに、こう呼ぶとか呼ばないとか。/マジカルバナナ #同題ssTB

壱子 @borboros

バニーから星空の絵葉書が届いた。『今僕は地球の裏側にいます。そう貴方の住む場所の丁度裏側にいます。離れていてもアルビレオのように貴方の隣に…P.S. 意味は調べて下さいね』って生意気なんだよ。意味くらい知ってら。/アルビレオ #同題ssTB #留守番おじ

壱子 @borboros

「苦手ならそう言えば楓も誘わなかったのに」遊園地のベンチで顔を白くさせたバニーに水を渡す。「家族と乗りたかったんです。ジェットコースター初めてだから苦手だって事も分からなくて」抱き締めたい衝動を抑えて彼の頬を擦る。「今僕、気持ち悪くて最悪なのに最高なんです」/酔う #同題ssTB

壱子 @borboros

ベッドに押し倒して事を始めたのは良かったけれど、珍しく痛い痛いと泣きわめく。ご無沙汰でもないのにと思っていたら、日焼けした背中が擦れて痛いのだと言う。じゃあ…と裏返して背後から入る。揺さぶると次は顔が見えないから嫌だと泣く。僕にどうしろと言うんだ！/夏 #同題ssTB A.騎乗位

壱子 @borboros

「もうだいぶ長くバニーちゃんと一緒に居るな…」「そうですね…」「もう友恵より長くなっちまった」「そうですか…」それでも未だ外される事のない左手の指輪が、彼の一番長い相棒なのだという事実に僕は堪らなく嫉妬する。/相棒 #同題ssTB

壱子 @borboros

「あれバーナビーじゃない？」「何で並んでるの？タイガーの握手会に…」さっきからどよめきの原因はお前か！目の前には笑顔で右手出してるハンサム。「相棒なんだから握手くらいいつでも出来るだろ」「僕もWTのファンだって知って欲しくて」握られた手がカッと熱くなった。/相棒 #同題ssTB

壱子 @borboros

もう永くないと知っていたのか、彼女の遺品は驚くほど少なかった。あぁこんな事にも気付いてやれて無かったのか。もう一つ驚いたのは大事そうに仕舞われたボタンだ。俺の学生服の第二ボタン。「お前まだこんなの持ってたのか…」今更ながらにお前が愛しいよ。/ボタン #同題ssTB

壱子 @borboros

通話のボタンを押すのを躊躇って、暫く考えてメールを打つ。『今日は助けて頂いて有り難うございました。傷大丈夫ですか？』そこまで打って次は送信ボタンが押せない。焦げた襷を見て、ただただ溜め息だけが出る。/ボタン #同題ssTB

壱子 @borboros

彼の能力が完全に無くなった。あと何日バディでいられるのかと思っていた矢先の出動で僕らしくないミスをした。人命救助が無事終わってほっとしていたのかもしれない。5分過ぎた辺りで高層ビルから落ちた。死を覚悟した時に飛び込んできたのは青い光。「遅いですよ、虎徹さん」/感動 #同題ssTB

壱子 @borboros

「バニーちゃん重てぇよ」「貴方だっていつも重たいんですよ！たまにはいいじゃないですか」「泣いてるの？バニーちゃん？」「貴方こそ！」ってぐずぐず泣く二人をよそにマリオは『来たーーー！逆姫抱っこだーー！！』って絶叫してる。/感動 #同題ssTB 続きのギャグ

壱子 @borboros

形見に貰った虎徹さんの姿をしたアンドロイド。どうしても起動させる気になれず研究室の片隅がそれの定位置になっていた。ある夏の晩それが僕を呼んだ。バニーちゃんと。日付を見ればいつぞや彼に教わったお盆時期。勿論アンドロイドの電源は入っていなかった。 #夏だしホラーBL考えようぜ

壱子 @borboros

「バニーちゃん、醤油取って」母ちゃんをそう呼んで、しまったと思った時には既に遅かった。横で楓が唐揚げ取り落としている。見開かれた目を細めて醤油を手にした母ちゃんが言った。「で、あんた達いつ結婚するんだい」/バニー #同題ssTB

