大華真伝～哀歌（エレジィ）～　第二章「草原でセーターを編むのは貴方？」

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大華真伝～哀歌（エレジィ）～　第二章「草原でセーターを編むのは貴方？」　　第一章は「薔薇で綴るウェルカム」でした #tai-el

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疾風怒涛の勢いで還狗へ進軍した治東軍。そこで見たものは、百万頭の羊を引き連れた還狗の大軍勢でした。「羊引けえ！」軍勢の先頭に立つアルマスが、差し出された羊一頭を丸ごと飲み込みます。ﾊﾞﾘﾊﾞﾘﾑｼｬﾑｼｬﾊﾞｷﾊﾞｷペッ。吐き出したのは美しい口編みのセーターです。 #tai-el

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『アイラブバガン』と刺繍された編みたてのセーターを着たバガンは勇気百倍。「我ら夫婦の前に立ちはだかった者はァ」「死あるのみ！」羊と馬群が治東軍を取り囲みます。大ピンチです！「お待ちください、父上、母上！」そこへ飛びだしてきたのは跡取り息子のショールガです。 #tai-el

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「こんなやり方は非道です！幾ら泰華の者といえど、焚卓将軍は正々堂々と勝負を…」「ええい、煩い！まだセーターも編めない小僧が生意気な口を叩くでないわァ！」ドスン！アルマスに突き飛ばされたショールガは草の上に転がります。そこに焚卓がそっと手を差し伸べました… #tai-el

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ﾄﾞｷｰﾝ！しかしショールガはうっかり息子に設定したので焚卓の手を振り払います。「敵の助けなどいらない！」「私はせめて、心優しい君ぐらいは助けたいと思ったのだ…」焚卓の台詞を聞いた還狗軍は、一斉に大笑いしました。「助けるゥ！？この状況で何言ってやがんだ！ﾊﾊﾊ！」 #tai-el

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「笑っていろ、蛮族ども。龍閃を欠いたところで治東軍は泰華最強だと証明してやろう」ゲドウが髪を風になびかせて進み出ました。口元には不適な笑み。歴戦の勇士であるバガンは、そのとき直感で不穏な気配を察知しました「まさか…！？」「ああ、そのまさかだ」ﾊﾟﾁｰﾝ（指ﾊﾟﾁﾝ #tai-el

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ZOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOM!!!!!!!!!!!!! #tai-el

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なんと地面に仕掛けられた爆薬が一斉に爆発しました。汚い綺麗なゲドウ汚い。羊も馬も木端微塵です。「き、貴様…！」アルマスはさすがに無事です。真っ黒焦げの姿で、ずしんずしんと寄ってきて、ゲドウに熱いハグをお見舞いしました。ﾒｷﾒｷ…ﾎﾞｷﾎﾞｷ… #tai-el

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「ゲドウを離せ！」れいりんが勇ましくアルマスに斬りかかりました。しかし刃が届くより早く、アルマスはゲドウを抱いたまま地面に倒れました。「ゲドウ！」焚卓が慌てて駆け寄りますが、……残念ながら、すでにゲドウはこと切れておりました…。 #tai-el

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地面には最後に速攻で書いたらしく、達者な文字で「焚卓様すき」と刻んであります。ゲドウ、今まで一言もそんな、好きとか言ったことなかったのに！焚卓が唇を噛んでうつむくと、マグナが焚卓の頭に乗っかりました。ズシィ「悲シイノカ焚卓」焚卓は無言で首を振ります #tai-el

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「よくも母上を！」ショールガが焚卓を鬼のような形相でにらみました。「憎ければ…私を憎め。私個人を」焚卓はそれでも泰華が大切です。「どうして戦いはなくならないのだろうな…」呟いた焚卓の許へ、女装美少年れいりんが駆け寄りました「焚卓様ぁ！ﾊﾜﾜ大変ですぅ、天鱗がー！」 #tai-el