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冒頭のVTR
<ナレーション> ファッション・デザイナー、コシノヒロコさんが語る、今月の「仕事学のすすめ」。最終回のテーマは「人材教育論」です。現在コシノさんは洋服をデザインする会社と、製造・販売する会社の二つの経営にかかわっています。
2012-06-30 13:28:38<ナレーション> この二つの会社のスタッフを、コシノさんは独特の方法で教育しています。そのために重視しているのが現場。デザイン会社のスタッフには、職種にかかわらずコシノさんの店に行くことを勧めます。また服を売る販売員にはコシノさんのコンセプトをしっかり伝えることを重視しています。
2012-06-30 13:31:56<ナレーション> 1年に1回全国の販売員を集めて、コシノさんが語る表彰式。確実な売り上げにつながる秘訣がありました。今日は周囲を元気にし、挑戦する気概を生み出す、コシノ流教育論です。
2012-06-30 13:36:17ここから本編です
<ナレーション> コシノ流教育論その1はスタッフの教育です。コシノさんが社長を務めるデザイン会社のスタッフは、デザイナーや布地の担当など総勢39人。コシノさんはすべてのスタッフに、お客のことを知るため店舗に行くことを勧めています。
2012-06-30 13:49:12<ナレーション> コシノさんの洋服を売る店は、全国の有名デパートを中心に250店あります。この日はデザイナーの菅野さんが都内の店舗にやってきました。今年の春夏物に展開した、メキシコをイメージしたカラフルな色。この色合いが、どうお客に受け止められているのかを知るのが目的です。
2012-06-30 13:52:36菅野:やはりコレクションのデザインですと、雲の上の企画というものも出てきてしまうんですね。例えば私どもでメキシコというテーマでカラフルなものを打ち出して、こういったものが主軸のカラーだと思っていたんが。例えばお客様の方ではこういったモノトーン系を好まれることもあるんですね。
2012-06-30 14:04:35菅野:なのでやっぱり、こういうものを打ち出しながらも、常にこういったベーシックな色というのも…こういうかなりカラフルな企画でも、やっぱり必要なんだなということを…常にスタッフに言っていくことは大切だなと思っております。
2012-06-30 14:08:19コシノ:私は最初プレタポルテで10店舗ぐらいから始めたんですけど、自分で出ていって売りました。私は自分の作品は自分が売るのが一番いい、そして自分が着るのが一番似合うと思っているんです。つまり社員というよりデザイナーの子たちが、本当に着る人の気持ちがわかってやっているのか。
2012-06-30 14:15:40コシノ:ただ単に自分のアイデアの面白いのをぶつけてないか。それだけでは心の通ったものを作ることはできない。どんなに面白いものでも、どんなにアーティスティックでかっこいいものでもマーケットというものがあって。そのマーケットに対して確実にアジャストメントできなければ価値がないんです。
2012-06-30 14:19:28コシノ:自分のデザインを「これはかっこいいから売れるよ」なんて思っているのは、まったくの絵空事で。(店に)行ってみて、どんな人たちが買っているのか。またそういう人たちにはどうすれば喜んでもらって、うまく着こなしてもらえるのかを見るべきですよ。
2012-06-30 14:22:51<ナレーション> コシノさんのデザイン会社では、スタッフが店舗で感じたことを社内で共有する仕組みを作っています。デザイナーの菅野さんは店舗から帰ると、さっそくレポートを作成します。「カラーは明るい色が動き出しているとのこと。ブルー系・白系の動きがいい」
2012-06-30 14:29:56<ナレーション> こうしたレポートは社内のイントラネットに掲載され、誰でも読めるようになっています。 他のスタッフのレポートにも、お客の反応が書かれています。こうしたレポートを通じ、スタッフはお客がどんな商品を望んでいるのかを真剣に考えるようになります。
2012-06-30 14:31:59コシノ:何が売れたかとか、どういうものが売れなかったということを、確かにFA(販売員)の人たちは言いますね。なぜ売れなかったかということも、彼らの意見をちゃんと聞いて。売れない理由っていうのはタイムリーに納めることができなかったとか、サイズが変に大きかったとかいろいろある。
2012-06-30 14:38:19コシノ:ただ、みんなが気になるのは、このデザインが良くなかったから売れなかったんじゃないかということ。デザインだけの問題じゃないですよ、モノが売れるっていうのは。
2012-06-30 14:41:01コシノ:いくらいいデザインをしても、売れないものは売れないんですよ。本当に着る人の気持ちが通じるようなもの、そして今欲しいものは何だろうか。ファッションですからね。いまから先に進んでもダメなんですよ。遅れてたらもちろんダメなんですよ。
2012-06-30 14:45:05コシノ:その辺の部分をどういうふうにマーケットというかビジネスの場で、役に立つ商品であるかも見てくる。つまり、いわゆるデザイナーであったとしても、マーケッター的な要素があってデザイナーをできなければ、最終的には成功じゃないです。
2012-06-30 14:49:55