J/Sイズムによるジョン誕

ベハ氏いつもまりがとう。
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∠まむら・ヤバス! @simamura_yaba

脳内を探す。花束やプレゼント以外のなにか。彼に贈れるなにかを。何処を探しても何もないと気づいて小さく溜め息を吐いた。僕はこんなにも彼から与えられているのに、僕は何ひとつとして返せない。テーブル上の目についた紙切れに書いてみた。愛の言葉ではなく数式を。気持ちの伝え方が解らない。

2012-08-07 01:32:09
∠まむら・ヤバス! @simamura_yaba

君が喜ぶ顔が見たかった。ただそれだけの単純なことなのに、偏屈な脳は捻くれたプレゼントを用意した。数式を眺める。あえて単純な暗号で。彼に解いて欲しいと願っている。プレゼントのリボンを紐解くようにするりと。「おめでとう、ジョン。」 http://t.co/871jgad

2012-08-07 01:37:24
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オリーブ油 @musakaotoko

<…ま、知らない振りをしてやるのも一つ、楽しみという事で。

2012-08-07 01:39:32
∠まむら・ヤバス! @simamura_yaba

<知らない振りをしてくれた方が僕は気が楽だ。

2012-08-07 01:48:57
オリーブ油 @musakaotoko

<また頬の内側を噛み含んでるのを、僕は横で眺めてる。全く分からない振りをして、…そう、君が我慢出来なくなるまで。その意味をさも得意気に語ったら、今日くらいはなぁんだなんて馬鹿にしないでいてやってもいい。頭の先から足の爪先まで、たっぷり褒めてやろうと決めて。

2012-08-07 01:53:21
∠まむら・ヤバス! @simamura_yaba

<くだらない事をしたと気づいた時には暗号を彼に見せた後だった。分からない振りをする彼の目が僕の反応を楽しむように向けられている。なんとも気まずかった。いや、きっと恥ずかしいのだろうと自分を客観視する。無言で目を逸らした。

2012-08-07 02:07:33
オリーブ油 @musakaotoko

<色々と手元で試してる素振りだが、正直演技には自信がない。時折伺う俯いた横顔が動揺混じりで、案外柔らかいのかもしれないと思う。さらっと答えてやってもいいかと考えもしたけど、もう少し。もう少しこんなやあらかい所を掴まれた、繊細な彼を見ていても罰は当たるまい。もう少し、だけ。

2012-08-07 02:19:32
∠まむら・ヤバス! @simamura_yaba

<案外この男は意地悪だ。解っているのに分からない振りを続けメモ紙を弄っている。奪い取って紙を破り捨ててしまおうか?折り曲げて答えを突き返そうか。いや、言えない言葉らしく丸めて飲み込んでしまうのが相応しいのかもしれない。それでも僕はいじけた子供みたいに黙っている事しか出来なかった。

2012-08-07 03:05:14
オリーブ油 @musakaotoko

<押し黙っているその瞳はまるで少女染みてお喋りだ。地動説は無視する癖に、僕が生まれ落ちて地球が30と数回まわり終えるだけの日を、僕の為に苦手なロマンスで飾ろうとするコレをどうやって愛したら良いだろう。僕は式の最後に+x3と続けて彼の手元に返した。本当に欲しかった物を期待しながら。

2012-08-07 07:32:00
∠まむら・ヤバス! @simamura_yaba

@musakaotoko 黙っている事への疑問も、理由を追求するでもなくジョンは紙に何か書き足して僕に差し出した。受け取ってそれを見てごくりと生唾を飲み込む。複雑な数式に足された意味を、彼の要求を理解する。どうやら僕は答えを出さなければならない。なにしろ今日は彼の誕生日だ。

2012-08-07 11:54:01
オリーブ油 @musakaotoko

@_Be_Ha_ 明白に嚥下する喉仏の綺麗な象りを僕は眩しく見据えた。一度大胆に胸内を晒したのかと思えば、この通り今は緊張の幕に包まれて震えるようでいる。僕を煽るとも知らずにそうする彼が、酷く憎くて可愛い。俯きがちな彼を覗くのに便利な身長を喜びながら、自分の唇を舐めて濡らす。

2012-08-07 17:37:35
∠まむら・ヤバス! @simamura_yaba

@musakaotoko 俯いていても彼は僕の表情を見ていた。心配しているような、どこか嬉しそうにも見える顔で僕を覗き見ている。ジョンを視界に映せば赤い舌が唇を舐めたのが目に入り、卑猥な意味を含ませたそれが合図だと知る。無言で歩み寄り、少し屈んでジョンの唇に己の唇を重ねた。

2012-08-07 23:36:40
オリーブ油 @musakaotoko

@_Be_Ha_ 降りてくるブルネットの陰にそうっと双眸を細くしつ、それでも彼の息遣いと蝋のような瞼とに感覚を集中させる。重なるだけの柔らかさに、微かに震えが混じっているように思うのはいっそ僕の幻想かもしれなかった。思わず鋭い息を零して、礼の代わりにふくよかな下唇を舌先でなぞる。

2012-08-07 23:46:25
∠まむら・ヤバス! @simamura_yaba

@musakaotoko 唇に触れる感触は柔らかく温かかった。彼の体温を至近距離で感じ息が詰まりそうになる。胸の苦しさは呼吸を制御しているせいだと言い聞かせた。下唇を舐める濡れた舌に、情けなくもびくりと体が強張り心臓が跳ね上がる。咄嗟に身を引けば何事もなかったように唇は離れた。

2012-08-08 00:02:43
オリーブ油 @musakaotoko

@_Be_Ha_ 離れると同時に、遠方で大時計の打つ鐘の音がどこか他所事のように現実味なく響く。いつの間にか魔法が溶ける時間らしい。彼の落とした硝子の靴を探さねばと咄嗟に思ったが、どうやら僕は今、上手く笑えないらしい。俄かに俯いて、ただ彼の磨かれた爪先を見つめた。

2012-08-08 00:13:33

J:本当に欲しかった物の正解は、また、来年。