@kmzwhrs氏による「元レンブラント」に関する連続ツイート

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Hiroshi Kumazawa @kmzwhrs

元レンブラント補遺/笑う男と最晩年の自画像を見ると、その筆致の違いにズシリと打ちのめされる。もしかして、ともに「rough」な筆致と、マウリッツからの原稿で書いてあったのかな?あ、これ、「粗い」と訳します。

2012-07-24 23:59:19
Hiroshi Kumazawa @kmzwhrs

元レンブラント/初期の若々しい「粗い」実験的な筆致と比べると、亡くなる年に描かれた自画像(no31)の、帽子やオデコ、頬の筆致のかすれた粗さは、やはり質が違う。笑う男と最晩年自画像を並べるというのは、大きさが違いすぎてアレだけれど、面白いといえば面白い。

2012-07-25 00:02:44
Hiroshi Kumazawa @kmzwhrs

元レンブラント補遺/話が戻ってしまうけれど、老人の肖像(no32)は、保存状態が良い、とカタログに記されているけれど、まさにそのとおり。最晩年の筆跡をガッツリと味わうことができます。帽子→顔→ひげ→白い襟→襟から出てるヒモ→黒い上着→白い袖→手の甲、と、筆致の変化を味わえる。

2012-07-25 00:06:20
Hiroshi Kumazawa @kmzwhrs

元レンブラント補遺/レンブラント・ウォールの左端を飾るのは、「羽飾りのある帽子をかぶる男のトローニー」(no33)。長いよ。これは早くからマウリッツにあって、19世紀には自画像と呼ばれていた。ま、無理やり「似てる!」と言えなくもない。鼻の形は全然レンブラントじゃないけど。

2012-07-25 00:09:26
Hiroshi Kumazawa @kmzwhrs

元レンブラント補遺/羽飾りの帽子のトローニー。これも「レンブラントか?」とかつて疑われたもの。ま、疑われてもしょうがない雰囲気はある。カタログの最終パラグラフでも、そのことを言及してますね。ま、「らしくない」雰囲気はなくはない、かも、しれない、かな?

2012-07-25 00:11:17
Hiroshi Kumazawa @kmzwhrs

元レンブラント補遺/現状ではこの作品、レンブラント作品としてOKになっている。だめだという研究者もいるだろうけど、OKとする人が多いでしょうね。で、この作品についてはアトリビューション問題は、ひとまず置くとして>

2012-07-25 00:12:48
Hiroshi Kumazawa @kmzwhrs

元レンブラント補遺/この作品は、日本人に模写されたことがあります。有名な事例でご存じな方も多かろうが、それは黒田清輝ですね。パリ修業時代に、ハーグにわたって、有名な「テュルプ博士の解剖学講義」を模写しました(この模写は芸大美術館所蔵)。>

2012-07-25 00:14:35
Hiroshi Kumazawa @kmzwhrs

元レンブラント補遺/で、黒田は「テュルプ」を模写した後(http://t.co/WohTxD4i)、再びハーグを訪れて、今度はこのトローニーを模写したわけです(http://t.co/CeeMgMy6)。>>

2012-07-25 00:16:16
Hiroshi Kumazawa @kmzwhrs

元レンブラント補遺/**ここからは展覧会紹介情報ww この「トローニー」の模写は、8月3日からホテルオークラ東京で開催される「アートコレクション展」にて展示されます。→ http://t.co/yHkZug5N

2012-07-25 00:17:56
Hiroshi Kumazawa @kmzwhrs

元レンブラント補遺/黒田にとって、レンブラントの作品はよい「教材」だったようです。でもね、それだけじゃないんだよ~ 詳しくはこちらを(もちろんステマさ!w)→http://t.co/1bVpWAz8

2012-07-25 00:19:18
Hiroshi Kumazawa @kmzwhrs

元レンブラント補遺/もし私が、ホテルオークラの展覧会と何の関係もない素人だとしたら(いや、素人でいいや)、オリジナルが来ててコピーがあったら、そりゃ並べりゃいいじゃん!と思うかもしれない。 いや、というかね、並べてみたかったよ。黒田のことを思うと。

2012-07-25 00:21:19
Hiroshi Kumazawa @kmzwhrs

元レンブラント補遺/でも、実際にはオリジナルとコピーを並べる機会はなかった。残念。だとしたら、目に記憶をやきつけて、両方の会場をご覧いただけるとうれしいかな。あ、勿論、オークラのほうが「よい」ですよ。他にも面白いものいっぱいあるよ。 あ、そいえば、これ以外にも「模写」あります。

