- horror_taiken
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@horror_taiken 25.若干の恐怖は覚えたものの歩みは止まらず、ついには準備室の引き戸の前まで来ていました。 少し間を置いて引き戸に手を掛けた瞬間
2012-08-04 01:32:35@horror_taiken 26.不意に、強く肩を掴まれました。 驚いて振り返ると、不機嫌な顔をした先生が立っていました。 「ここで何をしているの?」丁寧ではありましたが、強い怒りを含んだ声で問われました。
2012-08-04 01:38:01@horror_taiken 27.誤魔化しても仕方ないと思い、御手洗いに行く為抜け出したこと、噂話に聞いた赤い光を見たこと、それを確かめるべく準備室に近づいたことを白状しました。 当然といいましょうか、信じてもらえず、先生に促されるままにもう一度振り返ると、灯りは消えていました
2012-08-04 01:46:10@horror_taiken 28.念のため中を確認しましたが、準備室に異常はなにひとつなく、何かが燃えた跡すらありません。 翌日に反省文を書くことを約束させられ、その日はそのまま御手洗い前に残してきた同級生と合流し、早々に体育館に戻り眠ることにしました。
2012-08-04 01:50:49@horror_taiken 29.明けて、朝食のテーブルにて、夜に赤い部屋を見たこと、確かめる直前に先生に止められ失敗に終わったことを話しました。 ところが、御手洗いへ連れ立った彼女は訝しむのです。 あの場所では僕以外に誰も遭っていないはずだ、と。
2012-08-04 01:56:39@horror_taiken 30.それどころか、僕を止めた先生のことは、誰に聞いても知らないらしく、これまた問われて気付いたのですが、僕自身も彼のことを知らないのです。 状況的に考えれば校舎には僕たち生徒と先生方以外に誰もいないはずですし、彼を先生だと思ったのもそれゆえにです。
2012-08-04 02:00:32@horror_taiken 31.しかし、何度確かめても彼を知る者はおらず、挙句、最後に撮影した集合写真にも彼の姿はありませんでした。 一体、彼は何者だったのでしょうか。 真相は今でもわかりません。 了
2012-08-04 02:02:39