越中万葉2

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北日本新聞社出版部 @bookskitanippon

【今日の越中万葉0717-3】ひぐらしの鳴きぬる時は女郎花咲きたる野辺を行きつつ見べし /秦〔はだの〕八千島〔やちしま〕 #ecchumanyo_3951 #date_0717

2012-07-17 16:30:51
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【メモ・0717-3】8月7日の宴会で #ecchumanyo_3950 を受けて詠まれました。この一首で、座の空気がふわっと転換されたようです。女郎花には越中の女性を重ねているようです。 #ecchumanyo_3951 #date_0717

2012-07-17 16:32:18
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【メモ・0717-3-2】秦八千島の肩書きは大目〔だいさかん〕。国司の四等官に当たります 。姓〔かばね〕は忌寸〔いみき〕で、この姓は渡来系や国造〔くにのみやつこ〕の氏族に与えられていました。なかなかの詠み手ですよね。 #ecchumanyo_3951 #date_0717

2012-07-17 16:59:23
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【今日の越中万葉0717-4】/詞書=鵜〔う〕を潜〔かづ〕くる人を見て作れる歌一首 /婦負川〔めひがは〕の早き瀬ごとに篝〔かがり〕さし八十伴〔やそとも〕の緒〔を〕は鵜川立ちけり /大伴家持 #ecchumanyo_4023 #date_0717

2012-07-17 17:23:59
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【メモ・0717-4】婦負川はいまの神通川。家持の巡行に合わせ、鵜飼が行われたのでしょうか。現在長良川で見られるような、鵜飼の川が作られたという歌です。八十伴の緒とは朝廷の官人を言いますが、ここでは地元の郡司たちでしょう。 #ecchumanyo_4023 #date_0717

2012-07-17 17:24:43
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【今日の越中万葉0717-5】東風〔あゆ〕を疾〔いた〕み奈呉〔なご〕の浦廻〔うらみ〕に寄する波いや千重〔ちへ〕しきに恋ひ渡るかも /左注=右の一首は、京〔みやこ〕の丹比〔たぢひ〕の家に贈れり /大伴家持 #ecchumanyo_4213 #date_0717

2012-07-17 17:34:04
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【メモ・0717-5】東風〔あゆ〕は、日本海沿岸ではあいの風とも言い、海の方から吹く春の風、疾〔いた〕むは風が激しく吹くこと。京の丹比家には大伴家から嫁いだ女性がおり、その女性への思いを風が起こす波に重ねて詠んでいます。 #ecchumanyo_4213 #date_0717

2012-07-17 17:35:49
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【今日の越中万葉0718-1】詞書=古歌一首(大原高安真人の作)年月審らかならず。ただ聞きし時のままここに記す/妹が家に伊久里〔いくり〕の森の藤の花今来む春も常如比〔かく〕し見む/左注=右の一首、伝え誦めるは僧玄勝これなり #ecchumanyo_3952 #date_0718

2012-07-18 11:04:52
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【メモ・0718-1】8月7日の宴会の歌。大原高安真人とは高安王〔たかやすのおおきみ・生年未詳〜742〕。万葉集には3首あります。僧玄勝は地元国分寺の僧とも。越中の井栗〔いくり〕の地名が詠まれた歌を紹介したのでしょう。 #ecchumanyo_3952 #date_0718

2012-07-18 11:06:48
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【今日の越中万葉0718-2】詞書=守大伴宿袮家持の館にして飲宴〔うたげ〕せる歌一首、四月二十六日 /都辺〔みやこへ〕に立つ日近づく飽〔あ〕くまでに相見て行かな恋ふる日多けむ /大伴家持 #ecchumanyo_3999 #date_0718

2012-07-18 11:07:26
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【メモ・0718-2】税帳使に出立する家持の送別会が4月26日池主宅でありました。これは次会での歌。家持の館で詠んでいます。数カ月の出張ですが、当時は道中何が起るか分からず、外国に旅立つような気持ちだったかもしれないですね。 #ecchumanyo_3999 #date_0718

2012-07-18 11:08:42
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【今日の越中万葉0718-3】わが背子は玉にもがもなほととぎす声にあへ貫〔ぬ〕き手に纏〔ぬ〕きて行かむ/ 大伴家持 /左注=右は、大伴宿袮家持、掾大伴宿袮池主に贈れり(四月三十日) #ecchumanyo_4007 #date_0718

