#僕の廃墟体験記　（ゾンビサバイバル、体験記風まとめ。）

@n_kano_mywords

今日のn_kano：【戦闘】ゾンビ化した親を安らかに眠らせてほしいという少女に出会う。了承して戦うなら５のダメージ、お礼に拾った治療薬（ゾンビ化しつつある者を元に戻す。使い捨て）をくれる。 http://t.co/3KNpFNeE ＃ゾンビサバイバル

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【３日め】 HP100/食料97　駆け込んだ先は中流家庭の一軒家だった。パステルカラーの柔らかい色合いのしっくいの壁に赤みがかったうすい屋根。一見平穏なそこにも、よくみると所々、壁に縦に大きく入った傷や、ひびわれたあとが…生々しい。　 ＃ゾンビサバイバル　＃僕の廃墟体験記

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ドアを叩くと、中から声が聞こえた。不思議な声の人だなと思った。どちらかというと返事ではなくて、ゾンビの呻きのように聞こえたからだ。しかし、まだその時は、中にいるのは人間だと思っていた。なぜなら、ゾンビの住家にしてはあまりにも「小綺麗すぎる」。　＃僕の廃墟体験記 ＃ゾンビサバイバル

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通常、ゾンビは、生きていたときより強い生存本能（というのも皮肉だが）を遺し、それ以外の中枢神経はすべて破壊される、と言われる。だから、理性をやられたあとのゾンビは、壁を壊して行き来し、食料があれば奪い合い、人間すらみさかいなく食いはじめる。　＃ゾンビサバイバル ＃僕の廃墟体験記

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そう、だからこの家は、ゾンビがいるにしては整いすぎたのだ。一向に住人が出てこないので、僕はドアノブに手をかけた、…が鍵が掛かっていた。その時、後ろから短い悲鳴が聞こえた。振り返ると、「ちょ…」小柄な少女が不審者を見る目で僕を睨んだ。 ＃ゾンビサバイバル ＃僕の廃墟体験記

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「そこ、私ん家」少女は中学生ぐらいだろうか。もっと幼いかもしれないし、もしかしたら成人してるかもしれない、僕は女の子の年齢をあてるのは苦手だ。さておき、彼女は僕をこそ泥かなんかと勘違いしたようである…いや、実際こそ泥みたいなものかもしれないが　＃ゾンビサバイバル ＃僕の廃墟体験記

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大袈裟な身振り手振りを交え、僕は少女に身の潔白を証明しようとした。「僕は、別に怪しいものでは…」から始まる一連のフレーズに、少女はもちろん怪訝な顔をしつづけた。「だから何？」警察手帳のようなものがあればいいけれど、あいにく僕は一般人。 ＃ゾンビサバイバル ＃僕の廃墟体験記

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「僕は…」「証明できないでしょ」僕は慌てて叫んだ。「しょうめ…免許証見せますから！」と財布から差し出すと、少女は「へ？」といった顔をした。そして、僕の免許証を一瞥するなり、吹き出した。僕は戸惑ったが、たしかにこの状況で言うのは変かもしるない。 ＃ゾンビサバイバル ＃僕の廃墟体験記

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「免許…っ証…なにこれぶっさ…」少女は嘲笑しながら吐き捨てる、でも眼はさきほどと違って優しくなっていた。「ちが…それは、髪切りすぎたときのやっ…！」「小５にこんなんみせる大人ってはじめてみたぁ」呆れるような少女。 ＃ゾンビサバイバル ＃僕の廃墟体験記

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「でも、まーわるいひとじゃないのは、わかった。」「あ、ありがとう！」身長は僕のほうがずっと高いのに、視線は上からふってくるように感じる。でもなぜか、嫌な感じじゃない。「うん、愚直で頭まわらそー、だから大して悪いこと思いつかなそーだなーって。」　＃ゾンビサバイバル ＃僕の廃墟体験記

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今時の小学生はうすら恐ろしいものだと思いつつも、ふぅ、と一息なでおろすと、ドアのうち側から遠い呻きが聞こえた。はっと思い出して、振り返って少女に言う。「君んちの人、さっき僕がノックして返事したきり、全然でてくる気配がないんだけど…」 ＃ゾンビサバイバル ＃僕の廃墟体験記

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「ああ…」少女は俯いてつぶやく。「むしろ出で来る気配があっちゃまずいんだよ。」「どういうこと？お父さんお母さんとかじゃないの？」僕が膝を曲げて尋ねる。少女は言いにくそうに、「そうだよ。そうだけど…」そして顔をあげて、つづける。「中みてみる？」 ＃ゾンビサバイバル ＃僕の廃墟体験記

