俺得ゾンビサバイバル【10日目】

なかのひとにらぶこめにしろっておどされました。 いちゃいちゃしやがって爆発しろまじで <9日目 http://togetter.com/li/340161 続きを読む
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@falco_of_choco

「…」無言で十字を切る。そのまま部屋を出ようと思ったが、少し考え、男に向き直る。何か役に立つものを持っているかもしれない。「悪い」一言かけて、上着をあさる。内ポケットに硬い感触。#ゾンサバ

2012-07-22 00:13:15
@falco_of_choco

「鍵…か」鍵についているタグにはシェルターと書いてある。「すまない、もらっていく」この男も、誰かに役立てられるのなら喜ぶだろう。まだ10分ほどだが、収穫はあった。一度戻ろう。#ゾンサバ

2012-07-22 00:13:28
@falco_of_choco

休憩室の扉を開けると、ナツミが不機嫌そうに睨んできた。「どこ行ってたの」「あ、あぁ。早く目が覚めたから少し探索を」「…なんで一人で行ったの?」「その、みんなよく寝たたから…」「待ってればいいじゃない。一人で行くのは許さない」なんでだ?なんでこんなに怒ってるんだ?#ゾンサバ

2012-07-22 00:13:43
@falco_of_choco

「…一人でいったら、もしもの時どうするの?助けられないし、無事であったとしても合流できないじゃない。…みんなで脱出するって、約束したのに」…そっか。そういうことか。「悪かったよ」また、頭をなでる。「…次やったら、置いてく」隠そうとしてるが、少し涙目になっているナツミ。#ゾンサバ

2012-07-22 00:13:56
@falco_of_choco

一度出た涙が止まらないようで、くしくしと目を擦りだすナツミ。その間ずっと頭に手を載せておく。年少二人が寝ぼけながら起き出して来る気配がする。トレイズは多分起きてる。#ゾンサバ

2012-07-22 00:14:09
@falco_of_choco

「んにゅ…ラフ君、みんな起きてるよ。起きよ?」半分寝ながら隣の少年を揺すって起こすノーラ。ナツミは急いで平静を装って、顔を上げる。目はちょっと赤いけど。「ご飯にしようか」大したものは、無いけれど。#ゾンサバ

2012-07-22 00:14:21
@falco_of_choco

「それで、これがさっき見つけたものだ」食事がてら、情報交換をしておく。「なにそれ、鍵?」ナツミがちょっと見せて、と手を伸ばしてくる。「シェルターの鍵、らしい。心当たりはあるか?」ナツミの手に鍵を乗せながら、ラフィールに問いかける。「いや、ないよ…」「ん、そうか」#ゾンサバ

2012-07-22 00:14:33
@falco_of_choco

「ふぅん…なら、建物の外なんじゃない?ま、おっさんが持ってなよ」ぽい、と鍵を放り投げてきたので、受け止めて、上着にしまう。「んじゃ、一休みしたら今日の探索をはじめようか」「パックのおじさん…見つかるといいね」表面上はあくまで気軽に、ナツミが呟く。#ゾンサバ

2012-07-22 00:14:45
@falco_of_choco

昨日パックと別れたところ、途中までしか開かない扉の所まで来てから、みんなに確認する。「昨日のゾンビがまだいるかもしれない。気配があったら注意しろ。午前中に見つからなかったら、仕方ない。諦める。そして、離れすぎるな。絶対一人になるな」#ゾンサバ

2012-07-22 00:14:57
@falco_of_choco

ちらりとナツミに目をやる。ナツミはそっぽを向いている。…まぁ、いいか。「とりあえず、あっちにもあるよ、と言っていた抜け道を教えてもらえるか?」「お、おう。こっちだ」ラフィールを先頭にして周囲に気を配りながら歩く。ノーラは俺が背負っている。#ゾンサバ

2012-07-22 00:15:12
@falco_of_choco

十分ほど歩いただろうか。「結構、長いね」ナツミが一言漏らす。「客に見せないところだしな。隙間を縫って作ってるんだろう」「いうなればここは迷宮<ラビュリントス>。決して逸れてはいけない」閉じ込められているんのは半獣ではなく、ゾンビ、だけどな…。#ゾンサバ

2012-07-22 00:15:40
@falco_of_choco

さらに歩くこと二十分。屋上までたどり着いた。「いない…ね」ナツミががっかりしたように言う。「まぁ、途中分かれ道はたくさんあったしな。どっかで篭ってるんだと思うぜ」「じゃあ、分かれ道にも気をつけながら、もう一回辿ってみるか」みんなは黙って頷く。#ゾンサバ

