大華真伝~哀歌(エレジィ)~ 第三章「ラクダは外に置いてきた」
焚卓はフェアリーマグナを頭に乗せて、首都天鱗へ舞い戻りました。城門はすぐそこです。急いでいる焚卓は、護衛の兵を置いて真っ先に城門へ突っ込みました。城門周りに不審なラクダがたむろしていることにも気付きません。「オイ、焚卓…」マグナが注意を呼びかけたときです。 #taiel
2010-07-06 23:04:15危ない!焚卓の馬の前に眼鏡の小学生が飛び出してきました!キキー!馬の蹄が滑り、城門に激突。焚卓、華麗に着地。「おい、大丈夫か!」「大丈夫じゃないよぉー!計算通りだよぉー!」大きな帽子で目元が隠れた小学生は、口元でにやりと笑います。その後ろに巨大な影が立ち上がりました #taiel
2010-07-06 23:10:12「気ヲツケロ、焚卓!」マグナが叫びます。「お前まさか…ラクダ暗殺隊隊長・コキョウ!」「ああそうさ。のこのこ舞い戻ってきたのが運の尽きだ、死ね!」身長3mの大男が襲いかかります。大男の一撃で城門が粉砕され、焚卓の部下はあっという間に生き埋めになってしまいました #taiel
2010-07-06 23:14:58大男は暴れるのを止めません。半ズボンの小学生にも襲いかかります。「やめろ、ヌイ!戻れ!」「!?この大男がコキョウでは…」「ち、違うんだよぉ!本当は僕がコキョウでこっちの大きいのがヌイなんだよぉ!」泣いているコキョウにパンチが降り注ぎます。 #taiel
2010-07-06 23:19:46しかしどうしたことでしょう。ヌイの動きが止まりました。「ヌイ……どうしたの?」「オレ オマエ トモダチ」コキョウの付けているヨカ先生のリボンがヌイの記憶を刺激し、蘇らせたようです。「お前たち…暗殺なんて止めて、国へ帰れ」焚卓はそっと2人を鍼羊へ送り出しました #taiel
2010-07-06 23:23:16「くそっくそっよくも!焚卓め!」怒ったのはヨカ先生です。地団駄踏んで物陰から暗殺隊の失敗を見ています。「貴方の悪事はお見通しですう!」背後から声。かくしん将軍です!「焚卓の未来は私が守りますぅ…そして鍼羊の未来も!」閉じていたかくしん将軍の目が今、見開かれました! #taiel
2010-07-06 23:28:41「舐めるなかくしん!貴様が未来を見通すならば、私は過去を操る魔女!!」ヨカ先生の第三の目が開きます カッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!! そんでもってドオオオオオオオオオオオオオオオオオオン!!!!!! #taiel
2010-07-06 23:33:23何が起こったか端的に申し上げますと、邪眼同士のぶつかり合いで天鱗は壊滅的被害を受けました。しかし泰華に侵入していたスパイとアサシンとスナイパーは見事にやっつけられたのです。瓦礫から身を起こした焚卓は、夕日の中に佇む夏融を見つけました。「陛下…」 #taiel
2010-07-06 23:36:17