濱口竜介（@hamryu）による河井青葉さんについての呟き

濱口竜介 @hamryu

東京着。高速バスでツイートを、と思ってたら、すっかり寝てしまいました。バスの中で役者って何だろうとうつらうつら考えたりしました。昨日の撮影はとてもよかったんですね。キャメラの前に立ってくれたのは役者さんではなかったですが。それは僕にとっては台詞って何だろうということと近いです。

濱口竜介 @hamryu

初めていわゆる「プロ」の役者さんとお仕事したのは、『記憶の香り』という映画で、でした。それまでは、それこそ友人のいい顔をしている人とか、ENBUゼミで演技の勉強をしている（した）人との仕事と言うか、共同作業だったわけです。

濱口竜介 @hamryu

『記憶の香り』では、それまでの映画製作とは違って、勝手が分からないところもありつつ、驚くことが多かったです。特に吃驚したのが『PASSION』『永遠に君を愛す』にも出演していただく河井青葉さんでした。何と言うか、こんな台詞を言っても成立するのなだ、という驚きでした。

濱口竜介 @hamryu

それは役者というものの不思議かも知れませんし、映画というものの懐の深さなのかも知れませんが、誰でもそれが起こるというわけではないですから、河井さんにはやはり何かあるんだろうな、と思ってます。バスの中でうつらうつらと考えていたのは、河井さんは「気取り」がないなあ、ということです。

濱口竜介 @hamryu

はっきり意識していたわけではないですが結局、何度も自分の作品を見返す中で、本当にキャメラやマイクというのは率直なものだなあ、と感じます。「気取り」があれば、そうした「気取り」のトーンは写し取られてしまう。そして、それは必ずしも現場だけで取り除けるものではない、という気もします。

濱口竜介 @hamryu

役者さんの人生は少なからず現場に持ち込まれざるを得ません。その人がそれまで生きて来た時間と、現場で過ごす時間では圧倒的に後者の方が短いでしょうから。それはもしかしたら制作体制や、「演技力」とか「演出力」の問題として解決し得るのかも知れませんが、現実としてその問題に我々は直面します

濱口竜介 @hamryu

そう言えば、普段から河井さんは気取りがないなあ、と思ったりします。今でも人並みに「女優さん」と話すとなれば緊張もするんですが、友人だから、とかそういう理由でなしに河井さんには人の緊張を解くようなところがある気がします。それは河井さんに天賦のものだとも思います。

濱口竜介 @hamryu

ここ数年、自作には出演いただいてないですが、色々な作品で拝見するたびに相変わらず驚きます。最近だったら塩田明彦監督の『約束』http://t.co/Zh7Rx4jk 伊藤丈紘監督の『MORE』http://t.co/P1vpYJNH でも河井さんの佇まいに吃驚しました。

拡大

濱口竜介 @hamryu

河井さんは今本当にすごい女優さんになってるなあと思っています。何とかまたお仕事する機会をいただけたらと個人的には思いつつ、皆様には進化の過程を見るつもりで今回の上映（『PASSION』は7/30,8/4,『永遠に君を愛す』『記憶の香り』は8/8）にお越しいただけたらと思います。

濱口竜介 @hamryu

ちなみにこの「ライト兄弟」にも驚きました。http://t.co/uWbnJUjq 長くなりましたが、今晩も呟きます。初心に戻って３〜５ツイートぐらいで。新作の報が飛び込んで来たあの方について呟きたいと思いつつ、それだとまた長くなるかもしれません。そうしたら失礼。

拡大