2012-07-22 00:15:52
@falco_of_choco

二週目、先頭をトレイズに交替。分岐先の小部屋を覗く。「…む?」「いたの!?」ナツミが飛びつく。「パックではない。が…子供だ」トレイズが体を引き、道を空けたので小部屋の中へ入ると、ノーラたちよりさらに小さい子どもが苦しそうにうめき声を上げていた。#ゾンサバ

2012-07-22 00:16:05
@falco_of_choco

「まだ、子どもが居たのか…」それに比べ大人たちは…。「放っておけない、な」蹲る男の子へ声をかけようと近づく。「あの、私にお話、させてください」背中のノーラが声を上げる。「多分、わたしもラフ君に出会わなきゃ、ああなってたと思うから…」「そう、か。わかった」#ゾンサバ

2012-07-22 00:16:17
@falco_of_choco

背中から降ろすとノーラは、足をもたつかせながら男の子の隣に歩み寄る。「きっと、いままでつらいことがたくさんあっただろうし、これからもあると思う。でも、もう、ひとりじゃないから。みんな、助けてくれるから」#ゾンサバ

2012-07-22 00:16:41
@falco_of_choco

「わかるよ。わたしも、そうだったもん。ううん、私の方がひどかったかも。目は見えないし、足は動かない。ラフ君が居なかったら、ほんとどうなってたことか…」周りのみんなは静かに聞き入っている。聞こえるのはノーラの話し声と男の子のうめき声だけ。#ゾンサバ

2012-07-22 00:16:54
@falco_of_choco

「だから、いっしょにいこう?大丈夫、みんないいひとだよ」霞む瞳で手を差し出す少女。すると男の子が泣き止み、差し出された手をつかむ。そして顔を上げた。その顔を覗き込むと…。「…っ!逃げろ!ゾンビだ!」「…えっ?」呆然としたまま、抗えもせず噛まれるノーラ。#ゾンサバ

2012-07-22 00:17:06
@falco_of_choco

「くそ…っ!この!」背の低いゾンビを蹴り飛ばし、ノーラから引き剥がす。そしてノーラを抱きかかえる。「ノーラ!大丈夫か!」「ん、うぅ…ん」既に異常な体温上昇が始まり、体が不自然に痙攣している。ゾンビ化が速い…っ!#ゾンサバ

2012-07-22 00:17:16
@falco_of_choco

「みんな!逃げろ!ここはもうだめだ!」どこからか、他のゾンビのうめき声も聞こえ始めた。「で、でも!ノーラが…!」ラフィールが涙目で訴える。「手遅れだ!諦めろ!」蹴り飛ばしたゾンビも、起き上がってこちらを向いている。急がないとまずい!#ゾンサバ

2012-07-22 00:17:29
@falco_of_choco

「ノーラちゃ…ん…」尚もノーラに手を伸ばすナツミ。「無理だ!」「でも!」あくまでも食い下がる。ナツミの手を強引に引っ張って出口へ向かう。「…助けたいと思ってるのは、みんな同じだ…!」前を走るラフィール、トレイズからも時々嗚咽が漏れている。#ゾンサバ

2012-07-22 00:17:40
@falco_of_choco

「みんな…どうして…?」朦朧とした意識で、焦点の合わない瞳で。逃げ出す仲間達の背中を追いかける少女は、誰にも聞こえない呟きを漏らす。「わたしも…つれてってよ…」昨日の敵は、今日の友、とでも言うべきか。応えてくれるのはもうすぐ彼女も同じになる、意識の無い化物たちだけ。#ゾンサバ

2012-07-22 00:17:54
@falco_of_choco

【ナツミ】おっさんに手をつかまれ、デパートの外まで出る。「手、離して」「…悪い」体には掴まれていた痕が赤々と刻まれていた。これはおっさんが私を助けてくれた証。そして私がノーラちゃんを助けられなかった証。#ゾンサバ

2012-07-22 00:18:04
@falco_of_choco

「悪かった。でも…」おっさんが何やら釈明しようとしている。「いいよ。どう見ても、正しかったのはおっさんだし。…しかた、なかった。しかたがなかったんだ」強く拳を握り締める。掴まれていた痕が熱い。#ゾンサバ

2012-07-22 00:18:17
@falco_of_choco

「…なんだあれ」ラフィール君が空を指差す。それはヘリコプター。おそらく、最初の脱出者。「やはり、必要なものを揃えれば脱出できるんだ…!」決意と共に拳の握り締めるおっさん。「ノーラちゃんは、もう逃げ出せないけど、ね」一瞬で空気が凍りつく。「…ナツミ」#ゾンサバ

2012-07-22 00:18:29
@falco_of_choco

「わかってるよ。あれは仕方なかったし、脱出できると確信が持てたのはいい知らせだよ。わかってはいるんだよ」目から貴重な水分が零れ落ちる。声も震えて、いつものように喋れない。「でも…そんなにすぐ、割り切れないよ…!」#ゾンサバ

2012-07-22 00:18:39