- zinc_shiro
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ゆるゆりは、あかりみたいな友達が欲しいと思っている京子の夢だった。京子は寝たきりの女の子で、友達のいないとてもおとなしい女の子だった。頭をぶつけて人格が変わった京子が、実は本当の京子の人格だったのだ。 #何かを受信
2012-07-11 00:25:17「中学校に通えたら、ごらく部っていうのを作りたいなあ。仲良しの娘同士でだらだらしたりする部活」「そうだね、できるといいね」
2012-07-11 01:14:26たまに京子にはあかりが見えている時があるんだ。結局、それって京子の脳の中で生まれた幻想なんだけど、病院のみんなはやさしいから、話を合わせてくれる。「そっかー、あかりちゃんはうっかりさんなんだね」「うんうん、私ならそんな失敗しないから」「そっか、京子ちゃんはえらいね」「…えへへ」
2012-07-11 01:16:14「あら、京子ちゃん、絵うまいのね?」「これがあかりで、これが結衣、でこれがミラクるんそっくりのちなつちゃんで、これが私ね。この4人がごらく部のメンバーなんだー」「そうなんだ。よかったわね」
2012-07-11 01:22:17ある日、病院に京子が絵に描いたそっくりの少女が現れる。「あかりちゃん!」「え? なんで私の名前知ってるの…?」「え、いや、先生に前きいたことあるっていうか…ごめんなさい」「そうなんだ。じゃーね」
2012-07-11 01:28:24京子はドキドキした。でも京子はゆるゆりの世界での自分と、今の自分を比べてしまって、あかりに声がかけられなかったんだ。ホントのあかりってどんな子なんだろう、なんで病院に現れたんだろう…。京子の脳は、ぐるぐる巡る。
2012-07-11 01:30:03結局それから、実在のあかりが現れることはなかった。何かの検査でたまたま病院にきただけなのだろう。でも、京子は気になっていた。いつか…本当にごらく部は作ることができるんじゃないか? 私さえ良くなれば、メンバーは全員集まるんじゃないか? 今までサボりがちだったリハビリも再開して…
2012-07-11 01:31:55脳の症状からきている半身不随。血流の不具合により、一気に昏睡状態にまで陥ってしまった。両親が呼ばれる。「持って明日の朝まででしょう」両親の疲れた顔には、あきらめの色が濃かった。
2012-07-11 01:34:09聞けば、どうやら同年代の少女で心臓の移植待ちをしている娘がいるという。両親は「その子のためになるのなら」と、京子の心臓の摘出移植に同意した。
2012-07-11 01:36:07「あかりね、中学校に入ったらごらく部っていうの作ってみようかなって思ってるんだ」「ごらく部?」「なんか、いろいろ楽しいことするの。今まで病院で辛いことばかりだったから、しばらくは楽しいこといっぱいやりたいなーって」「そう…そうだね。心臓をくれた京子ちゃんも、きっとそう思ってるよ」
2012-07-11 01:39:03