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一見、矛盾しているような話だったが、しかし、語る少女の眼は本気だった。彼女の言葉が嘘であるはずがない。『だとすると』…僕の脳裏に最悪な結果が過ぎる。つまり、彼女の親は。 ＃ゾンビサバイバル ＃僕の廃墟体験記

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いやとは言えない空気だと感じたのは気のせいかもしれない。「うん。」と答えた僕を、予想外というふうに眼を真ん丸くして見上げる少女。よほどのチキンだと思われていたのだな…。「いいの？」再度頷いた、これが野郎だったらしないだろうな、と思ったが。 ＃ゾンビサバイバル ＃僕の廃墟体験記

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ドアを開けた少女に促され、中に入ってあたりを見回す。極めて秩序が保たれて＝それまでの暮らしが想起される適度に華美でない生活臭のある空間。レースのカーテンのしたにピアノでもありそうだなと思ったら、実際電子ピアノが埋まっていたような。　#ゾンビサバイバル #僕の廃墟体験記

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「誰もいないね…？」「うん、あっち」「食糧庫？」「うん、冷蔵庫に埋めといた」極めて不自然な会話がなされるまま、僕は少女にそそのかされて狭いキッチンにむかう。まるでお化け屋敷の気分である。一つ違うのは、本当に『襲われる可能性がある』ことだった。　#ゾンビサバイバル　#僕の廃墟体験記

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キッチンの冷蔵庫の中、少女は僕に目視で確認を取った後あけたそれは、中にある、板等が取り外され、ほぼ空洞で、いや二人のゾンビたちだけが詰め込まれていた。縄でぐるぐる巻きにされた状態で。　#ゾンビサバイバル　#僕の廃墟体験記

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「ね、でしょ」諦めたような顔でいう少女。「ご両親…？」「「だったもの」　なの」どこかできいたようなセリフだ。僕の目に、洗面台わきに置いてある筒が目に入った。ああ、あれは、治療薬じゃないか…　#ゾンビサバイバル　#僕の廃墟体験記

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間に合わなかったのか…。「うん、２本探すの大変でさ、やっとみつけて…で一本無駄にしちゃった。」僕の独り言が聞こえてしまったらしい。肩をすくめてはにかんだように笑っう少女。表情筋の使い方が間違ってる…案外ショックな時ってこうなのかもしれない。　#ゾンビサバイバル　＃僕の廃墟体験記

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「どうすればいいかな…どうしようもないよね。」と独り言にしては大きすぎる声で自分をたしなめるようにいってから、彼らにむかってお休みなさいといってドアを閉めようとする少女。僕はその手首をつかんだ。「ん？独り言、聞こえちゃった？」振り向く少女。　＃ゾンビサバイバル　＃僕の廃墟体験記

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「だって、どうしようもないじゃんねぇ。」いい方がわざとらしい。「でも…。」「じゃあ、なんとかできる？」「……」「自然死を待つにしてもさ、もう彼ら死なないんだよね、食べ物なくてもさ。」よく見ると冷蔵庫の床には齧りかけのりんご、が転がっていた。　＃ゾンビサバイバル　＃僕の廃墟体験記

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「だから、このままでいいんだー。」扉を閉めようと少女が力を入れたのが掴んでる僕にも伝わる。僕も負けじと力を加えて止めようとする。「痛い、ちょ…、離して！」僕はなぜか手を離せなかった。　　#ゾンビサバイバル　#僕の廃墟体験記

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彼らがこのままでも、少女がずっとこの家に縛られてひっそりと朽ちようが、僕には全く関係ないのに、関係ないのに、このままで彼らをいさせてはならない様な気がした。…なんでだろう、僕が僕じゃないみたいだ。そんな内省を一瞬した、その時、　#ゾンビサバイバル　#僕の廃墟体験記

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その時、冷蔵庫のゾンビたちが一声うめきあうと、通常の人間がキスをする部分で――頭部はわずかに動かせたので――彼らは互いの頭部を噛みちぎり合った。その様子を…　人間としての最低限の理性さえ失ってしまうという確認したくない事実を確認して、僕らは…　＃ゾンビサバイバル　＃僕の廃墟体験記

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僕らは怖れおののく以前に　茫然とした。　手の力が自然に抜けたので、無造作に開かれた冷凍庫の扉、その反動で、ぐるぐるに撒かれた二人のゾンビの束が、床に倒れ込んできた。彼らはお構いなしに、互いの頭部を破壊し合っている。　…もはや理解できないよ。　　#ゾンビサバイバル　#僕の廃墟体験記