「百年の憂鬱」発刊記念/著者・伏見憲明インタビュー

7/27(金)から3日間、新刊『百年の憂鬱』発刊記念として著者の伏見憲明さんにTwitterでインタビューを行ないます。本の詳細は→http://bit.ly/MJFqQT です。(中の人・編集担当高橋)
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伏見憲明 @fushiminoriaki

.@potpub 7) ふつうの男性、女性作家では書けないような深度で恋愛を描こうと試みました。文句があるならこれだけパンツを下げてみろ!みたいな(笑)。いつものように、ゲイの小説だから…という表層的な批評で処理されてしまったら残念ですけど。 #100nen

2012-07-28 20:57:12
ポット出版 @potpub

.@fushiminoriaki 質問8)本文中に「元来、私小説家ともいうべき私には、自分にとって切実な問題意識こそがすべて」とありますが、義明が伏見さんの分身だとしたら、この小説を書いた「切実な問題意識」とは何でしょうか。 #100nen

2012-07-28 20:58:17
伏見憲明 @fushiminoriaki

.@potpub 8)近代に入って「色」と「生殖」の領域から「恋愛」が分離して、60年代以降、「恋愛/結婚」と「セックス」の間に線が引かれるようになり、0年代になると、「性愛」から「パートナーシップ」すら離陸することになった。その狭間にある軋みを描く必要があった。 #100nen

2012-07-28 20:58:51
ポット出版 @potpub

.@fushiminoriaki 質問9)『百年の憂鬱』を読み、この小説は若者の恋愛の業と、中年の恋愛の業のぶつかり合い、そしてどんなに痛みを受けても恋に捕まってしまう人間のどうしようもなさをリアルに描いた作品だと感じました。(続く) #100nen

2012-07-28 20:59:41
ポット出版 @potpub

.@fushiminoriaki 質問9続き)また、それを冷たく突き放して第三者の視点から見ている伏見さんの視点を感じました。実体験を基にした私小説ではあるものの、それを喜悲劇におとしこんでいる、というか。執筆の際に自らに課していたことなどはありますか? #100nen

2012-07-28 21:00:15
伏見憲明 @fushiminoriaki

.@potpub 9) 自分を容赦なく描き切る、ということはぼくが小説に向かい合う上でのこだわりです。他者を描くというよりは、他者との関係、視線を通じて自分を立体的に浮き立たせてみる、というのが方法論といえば方法論。 #100nen

2012-07-28 21:00:46
ポット出版 @potpub

@fushiminoriaki 質問10)中年の恋の狡さ/狡猾さが容赦なく描写されます。書くときに気にされていたことなどありますか。 #100nen

2012-07-28 21:01:32
伏見憲明 @fushiminoriaki

.@potpub 10) 自分を素直に表現しようと思ったことだけです(笑)。 #100nen

2012-07-28 21:01:58
ポット出版 @potpub

.@fushiminoriaki 質問11)本を読み、あらためて「恋」とは人間を狂わせる不可思議で強烈な病、業なのだと感じました。伏見さんは「恋」という感情をどのようなものだとお考えですか。 #100nen

2012-07-28 21:02:32
伏見憲明 @fushiminoriaki

.@potpub 11) 「恋」が降ってくると人生はイレギュラーな展開を強いられるので、とんでもなく厄介だけど、やはりそれは血湧き肉踊る体験。「恋」は、小さくまとまりかけていた自分をもう一回打ち壊し、掘り起こして再生させる起爆力になります。 祭りのエナジー。#100nen

2012-07-28 21:02:56
ポット出版 @potpub

.@fushiminoriaki 質問12)19歳の学生と四半世紀離れた50歳近い中年男性、そして昭和20年代新宿でゲイバーをやっていた99歳の老人。若さと老いを両極におき、一方とは明日のつながる糧とし、(続く) #100nen

2012-07-28 21:03:24
ポット出版 @potpub

.@fushiminoriaki 質問12続き)もう一方は自分の明日をみることにつながる…なんとも皮肉な設定だと感じました。99歳のゲイの老翁はこの物語においてのもうひとりの主役ですね? #100nen

