福岡会場、エネルギー・環境の選択肢（原発比率）に関わる意見聴取会 2012/08/04

意見表明2

：　原発比率0シナリオ
（事前提出、意見概要より）

福島のような災害を経験した後で、直接放射能で死亡した人間はいないなどと言う電力会社の社員の発言には驚くばかりである。

政府は「次代に負担を押し付けない」と言いつつ、消費税の増税を決め、普天間基地の恒久化を図ろうとしている。その言葉が一貫しているのなら「10万年にもおよびどうすることもできない核のゴミ」を次代に押し付けても良いのか。

大飯原発のような関西の水がめとなっている琵琶湖に、原発事故でセシウムが大量に降り注ぐようなことになった場合の危機のイメージすらできないのか。原発ゼロ、廃炉にする方針を取るべし！

直ちに廃炉にするにしても相当数な年月を要するだろうし、それによって雇用も生まれるだろう。どこに核燃料棒を保管するかという問題はあるが、それでも発電所敷地内において当面保管するなどの方法もあり、セシウム等が広範囲に降り注ぐ危険に比べればリスクは随分と下がる。

電力の不足や安定供給は再生可能エネルギーへの切り替えにもっと政策誘導をすべきだし、それが開発軌道に乗るまでは火力で補えばよい。幸いの円高であろう。

意見表明3

：原発比率20-25％シナリオ
（事前提出、意見概要より）
原発の安全確保を大前提として、電力の安定供給には原発が必要。

電力供給の不安定化が地域経済、国民生活、国力の低下につながる。
太陽光発電の買い取り料金が42 円と決まったことで、電力料金が上がる。

意見表明4

：　3つのシナリオ以外
（事前提出、意見概要より）
「原発村」の住民がなぜ原発村と呼ばれるのか腑に落ちないまま従来の延長の主張を続け、「反原発村」の住民がそれを声高に非難するという対立構図から速やかに脱却し、同じ日本国民として、可能な限りの客観的根拠をもって相互の主張・相違点を理解しあい、建設的な議論をすべきである。

１．原発について
福島原発事故の原因究明を進めながらも安全性を高めた原子炉から粛々と再稼働し、40 年の寿命で廃炉にしていくのが社会へのひずみが少ないと考える。ここでの社会へのひずみとは原発周辺地域の雇用、経済界への影響、原発立地県・隣接県住民の安心である。
この立場に立った時、再稼働を認めず即時廃炉にせよとの主張者は、原発周辺地域の雇用問題の解決案を具体的に提案すべきであろう。原発事故を起こした社会や社会制度に罪があったとしても原発周辺で働く人に罪はあるまい。再稼働を主張する経済界は、例えば事故の保障や事故対策のための費用を国や電力会社だけに負わせるのではなく、自分たちもいくらかずつ拠出し、負担する覚悟を示すべきだ。政府の決定に対して声明を発することを繰り返すだけでは「恫喝」と陳腐な受け止められ方をされかねず、その主張が国民に受け入れにくいであろう。政府は国民の声を拾う様々な努力を継続すべきだ。2012 年3 月16日のNHK の無作為抽出アンケートでは、原発を増やすべき2%、現状維持21%、減らすべき43%、すべて廃止すべき28%であり、また「減らすべき・すべて廃
止すべき」の割合は年齢が若いほど低くなっていた。エネルギー・環境の選択肢に関する意見聴取会はこの割合を適切に反映しているとは思えない。この数カ月で国民の意識が変わったのか、NHK の無作為抽出が不適切だったのか、本意見聴取会が世論を汲み取るのに適していないのか、真摯に向き合ってほしい。

２．再生可能エネルギー等原発以外の発電オプションについて
原発比率が何%、残りが再生エネ+火力という考えは不毛な議論に通ずる。再生エネの導入拡大の速度には限界がある。ある時点で現実的に導入可能な再生エネがどの程度で、その導入時に必要となる調整力がどれだけか、賄いきれない需要がどの程度で、そのためにどのような発電技術を用意するのがよいのか、という逆の論理での考え方も必要だろう。

意見表明5

：　原発比率0％シナリオ
（事前提出、意見概要より）
以下の理由で、原発の新設禁止並びに老朽化した原発から順次廃止する。
１．事故の際、現在の科学技術ではコントロールできない。
２．事故に対して、誰も責任を負えない。
３．放射性廃棄物の処理技術が確立されていない。

意見表明6

：　3つのシナリオ以外
（事前提出、意見概要より）
電気事業の地域独占をやめ、広く電力市場を解放して、競争原理を導入すべきである。そのことで、現在の電気料を大幅に安くできるのではないかと思われる。また、競争原理の導入で、情報も広く公開されるだろうし、今回の事故に見られた、電力会社の対応の甘さや、政府任せの無責任さもなくなるだろう。
エネルギー源の問題については、以上の前提の上で論議すべきである。

意見表明7