2012-07-25 00:23:24
Hiroshi Kumazawa @kmzwhrs

元レンブラント補遺/マウリッツハイスの会場は大混雑、開館直後や閉館間際は作品鑑賞の環境は多少良くなるみたいですね。その時の視覚的記憶を持ちつつ、西美の「元レンブラント」(黄金の兜のことね)やレンブラントを見て、そんでホテルオークラの展覧会に来てもらえると面白いと思いますよ。

2012-07-25 00:25:38
Hiroshi Kumazawa @kmzwhrs

元レンブラント補遺/今回のレンブラント展示は素晴らしいと思います。去年の西美のレンブラント展を思い出しても、日本にはいいのは来ますね。 ただ、マジでレンブラントの醍醐味を見るなら、1630年代の歴史画、夜警、そして1650年代からのパワフルな人物描写を見るとよいと思う。

2012-07-25 00:30:46
Hiroshi Kumazawa @kmzwhrs

元レンブラント補遺/という訳で、もしレンブラントに関心を持たれた方がいるなら、はっきり言って今の時期は、ドクメンタ13→カッセル美術館という黄金コースがあります。1656年の超絶名作「ヨハネの祝福」が、カッセルにある。小さな作品も版画もよいけれど、大きいのもね!!

2012-07-25 00:32:44
Hiroshi Kumazawa @kmzwhrs

元レンブラント補遺/ちなみに、日本人が最初に見たレンブラントは、「テュルプ博士の解剖学講義」である。以上、長々とお付き合いいただきありがとうございました。

2012-07-25 00:35:13
Hiroshi Kumazawa @kmzwhrs

元レンブラント最後/美しく滑らかで静謐なフェルメールが強く求められている今の風潮は、まるで17世紀後半のオランダのよう。その時期にレンブラントはニヤニヤ笑いながら、「おいおい古典主義かよwwww」と愚痴りながら、借金踏み倒しながら、ごつい作品を作っていた訳だ。

2012-07-25 00:37:30
Hiroshi Kumazawa @kmzwhrs

元レンブラント補遺/アンコールを求められた気配があるのできつめのネタを。元レンブラントの表記問題は、日本のオランダ美術史家たちを大いに「当惑」させた。例のオランダ系に強い財団のおかげで。もめた。もめた。いやーもめた。

2012-07-25 00:42:13
Hiroshi Kumazawa @kmzwhrs

「元レンブラント」ネタについてご関心がある方は、日本語では「レンブラントの目」(サイモン・シャーマ)のあとがきなどがよろしいかな。シャーマの立場は、「あれはレンブラントだろう?」

2012-07-25 00:51:11
Hiroshi Kumazawa @kmzwhrs

元レンブラント補遺/欧米の美術館は、レンブラントの作品を貸してくれることがある。勿論マネーは大きいだろう。ただ、京博の「大レンブラント展」は、確かにいろいろあって、だからこそ忘れがたいのだけれど、でも、貸した側からすれば、「次はKunsthalleじゃない所と仕事したい」ようだ

2012-07-25 00:44:43
Hiroshi Kumazawa @kmzwhrs

元レンブラント補遺補遺/京博はKunsthalleじゃないよ。でも、貸した側にそう思われるのは忸怩たるものがある。だからせめて、巡回展だけれど「貸し館」じゃない工夫があるとよかったよね、と思う。率直に言って、展示内容としては次の神戸会場の展開に注目してます。マウリッツ展

2012-07-25 00:47:50
Hiroshi Kumazawa @kmzwhrs

*ちなみに、今度はホテルオークラの芸大コレクション展について。現在展示準備作業が本格化中です。ただ、全部が芸大からじゃなく、半分は芸大、残りは別の所蔵家さんから。ある意味で「妙な」取り合わせです。それだからこそ、面白いといえると思います。

2012-07-25 00:54:28
Hiroshi Kumazawa @kmzwhrs

レンブラントイヤーは2006年にオランダあたりでブームになるほど盛り上がりました。今年の日本は偶然の盛り上がりでしょう。でもせっかくの機会ですから、逃さずご覧いただけるとよいかと! @0_0poseidon

2012-07-25 01:00:33
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