2012-07-18 11:15:15
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【メモ・0718-3】税帳使に立つ直前に詠んだ家持の歌。池主を恋人に見立て、玉であってほしい、ほととぎすの声と一緒に緒に通して、手に巻き付けて旅に出ようと言っています。先行する3990番の短歌にも似た表現が。ご参考までに。 #ecchumanyo_4007 #date_0718

2012-07-18 11:16:12
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【今日の越中万葉0718-4】玉桙〔たまぼこ〕の道の神たち幣〔まひ〕はせむあが思ふ君をなつかしみせよ/ 大伴池主 #ecchumanyo_4009 #date_0718

2012-07-18 11:22:51
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【メモ・0718-4】4月30日の家持の歌に5月2日池主が返した歌です。玉桙は旅人の安全を守るため辻などに立てた桙状のお守り。幣は神への供え物です。あが=わが。家持の旅が無事であるよう心配りせよと、道祖神に命じています。 #ecchumanyo_4009 #date_0718

2012-07-18 11:24:00
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【今日の越中万葉0718-5】矢形尾〔やかたを〕の真白の鷹を屋戸〔やど〕に据〔す〕ゑてかき撫で見つつ飼〔か〕はくし好〔よ〕しも /大伴家持 #ecchumanyo_4155 #date_0718

2012-07-18 11:28:41
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【メモ・0718-5】家持は鷹狩を好みました。越中万葉には、家持が飼っていた鷹がいなくなり歎き悲しむ歌もあります。ここでは鷹を家の中で飼って撫でたりするのは楽しいと歌っています。いつの世もペットは可愛いものなのですね。 #ecchumanyo_4155 #date_0718

2012-07-18 11:30:09
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【今日の越中万葉0719-1】なかなかに死なば安けむ君が目を見ず久〔ひさ〕ならばすべなかるべし /平群氏女郎 #ecchumanyo_3934 #date_0719

2012-07-19 11:37:57
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【メモ・0719-1】越中にいる家持に平群氏女郎〔へぐりうじのいらつめ〕が贈った歌です。「なかなかに」とはどっちつかずの中途半端な状態をいう副詞。こんなことならいっそ死ねば心は安らかなのでしょう、と女郎は訴えているようです。 #ecchumanyo_3934 #date_0719

2012-07-19 11:38:25
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【今日の越中万葉0719-2】真幸〔まさき〕くと言ひてしものを白雲に立ちたなびくと聞けば悲しも /大伴家持 #ecchumanyo_3958 #date_0719

2012-07-19 11:38:45
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【メモ・0719-2】家持が越中に赴任した年の9月、弟・書持〔ふみもち〕が亡くなります。この歌は9月25日に詠まれました。達者でと言った弟が白雲になってたなびいているとは、と強く嘆いています。 #ecchumanyo_3958 #date_0719

2012-07-19 11:38:59
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【今日の越中万葉0719-3】うら恋しわが背の君は石竹花が花にもがもな朝な朝な見む/ 大伴池主 #ecchumanyo_4010 #date_0719

2012-07-19 11:39:09
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【メモ・0719-3】4月30日の家持の歌 #ecchumanyo_4007 に対して、5月2日に池主が返した短歌の2首目です。恋歌になぞらえて、あなたがなでしこであったら、毎朝毎朝見られるのに、と言っています。 #ecchumanyo_4010 #date_0719

2012-07-19 11:39:23
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【今日の越中万葉0719-4】東風〔あゆのかぜ〕いたく吹くらし奈呉〔なご〕の海人〔あま〕の釣する小舟〔おぶね〕漕ぎ隠る見ゆ /大伴家持 #ecchumanyo_4017 #date_0719

2012-07-19 11:39:36
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【メモ・0719-4】天平20年(748)正月29日(陽暦3月3日頃)、国府(現在の富山県高岡市伏木地区)周辺を散策しながら詠んだ歌です。春風が強く吹き漁師の漕ぐ釣舟が波間に隠れるのが見えるようです。 #ecchumanyo_4017 #date_0719

2012-07-19 11:39:49