四の舟×黒羽根Pによるスケッチブックラリー小説~みなもん姉になるの巻~

お姉ごっこ。みなもんが姉で根岸ちゃんが弟というシチュのラリー。
0
四の舟(よつのふね) @YOTSUnoFUNE

@KurobaneP 「おにい! 今日は私がおねえになるから、おにいは今日一日弟ね!」 居間のソファでマンガを読んでいた俺に、みなもはそんなことを言った。

2012-07-14 22:17:17
焼き鳥P @Yakitori_P

@YOTSUnoFUNE 「…は?」みなもは一カ月に一回ぐらいの割合で、こんな突拍子もない事を言い出す。まだ小学生だった頃は中学校の制服を着たがって着せてやったこともあった。しかし今度の事は一体どういう事なんだろうか。

2012-07-14 22:19:27
四の舟(よつのふね) @YOTSUnoFUNE

@KurobaneP 「…なんでお前が姉になるんだ?」「なんかね~、男友達にお姉さんがいる子がいるんだけど、その子の話を聞いていたら、お姉さんになってみたいなーって思ってさ~」 みなもはすごくいい笑顔でそんなことを言った。「というわけで、おにい、まずは私を『お姉』ってよんで☆」

2012-07-14 22:22:31
焼き鳥P @Yakitori_P

@YOTSUnoFUNE 「なんでその呼び方なんだよ」「だって、私いつもお兄のことお兄って呼んでるでしょ?もしお兄が女の子だったらきっとお姉って呼ぶと思うんだ。だからそう呼んで?」「いやその理屈はおかしい」

2012-07-14 22:23:48
四の舟(よつのふね) @YOTSUnoFUNE

@KurobaneP 「理屈もなにもないの!さあ、早くお姉って呼んで!」両こぶしを握り締めて言う。…くっそ、一瞬かわいいと思ったじゃねえか。 まあ、どのみち暇だ。みなもの遊びにも付き合ってやるのも悪くはないだろう。「わーったよ。呼べばいいんだろ?」「うん!」向日葵のような笑顔だ・

2012-07-14 22:26:21
焼き鳥P @Yakitori_P

@YOTSUnoFUNE 「お…お姉」「……!!」ぱあっと、ヒマワリの花が満開になったかのような笑顔がみなもに花開く。この笑顔を見るのも、悪くない。こうして俺は今日一日、小さな姉の弟になってみた。

2012-07-14 22:29:07
四の舟(よつのふね) @YOTSUnoFUNE

@KurobaneP 俺がみなもを「お姉」と呼んで数分。みなもは頬を真っ赤に染めて居間を駆けまわってた。「…なあ、あれから十分経ったんだが…」みなもは足を止めて俺に振り向く。「…いやぁ、なんだかさ。『お姉』って呼ばれるのって初めてだから、ちょっと新感覚…?」 なんだこいつは。

2012-07-14 22:32:59
焼き鳥P @Yakitori_P

@YOTSUnoFUNE 「ま、まあいいや。とにかく始めるよ!」「…始めるっつったってどうすりゃいいんだよみな…お姉。」「んーっとね……そうだ、犬男に餌やっといて、大ちゃん」俺は座っていたソファからずり落ちそうになった。

2012-07-14 22:34:46
四の舟(よつのふね) @YOTSUnoFUNE

@KurobaneP 「大ちゃんって、誰だよ?」「いまは私がお姉なんだから、おにいは弟だもん。だから、大ちゃん」「大ちゃん…」「……大ちゃんどうしたの?そんなに身もだえて」「……なんつーかこう、新感覚…?」「…おにい、なんか変だね~」 お前に言われたくはねえ。

2012-07-14 22:36:57
焼き鳥P @Yakitori_P

@YOTSUnoFUNE 「へいへい、犬男に餌やっときますよっと」とはいえ、この仕事は交代でやっているし元々今日は俺の当番の日だから対してかわった感じはしない。 「わふっ」「…なあ、犬男。何だか知らんけど俺弟になっちまったよ」「わふ?」「意味分かんねえだろ」「わふ」

2012-07-14 22:38:45
四の舟(よつのふね) @YOTSUnoFUNE

@KurobaneP 「み…お姉。犬男に餌をやったよ~」 …なんだろう。なかなか不思議な感覚だ。みなもは俺に対していつもこう言っているのか…。「んで、お姉。その格好はなんだ?ハタキ持って三角巾付けて」「今日は私がお姉だから、大ちゃんの部屋をお掃除してあげるの!」「ふ~ん…」

2012-07-14 22:43:57
焼き鳥P @Yakitori_P

@YOTSUnoFUNE 「って、何勝手に人の部屋掃除しようとしてるんだよみな…じゃなかったお姉!!」「えー、良いじゃない私はお姉なんだから。それとも大ちゃんはお姉に見られたら困るものでも部屋に隠してたりするの?」「ぐ、ぐぐ……」

2012-07-14 22:45:24
四の舟(よつのふね) @YOTSUnoFUNE

@KurobaneP 俺だって健康優良男子高校生だ。家族に見られたら困るものの一つや二つくらいある。なんとしても阻止せねば… 「じゃあ、お掃除お掃除~」みなもは階段を上ろうとする。「お姉」「なぁに大ちゃん? 止めても無駄だよ~」「じゃあ、俺もお姉の部屋の掃除をしようじゃないか?」