壱子 @borboros

「今日は8月2日だからバニーの日でもあってハニーの日でもあるんだな…。……まぁどっちもお前の事か…」僕は虎徹さんを抱き締めた。/バニー #同題ssTB

壱子 @borboros

えぇ最近飼い始めたんですけど、なかなか言うこと聞かなくて困ってるんです。あの人と仲良い人全てに噛みつこうとするから手に負えなくて。え？この子の名前ですか？/嫉妬 #同題ssTB

壱子 @borboros

20:00公園のベンチに花束を抱えた青年がいた。その瞳はとても輝いている。あぁ誰か大切な人を待っているのだな。8:00また彼がベンチにいた。持っていた花束は萎れていた。私が隣に座ると彼は立ち上がり歩き出した。やっと彼の時間が動き出したのだと少しほっとした/8:00 #同題ssTB

壱子 @borboros

さぁ審判の時だ。お前を失った時、後にも先にももうお前だけだと誓ったのに。俺はその誓いを破った。どんな罰でも受け入れよう。なぁバニーちゃんネクタイ絞め直してないで手を繋いでくれよ。少し勇気をくれ。重ねた手に２つの指輪が光る。あの坂を登ればお前が眠る場所。/審判 #同題ssTB

壱子 @borboros

「本当お父さんに似ちゃって嫌なんだよね…この目元とかそっくりだし、髪も硬くてさ。でも肌が白いのはお母さん似かな。バーナビーは？お父さん似？お母さん似？」髪を結うために使っていた鏡を向けられて気付いた。そうか彼等はここで存在していたのかと。「どちらにも似てるよ」/鏡 #同題ssTB

壱子 @borboros

かつて輝かしい街だったシュテルンビルト。今や海底に沈んだ都市として観光スポットになっている。潜水艦に乗り込み案内アナウンスを聞き流して思い出を追う。丸い窓からお前の住んでいた場所が見えた。懐かしいな。何もかもここに置いて来ちまった。お前への気持ちも何もかも。/水底 #同題ssTB

壱子 @borboros

話があるからと貴方の家に呼び出された。丁度僕も話がありますと入るなり早々切り出して「じゃあバニーちゃんからどうぞ」と差し出された左手に指輪がはまってない事に気付いた。「虎徹さんの話って…」/フライング #同題ssTB

壱子 @borboros

「バニーちゃんの美味しそう！一口飲ませて」「どうぞ」「いいなぁ、ワイルド君！バーナビー君！私も飲みたい！」「嫌です、僕潔癖なんで。他人が口にしたコップで飲めません」しゅんとなったスカイハイの横で彼はタイガーから返ってきたコップの中身を飲み干した。/トレード #同題ssTB

壱子 @borboros

ハンドルが日差しで熱くなる季節になった。窓を開けてラジオを流すと最近お気に入りのDJの声。「次のリクエストはラジオネームWTファンの運ちゃんさんで『リニアブルーを聴きながら』です」ボリュームを上げる。今日はいい事がありそうだとアクセルを踏んだ。/リニアブルー #同題ssTB

壱子 @borboros

土産にと父から絵本を貰った。タイトルは『TIGER ＆ BUNNY』今シュテルンビルトで人気の虎と兎のヒーローのお話だ。力を無くした虎が兎に助けられ力を取り戻してハッピーエンドという内容だ。ヒーローをしていたという祖父が何故かそれを読んで泣いていた/ハッピーエンド #同題ssTB

壱子 @borboros

彼が縁側に座る。今日は体調いいんですね。水やりを止めて隣に座る。楓ちゃん？何年も前に結婚したでしょう？お義母さんは大往生でしたしお義兄さんも昨年逝きました。いつもの会話をして皺くちゃの手を取って甲にキスをする。バニーちゃんと呼ばれるのもいつもの事。/ハッピーエンド #同題ssTB

壱子 @borboros

視界を遮られた。目を覆う手は少し温かくて、ごつごつとした紛れもなく貴方の手だった。けれど…「折紙先輩」「また当てられてしまったでごさる…」擬態を解いて肩をすくめる姿に笑う。何度やっても無駄ですよ。だってケンゾープールオムの匂いがしないから。/しかい #同題ssTB

壱子 @borboros

風船を抱えています。それはとても不思議な風船で、僕が彼を想うと少しずつ膨らみます。僕はそれが割れないように大切に大切に抱えます。いつパンッと割れてしまわないか不安と闘いながら、それでも捨てられないんです。/パン #同題ssTB