2012-07-28 21:03:36
伏見憲明 @fushiminoriaki

.@potpub 12) この物語は、同性愛を肯定しようがなかった過去を生きた高齢ゲイと、自分を肯定する思想を獲得することに試行錯誤した中年ゲイ、そして、すでに自分を受け入れる言葉が流通していた状況に生まれた若者ゲイの、三世代を描いています。 #100nen

2012-07-28 21:03:59
ポット出版 @potpub

.@fushiminoriaki 伏見さん、そしてインタビューを読んでいただいた皆さまありがとうございました。最後に宣伝を。本の詳細は→http://t.co/PBiMrtoy を。amazonでは既に発売中です。→http://t.co/kaxezBDD #100nen

2012-07-28 21:04:19
ポット出版 @potpub

.@fushiminoriaki こんばんは。ポット出版です。一昨日から本日までの3日間、新刊『百年の憂鬱』発刊記念として著者の伏見憲明さんにTwitterでインタビューを行なっています。本の詳細は→http://t.co/PBiMrtoy です。(編集担当高橋) #100nen

2012-07-29 20:59:44
ポット出版 @potpub

.@fushiminoriaki 昨日までのインタビューの模様は→http://t.co/gVN4Od9R をご参照ください。それでは、さっそくですがインタビューに移らせていただきたいと思います。伏見さん、よろしくお願いします。 #100nen

2012-07-29 21:00:00
ポット出版 @potpub

.@fushiminoriaki 質問13)中年である義明の「負けるわけにはいかない」という心内文にはとてもリアリティがありました。滑稽さもあり、痛ましさもあり、そして図々しさもある。義明にとって「負けるわけにはいかない」というのはどういう意味だったのでしょう? #100nen

2012-07-29 21:01:29
伏見憲明 @fushiminoriaki

.@potpub 13) ジェンダー差が差し挟まらない、主体的な男同士の恋愛は、緩衝地帯のない丸腰の関係。年齢差は年上を必ずしも有利にはしないし、若さのアドヴァンテージもある。だから、対等だけど自我が剥き出しの勝負になるはずで、負けるわけにはいかない!(笑) #100nen

2012-07-29 21:01:58
ポット出版 @potpub

@fushiminoriaki 質問14)中年だからこその恋、それは若い時代の恋と違いますよね? 性欲というより恋欲というようなものを感じましたが。 #100nen

2012-07-29 21:02:46
伏見憲明 @fushiminoriaki

.@potpub 14) 中年だって性欲はある!(笑) でもセックスよりは恋愛のほうが獲得するのが難しく、愛される経験はお金では買えないので、 「これが人生で最期の恋かも…」という焦りが相手への執着を深めます。中年の恋は加齢嗅のようにまとわりつく。 #100nen

2012-07-29 21:03:23
ポット出版 @potpub

.@fushiminoriaki 質問15)男性同士の恋愛だからこそ残酷、そこに生きてきた人生の長さの違いもまた二人の関係を容赦ないものにしていく。その描かれ方が、男と女の恋愛物語とは違う深みを漂わせています。男と男の恋愛、きついですね(笑)。どうでしょう? #100nen

2012-07-29 21:04:15
伏見憲明 @fushiminoriaki

.@potpub 15) 男と男の恋がキツいのではなく、ジェンダー差が言い訳にならず、主体的な人間同士の関係のほうが均衡点を探るのが難しい、ということ。ジェンダーは抑圧にも作用したけど、役割を分配することで個体同士の緊張をやわらげる機能もあった。 #100nen

2012-07-29 21:04:37
ポット出版 @potpub

.@fushiminoriaki 質問16)また男同士だからできる恋愛、恋もあるのかもしれません。どうですか? #100nen

2012-07-29 21:05:13
伏見憲明 @fushiminoriaki

.@potpub 16) 男同士の関係の固有性などどうでもよく、問題は、人と人との対等性はいかに実現可能かという点。対等って簡単なことではなく、ジェンダー差が縮小されてきたからこそ、それが困難なバランスである現実が浮き彫りになってきたのではないか。 #100nen

2012-07-29 21:05:47
ポット出版 @potpub

.@fushiminoriaki 質問17)どんな人にこの『百年の憂鬱』を読んでもらいたいですか? #100nen

2012-07-29 21:06:15