今夜起こった事をありのまま話すぜ… 帰り道、私は駅までの地下道を音楽を聴きながら歩いていました。3日程前から風邪をひいていた上、残業続きだったせいで若干疲れていました。ラッシュはとっくに過ぎていたけれど地下はそこそこ混んでいて、私はぼんやりと人の流れにのって歩いていたのです。
2010-07-09 00:54:12ふと、進行方向壁際にあったトイレから男性がふらりと出て来るのが見えました。高齢でおじいちゃんだったと思います。顔はよく思い出せない。杖をついていて、ふらり、ふらり、と歩み出しては止まり、人を眺めていました。
2010-07-09 00:57:35様子は妙でしたが具合が悪いようではなかったので、私もそのまま老人の方向へ歩いて行ったのですが、すれ違う瞬間背中を どん と押されました。ぶつかった、肩が当たったなどではなく、べったりと手の平の感触があり、明らかに私を狙って 押した という衝撃でした。しかもなかなかに強い力でした。
2010-07-09 01:00:41その瞬間、背中から腕にかけてぞわっと鳥肌がたち、なんとも言い難い嫌な気持ち(まずいぞ、という感じ)になったのと同時に、今振り向いてはいけないという直感が湧いて、私は歩き続けました。5メートルほど進んで、ようやく後ろを振り返ったのです。
2010-07-09 01:02:39視界の中に老人はいませんでした。人に紛れて見えないのかと少し探してみましたが見当たらずなんだか恐ろしいままでしたが、きっと何かのはずみでよろけて私に手をついて、そのまま反対方向に歩いて行ったのだろうと思う事にしました。
2010-07-09 01:05:32嫌な風に思ったのは疲れているからで、早く帰って眠ってしまおうと思いなおし、改札をくぐりホームに降りて本数も少なくなって来た地下鉄が来るのを並んで待っていました。私の前にはサラリーマンの3人連れと、後ろに女性。その他も色々な人が乗車口で列を作り、私はメールの返信を打っていました。
2010-07-09 01:06:57音楽を聴いていたので周りの話し声などはあまり聞こえませんでしたが、電車のアナウンスがあり、電車がホームに着いてドアが開くのを確認した瞬間
2010-07-09 01:07:38驚いて顔をあげた時、見えたのは老人の杖と手でした。到着した電車から降りる人、乗る人の流れに関係なく、私の真横にあの老人が立って私をさっきよりずっと強い力で押したのです。老人は私をじっと見ていました。顔はどうしても思い出せない…。けれど、無表情でした。
2010-07-09 01:08:31私はあの老人だと気づいた瞬間に走っていました。人の流れを逆走気味に、エスカレーターに乗ろうとした瞬間、階段に変えてとにかく全力で走りました。靴のヒールは高くて転ばないか怖かったけれど、それより何より追いつかれるのが怖かった。
2010-07-09 01:09:27改札を入ったのがICカードだったので、出ようとした時ひっかかりました。すぐ駅員さんに事情を話して(動揺していたので「変な人、いるんです!怖くて、出たいんです!」みたいにしか言えなかった)解除してもらって、「大丈夫ですか?」って聞いてくれる駅員さんに謝りながらまた走りました。
2010-07-09 01:11:37階段を駆け上っている時、背後でキンコーンキンコーンと人がひっかかる音がずっと続いていましたが、戻って確かめる勇気はありませんでした。
2010-07-09 01:12:42追いかけられた理由 仮説1/「そのツラが 気に食わん」(決闘説) 仮説2/「ばあさんの若い頃にそっくりじゃ」(ロマンス説) 仮説3/「勇者よ今こそ旅立つ時じゃ」(夢と冒険説)
2010-07-09 01:19:57