佐藤正美Tweet_20120616_30

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佐藤正美 @satou_masami

ユーザ言語を記号列として演算するなら、それらの記号の「意味」をエンジニアは任意に発明できない。この時、エンジニアに、はっきりしている事は、事業の或る様相、或る事態の「意味」に対し、ユーザの使っている記号を「解釈」する他に応ずる術はない。

2012-06-16 01:17:37
佐藤正美 @satou_masami

ユーザどうしが伝達している「情報」は、命題の形、即ち「主題+条件」の組である。主題が同意されていなければ、「情報」は共有されない。「主題+条件」は、通常、モノ(個体)として表現されるが、それを同意するには個体指示子が導入される。勿論、その記号もユーザの使う記号である。

2012-06-16 01:18:01
佐藤正美 @satou_masami

現実的事態を「論理」で形式化するには、「意味」を把握する強い思考力が条件である。パターンを好むSEたちは、その強度に耐える我慢を厭い早まった便法を使った――構造の上で「意味」を抜きとって置いて、後で頭の中にそれらを集める事を考えた。が、記号とその意味とは、その様な関係にはない。

2012-06-17 23:16:44
佐藤正美 @satou_masami

モデルでは作図というところを演算と云ってもよい。あるいは、証明式とかグラフとか云ってもよい。しかし、意味論は、記号から「意味」を隔離するという様な事ではない。構文論・意味論は、形式的構造に対する言わば外的注釈にすぎない。記号(言語)は、文脈の中で、つねに「意味」を持っている。

2012-06-17 23:17:16
佐藤正美 @satou_masami

私は「モデル」という言葉と「(論理的)形式」という言葉とを、ほとんど同じ意味に使っているが、これは言葉の混同ではないので、それらの一致は、システム・エンジニアの正しい制作の究極として、いつも考えられているのである。

2012-06-18 00:31:04
佐藤正美 @satou_masami

「論理」に即して再編成(形式化)された「現実」という意味を考えてほしい。私の言う「論理」という意味は、その状態にあるのだ。「現実」を制約する「理論」という様なものを私は認めない。「論理」に出入りすればするほど、「現実」に還って来る――妥当な「理論」とは、そうである。

2012-06-18 00:31:29
佐藤正美 @satou_masami

モデルは、「意味」が成立する文脈を顕さなければならない。事業分析において、エンジニアの仕事は、「意味」という陰影の富んだ対象に挑んで、言わば、その伝達を可能にしている「条件」の構造を明らかにする事である。したがって、それは数学(モデル論・証明論)の応用問題なのである。

2012-06-19 02:54:22
佐藤正美 @satou_masami

「概念」は、我々が想像する程に正確なものでも曖昧なものでもない(ウィトゲンシュタイン氏が示した「言語ゲーム」観)。これは、余りに文学的(哲学的?)な言語観だろうか。しかし、ユーザの使う言語(記号)を無定義語と見るのは、余りに数学的な条件ではあるまいか。

2012-06-20 01:53:07
佐藤正美 @satou_masami

私はモデル技術の体系化を今まで試みたが、外国文献を説明する立場で仕事した事は(コッド関係モデルを除いて)二つとない。それは、他人の考えをわかりやすく説明するのは私の柄でなかったためである。私の考えを拡充するために外国文献を読みはするが、西洋の学説を祖述するのは、もう飽きた。

2012-06-23 01:55:40
佐藤正美 @satou_masami

我々はコンピュータに関する西洋の論を学んで来た。西洋に学ばざるを得なかった我が国の特殊な運命はしかたなかったにせよ、今では、日本にもすぐれた研究家たちがいる(例えば、本橋信義氏、田中一之氏)。そういう事を見逃しているから、SEたちは日本人の論文なんてという顔をしているのだろう。

2012-06-23 01:56:17
佐藤正美 @satou_masami

私にとっては、モデルTMは推敲の堆積である。私はモデル論を学び、モデル技術を作り、それを験証する。その技術は時に修正される。そして、それは再び いずれ修正される。実地の事業をモデル化しはじめると、時折、意外な事態と遭遇する。理論を実践して、理論を幾度も工夫して、やり直すのである。

2012-06-25 00:43:58
佐藤正美 @satou_masami

還暦近くになって、私の思考力は些かも落ちていない。モデル論を制作する御蔭で、どうにか生き延びている。

2012-06-26 10:31:53
佐藤正美 @satou_masami

あなたが正確なモデルを作りたいと思ったら、「妥当な」構造を構成するために「『関係』の網羅性」を検証する技術を習得して、「真とされる値」を充足するために「『制約・束縛』の網羅性」を検証する技術を習得するんだよ。これがモデル制作の秘伝だよ。優秀なシステム・エンジニアになる奥の手だよ。

2012-06-26 10:32:20
佐藤正美 @satou_masami

実務経験の少ない若いエンジニアたちが現実的な正確なモデルを制作することがあるが、べつに彼等が突出した才識を持っているからではなく、「論理」の規則に遵った結果なのである。しかし、そのモデルを観た古参は心穏やかではないのであろう。次の様に言ったそうだ──「理論的すぎる」とw。

2012-06-27 15:01:22
佐藤正美 @satou_masami

他人を非難する時に、一番やっきになって非難している箇所は、それによって(非難している)当人が不利益を蒙る点なのであろう──「(TMは)null にこだわりすぎる」「一意のキーを使わないのであれば使い物にならない」等々。あなたが非難する他人の欠点は、きっと、良い事を教えてくれるョ。

2012-06-28 16:08:02
佐藤正美 @satou_masami

私はモデルTMの中に私の辿った道がどういうものであるかを示し、そこに私の思考を展(ひろ)げただけである。私の狙いは、モデルを正しく制作するために従わなければならない規則を指導するのではないのであって、ただ単に、どういうやりかたで私は事業構造を知ろうと努めたかを示しただけである。

2012-06-29 00:55:23
佐藤正美 @satou_masami

モデルTMは、ただ一つの試論として、或いはお望みなら一つの物語として展覧に供するのだから、読者はそこに一人のエンジニアが「論理」をどのように使っているかという実例も見られるだろうし、また倣(なら)わぬほうが正しいかもしれない実例も見られるだろう。私は「論理」に頼っただけである。

2012-06-30 03:12:23