ひぅ:ゾンビサバイバル纏め
4)変わってんな、御前。後ろで呟いた同行者の声は無視して(ごーすととの戦いを説明出来る筈が無い)、食糧を手に振り向く。彼は眉を顰めて男女の死体を凝視していた。ボクより年上だけど、キミだって子供の癖に。一寸ムッとしたけど視線の先が気になってボクも倣う。彼は死体の指に注目していた。
2012-09-09 12:52:105)死体は薬指に指輪をしていた。男も女もおんなじ指輪で、銀色に光ってるからシルバーリング、ってやつだ。嵌め込まれた石が陽に反射してキラキラ目立ってて、その光はこの現場にまったく似合ってなかった。「……」しばらく無言だった彼が口を開く。「愛し合ってても、こうなるんだな」首を傾げた。
2012-09-09 12:52:256)ボクは、ボクより弟が生きればいいと思ったから、みんなそうだって云う気は無いけど……でも、生きたいって欲求自体は本能とか、呪いとか、多分それと似てるから。「好きでも、生きたかったなら仕方ないよ」なんとなしに云えば、彼はボクの方を見て、息を吐いた。言葉を呑み込む代わりみたいに。
2012-09-09 12:52:527)彼がそうする理由は、ボクにはよく解らなかった。 // 【HP:90→90】【FOOD:86→90】【ITEM:死亡フラグを連発する男】
2012-09-09 12:53:03今日のひぅ:【戦闘】足の遅いゾンビが襲ってきた! だが、攻撃してもその歩みはなかなか止まらない! じわじわと追い詰められる! 4のダメージ! 食糧:-3 http://t.co/Zz0HfjL
2012-09-21 21:54:501)「石! そこらにでかい石無いか!?」「投げたって止まらないよゾンビだよ!?」「いいから貸せ! 野球部エースの肩を舐めんな!」「おー! 当たっ、……」彼の投げたボール大の石は、確かにゾンビに当たりはしたけど、怒ったゾンビが咆哮を挙げたせいで仲間が寄ってきてしまった。何してんだ。
2012-09-21 21:55:192)まあ、仲間が増えたって云っても、多分このまま逃げ切れるだろうと思うから。ボクはあんまり問題視していなかった。“ぎゅーほの歩み”とでも云うのか、牛さんみたいにのろのろしてるゾンビの群れ。欲を出して倒しちゃおうって思ったせいで仲間が増えちゃったけど、それでも対応出来る範囲だ。
2012-09-21 22:01:104)「うおおおおぉぉぉ!?」ドンガラガッシャングシャ! 漫画みたいなイイ音と、漫画みたいな悲鳴がが後ろからした。振り向けば彼はいなかった。代わりに口を大きく開けたマンホール。「あー……」落ちたな。あれは。 ゾンビの姿はまだ遠かったから立ち止まって覗き込む。おお、生きてる生きてる。
2012-09-21 22:06:155)「ねー、上がれるー?」「あー……」すぐは無理、と彼は云う。下にはゴミ(もしかしたらプラス死体)が沢山詰み上がっていて、それがクッションになったらしいけど、同時に障害物にもなってるようで。目線を戻せば、ゾンビは確りとこっちに向かって歩いてきてた。上がる前に追いつかれる。
2012-09-21 22:08:266)「捨ててけ。生きろよ」「うん。キミもね」お互いにピシッと片手を上げる。口にはしない“また後で”を交わして、ボクは一人で駆けだした。ゾンビはボクより音に反応したのかマンホールを覗きこんでいる。 不幸体質な彼だけど、なんだかんだで悪運強そうだし、あんまり心配だとは思わなかった。
2012-09-21 22:11:257)途中で食糧庫を見つけて、御飯をちょっぴり頂いて。 ボクはまた身軽になった。 // 【HP:90→90】【FOOD:90→87→89】(えんやさんから食糧+2)
2012-09-21 22:15:34