2012-07-14 22:48:30
焼き鳥P @Yakitori_P

@YOTSUnoFUNE 「え?良いの?」「…ありゃ?」肩透かしを食らった気分だ。てっきり慌てて止めるのかとも思ったんだが。「うんうん、大ちゃんもお掃除してくれるんだ。これぞ姉弟って感じだね~」「…むむむ」まずい、完全に逆効果だったようだ

2012-07-14 22:50:19
四の舟(よつのふね) @YOTSUnoFUNE

@KurobaneP …こうなったら仕方がない奥の手だ。これを言うのは、兄として、恥ずかしさの極みなのだが…「お姉!」「ん~? お掃除やめろって言うんなら、無駄だよ~ カーペットの下からベッドの下からタンスの裏まで掃除しちゃうから~」…こいつ、なんで知ってんだ 「み、耳掃除!」

2012-07-14 22:55:42
焼き鳥P @Yakitori_P

@YOTSUnoFUNE 「え?」「い、いやその……最近してなかったから、してほしいなー、なんて、その……」 自分で言ってて凄く恥ずかしいが、背は腹に代えられない。色々溜めこんだものをみなもに見られるわけにはいかないのだ。

2012-07-14 22:57:21
四の舟(よつのふね) @YOTSUnoFUNE

@KurobaneP 「耳掃除…」「部屋の掃除もいいけど、たまにはみ…お姉の耳掃除もしてもらいたいなぁ~ ダメかな、お姉?」 あえてかがみこんで、上目遣いで言ってみる。もうやけくそだ。しかしそれほどまでにして護らないといけないのだ!「いいよ!耳掃除したげる」 …ロックンロールッ!

2012-07-14 23:00:25
焼き鳥P @Yakitori_P

@YOTSUnoFUNE 「えーっと、耳かきどこだっけ…あ、大ちゃんは綿棒派だったっけ?」「あ、どっちでもいいよお姉。」「んー、どこにしまったかなあ……」まずここまで行くのは最低条件だ。問題はここからどうするか、なんだよな。

2012-07-14 23:03:34
四の舟(よつのふね) @YOTSUnoFUNE

@KurobaneP 「あっ、そういえば俺が前に使って部屋に持っていったから、取ってくるわ~」俺は一目散に自分の部屋へと駆けこんで『恥ずかしくて見せられないモノ』を押し入れの天井裏に隠しいれた。ここなら、みなもの手も届かない。そして、部屋にある耳かきを持って、俺は部屋を後にした。

2012-07-14 23:06:57
焼き鳥P @Yakitori_P

@YOTSUnoFUNE 「お姉、持ってきたぞ。」「遅かったね大ちゃん。それじゃあはじめよっか、ほら横になって。」そう言うとみなもは正座して腿を軽くぽんぽんとたたいた。

2012-07-14 23:09:16
四の舟(よつのふね) @YOTSUnoFUNE

@KurobaneP みなものふとももの上に頭を乗せるとは。みなもはほりほりと耳かきで俺の耳掃除をしている。部屋のお宝本は隠しておいたしふうと一息ついた。「…大ちゃん、耳掃除どうかな?」「…んーもう少し強くしてもいいよーお姉ー」 そして、みなもの耳かきは意外と気持ちがいい。

2012-07-14 23:16:36
焼き鳥P @Yakitori_P

@YOTSUnoFUNE 「それにしても、耳掃除してほしいって言うなんて大ちゃんは甘えんぼさんだねえ。」「……ぐぬ」「あ、動かないで大ちゃん、今おっきいのが見えた。」「へいへい…」ある意味屈辱的でもある姿勢なのだが、それ以上に気持ちが良くて困る。

2012-07-14 23:18:55
四の舟(よつのふね) @YOTSUnoFUNE

@KurobaneP 「…なんかいいなー、こういうの」「なにがだ?」「私が大ちゃんのお姉だったら、こういう風に耳かきするのかなって。なんか、姉って、不思議な感覚なんだ~」「…それを言うなら、俺だって弟なんて初めての立場だぞ」「でもいいね。姉ってのも」「まあ、弟ってのも悪くない」

2012-07-14 23:22:05
焼き鳥P @Yakitori_P

@YOTSUnoFUNE 「ん~、よし、それじゃ次は逆の耳ね。」「へーい」俺は一旦起き上がり、体勢を変えた。「もう、大ちゃん几帳面ね。向きかえるんなら寝がえりうてばいいのに。」「……できるかよ」

2012-07-14 23:24:29
四の舟(よつのふね) @YOTSUnoFUNE

@KurobaneP 「あっ、わかった。大ちゃん、お姉のナイスバディに照れてんだ。かわいいな~」「……早く掃除してよ、お姉」「……」「ちょっ、まっ、いてっ、耳かきを強くし過ぎるな!!」「…いつか、大ちゃんが見惚れるくらいのナイスバディになってやるんだから…」「あ~むりだいてぇ!」

2012-07-14 23:27:15