怪談BASARA・腐 #kai_bsr_fu 二夏目第三回　まとめ。

数寄屋＠鈍色スイッチ @suquiya

【拡散希望のようなもの】【お知らせ】8月5日21:00頃から2時位まで、怪談語りイベント「怪談BASARA・腐」二夏目第三回を行いたいと思います。大体のルールは怪談BASARAと同じですがこちらは腐・女体化・転生要素が可になります。ハッシュタグは【 #kai_bsr_fu 】

数寄屋＠鈍色スイッチ @suquiya

【お知らせ】21時になりました。只今から2時位まで、怪談語りイベント「怪談BASARA・腐」二夏目第三回を行いたいと思います。大体のルールは怪談BASARAと同じですがこちらは腐・女体化・転生要素が可になります。ハッシュタグは【 #kai_bsr_fu 】

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OPは私数寄屋が見本のようなものも兼ねて僭越ながら語らせて頂きます。語り手希望の方は、できればこのOPの間、間に合わなければイベントの間にリプライを下さい。よろしくお願い致します。 #kai_bsr_fu

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@kai_bsr その少女を見かけたのは、まだ高校に上がったばかりの頃だった。 通学に使う方とは逆の、向かいのバス停。白い肌によく映えるセーラー服は逆方向の私立中学校のそれだ。 #kai_bsr_fu

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@kai_bsr 手に金魚柄の巾着袋を紐を通して持ち、黒い鞄を携えたその柔らかな姿に、なんだか見とれてしまったあと、バスの中でよくもまああそこまで典型的な「爽やか」な女子中学生もあったもんだ、と思ったことを覚えている。 #kai_bsr_fu

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@kai_bsr それから三年間、向かいのバス停にその女子中学生は佇み続けた。 #kai_bsr_fu

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@kai_bsr 3年差だったらしいな、と思いながら高校3年の1年を過ごし、卒業式を迎えたその日、ふと、目があった。 #kai_bsr_fu

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@kai_bsr おっ、と思っていると、その少女はふわり、と目を細め、にこり、と微笑んでみせる。 その笑顔に、ああそうか、と拙者はようやっと気がついた。 #kai_bsr_fu

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@kai_bsr どうやら拙者はその少女に、恋をしていたらしかったのだ。 #kai_bsr_fu

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@kai_bsr そうして大学生になり、向かいのバス停になぜかぱったりとその少女は姿を現さなくなった。どうしたのだろうか、と思っちゃいたが、拙者にはなにもしようがない。少女の身元も、名前すら、拙者は全く知らなんだ。 #kai_bsr_fu

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@kai_bsr こうして拙者の、淡い恋は終わった。 #kai_bsr_fu

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@kai_bsr そう語り終えた瞬間、ぶっ、と吹き出す音がした。「こら笑うな片倉！」「いや、すまん、わかっちゃいるんだが…」ぶふう、と更に噴出す強面に拙者は微妙な気分になる。なんだそれは。聞かれたんで答えたのが拙者で聞いたのがお前だろう。 #kai_bsr_fu

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@kai_bsr 「ああ、まあそりゃあそうなんだ…そうなんだが…」ひーたまらねえ、と笑い転げられて憮然とした気分になる。同じく酒を酌み交わしていた由利の方を見れば、そちらも体を震わせていた。 #kai_bsr_fu

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@kai_bsr 「…もう酒を下げるぞ、あほうどもめ」「それは勘弁してくれよ」そう言いながらもたまらないといった様子で笑い転げる二人に、なにがおかしい、と聞けば、なにもかも、と帰ってきた。 #kai_bsr_fu

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@kai_bsr 「なんだろうなあ、お前のことだから高校の頃からどうせ熊っぽかったんだろう？　それがバス停の少女と爽やかな…淡い恋って、ぶっふは」「いやすまん真剣なのはわかってるんだがな…」「…悪かったな！小生だってそれぐらいわかっとるわ！」 #kai_bsr_fu

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@kai_bsr （※しまった、なんか「小生」を「拙者」と勘違いして書いてました…今までの「拙者」は「小生」に直してお読みください。なんということだ…） #kai_bsr_fu

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@kai_bsr 怒鳴り声を上げると、おお怖い、と言いながらもやっぱり笑っている。「ええい、いい加減にせんかい！」そう叫んだのだが、「まーまー落ち着けって。飲め飲め、飲んで気にするな」と言われて杯を差し出されるだけである。 #kai_bsr_fu

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@kai_bsr 「由利、片倉…お前たち覚えておけよ！」「それは遠慮する」 #kai_bsr_fu

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@kai_bsr 「やだよー」「畜生小生は不運だ！」「はいはい。不運だなあ飲むか」にやにやと笑って片倉が差し出した缶ビールを、小生はやけになって飲み干した。 #kai_bsr_fu

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@kai_bsr 小生がこの二人と出会ったのは、大学のサークル勧誘で試しに行ったコンパでのことだった。今でこそ3人でこうやって酒を酌み交わす仲だが、始めは一人ひとり違うコンパでの出会いである。 #kai_bsr_fu

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@kai_bsr 最初にであったのは片倉の方だった。酒を飲めない者どうし集められた席に座った顔ぶれの中にその顔を見つけたときはびびったもんだが、幸いなのか何なのか、片倉は「覚えて」いなかったんで事なきを得た。 #kai_bsr_fu

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@kai_bsr 快活に笑う、すっかり肩がほぐれた様子の片倉に当初違和感を覚えはしたが、まあこんな時代だ。奴もそうなっててもおかしくないわな。ただまあ、偶に多分…独眼竜の呼び出しらしいもんで待ち合わせだろうが勉強会だろうがぶっちぎるのは困ったもんだが。 #kai_bsr_fu

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@kai_bsr 由利のほうはそんな驚きもなかった。名前からして所謂あの十人の一人だっつうのは見当がついたが、なにせ片倉のほうがパンチは上だったし、なにより小生は猿飛はともかく、霧隠才蔵すらあまり見かけなかったのだから、いわんや由利鎌之介をやっつうやつだ。 #kai_bsr_fu

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@kai_bsr それでなんだかんだと携帯番号なんぞ交換したんだが、人のつながりっつうのは不思議なもんで、小生を介するのでもなく、由利と片倉の二人は二人の方でサークルなんぞでぼちぼち出会って仲良くなっていた。 #kai_bsr_fu

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@kai_bsr それでまあ、小生との予定もなんだかんだ合うことが多く、3人でつるむこともたまにあり、そんでいま、ってわけである。 #kai_bsr_fu